2.《ネタバレ》 いやー、やられましたわ、井筒監督!よくぞこんな映画を撮ってくれはりました。そもそもね、ワテがいい年こいてから映画にハマりだした理由の一つに監督の「こちトラ自腹じゃ!」があったんですわ。いわば恩人なわけですから「こら応援せなアカン!」と思って観に行ったんですわ。ただね、観る前にちょっと心配してたトコもあったんです。「もし、ぬっる~い人情喜劇みたいなのだったらどないしょ」って。だって、ヤクザの親分と生き別れたその娘なんてシチュエイション、もうコッテコテやないですか。おまけにジェームス・ブラウンを誘拐!?どないなっとんねんっちゅう話ですわ。それが観てみたら・・・・・・確かに人情喜劇には違わないんですが、「ぬるい」ではなく「ぬくい」映画でしたね。「アンタ、貧乏性ちゃうか?」とツッコみたくなるくらいの小ギャグの連打、連打、そして登場人物の関西弁からにじみ出る「あたたかさ」、もう、これでもかッってくらいのパワフル&ハートフル!なんや知らん、下町のオバチャンが焼いてくれた具沢山のお好み焼き食べさしてもろて幸せーな気分になった感じ。特に西田敏行演じる親分がJB(のそっくりさん)の代わりにステージに上がるところ!泣けましたわー(ワテね、「アバウト・ア・ボーイ」なんかもそうなんですけど、こういう「大切な人のために勇気を出してステージに上がる」ってシチュエイションに弱いんですわ、ホンマ)。「ブルース・ブラザーズ」を思わすようなエンディングも素敵やしね。いや、ワタクシ事ですんませんけど、最近ワテ、映画観ながら頭ン中で屁理屈こね回してる事がようありましてな、それがごっつう嫌でしてん。この映画はそんな生意気なワテの頭をゴーーーーンって気持ち良うぶん殴ってくれましたわ。「なんっかむっつかしい映画もええけどな、人間何が一番大切かって、毎日笑って泣いてっていう、そういうことやん。もしこの映画観てアンタが元気になってくれたら、ごっつ嬉しいわ。ほな、明日からも頑張ってえな」って監督に言われているようで、めちゃ元気になりましたわ。ま、ひょっとしてあのオチに対して「そんなんあるわけないやん、都合良過ぎるわ」っていう人もいるかもしれません。そんな人にワテは言いたい。「・・・・・・ええやないか(微笑)」とにかく、これで大好きな日本映画がまた一つ増えましたわ。井筒監督、アンタには完敗!そして乾杯!