96.《ネタバレ》 重くつまらないかもと決め付けて見てなかったのですが、パッションブーム(笑)で、見てみようという気になりました。
中世もの古代ものが、とにかく苦手というのも見ない理由でした。
ロード・オブ・ザ・リング以来、中世&古代の映画が増えてきたような気がするのは私だけか?ともかく長い映画でしたが、分けて見ても十分ついていけました。脚本と演出が見事ですね。
一番よかったと思うのは、キリストの顔を映さないという演出。
水にまつわるエピソードが最初と最後に出てきますが、キリストとシンクロさせて非常に品がよい演出に感心し感動しました。
自分もその場にいたような錯覚さえ覚えるほど。後々の映画演出に影響を与えてると思いました。私は戦闘シーンや競技シーンは根本的に好きではないので、こちらのRPG的なうまい演出のほうに惹かれたのです。あと、主役のチャールストンも初めて見ましたが、私には肉体美はどうでもよくて、表情の細かい変貌にびっくりしました。ライバルが死にその憎しみを向ける相手がいなくなった。
それからの彼はどこにその憎しみを向ければいいのか、この描写がよくできてます。キリストの処刑で自らの憎しみもどこに流せばいいのか、そこまででよかったのですが・・答えはそこなのですから。あと、ヒロイン役の人もよかったです。
本当に賢いし見守ったり突き放したりと、理想の女性です。
元は使用人だったのかな?ロデムが変身してるに違いない(笑)と、自分で勝手にうけてました。
私は無宗教ですが、自愛の深さは感動しましたし、相手を許すことで自分も許すことで終わればもっとよかったなあ。
その後の円谷プロが作ったような特写の展開は・・
宗教映画なんだ!と感心するのと、宗教映画か・・と落胆するのと意味が違うので-1点。
でも娯楽性もあり今見ても面白く、品もありよい映画でした。
ちなみに、パッションは・・見る気がしなくなりました。
キリストの逸話は映画という楽しさでいいですから。
あれは楽しい感動がないように思うので・・