74.虚無感・空虚感の表現は秀逸。 台詞が少なく、間の取り方が素晴らしいという意見が見られますが、たけしがコメディアンでもあることを考えると当たり前ですよね。笑いでの「間の取り方」って決定的な要素ですから。説明が多い芸も笑いが減りますし(モノマネの前に何をやるか言ってしまうのが一例)。 座頭市でのタップダンスの是非議論がありましたが、この作品にも体現紙相撲等があります。昔からやってたんですね。シリアスなテーマをずっと続けて観客を疲れさせるのは、コメディアンとして出来ないんでしょう。 【くろゆり】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-07-30 08:53:22) |
73. 作品全体を包む雰囲気・空気感が好きです。時々はさまれるギャグ的要素もいい味を出しているし。ただ、ああいうラストはいやだなぁ。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-30 21:26:40) |
72.《ネタバレ》 私もこの映画が北野映画の中で一番の傑作だと思う。映像として、演技として、そして、あけっぴろげなまでの空虚さにおいて。ピストルが響くたびにドキっとしてしまうのだけど、そのあとにとにかく哀しくなる。とにかく圧倒された。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2007-06-05 22:59:49) |
71. 小学生だった頃、怖かった。ちっとも暑そうに見えない夏。入ることを拒むような海。のっぺりとした青空。平坦な風景。生気の感じられない登場人物。マイナーコードの旋律。作品自体が墓標であるかのように思えて怖かった。 十年以上経った今、むしろ落ち着いて鑑賞することができるのは、たぶん様々なことを諦め、自らの墓標の形もおおよそ分かってきたからであって、それはたぶん悲しいことなのだろう。 【小塚】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-12-29 00:00:58) |
70.《ネタバレ》 これはもう大傑作、と私は思う。やはりプライベート・ビーチでの時間が一番印象に残るんだけれども、あの空間・時間が凄いと思う。あと、たけしの笑顔がいい。終盤の車の中で、高橋(矢島健一)へ向ける笑顔。 【氏木】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-12-26 12:57:53) |
69.《ネタバレ》 自身初のキタノ映画。 「やくざ、辞めたくなっちゃったよ」「死ぬのが怖いって言ってると、死にたくなっちゃうんだよ」など、何かを感じさせるセリフが多い。 エレベーターのシーン、ラストの銃撃戦などはさすが。ダイハード3、もろパクってる。 個人的には「車ふっ飛ばしちゃって、帰りどうすんだよ」ってのがなぜか残ってる。面白いわけでも、心に響くわけでもないのに。 【θ】さん [DVD(邦画)] 6点(2006-12-21 15:21:04) |
68.北野映画はどれを観てもつまらん。言葉が汚いのも気に入らないです。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 1点(2006-11-05 19:14:03) |
67.《ネタバレ》 その昔。関内(横浜ね)のしょぼい映画館まで足を運んだのであった。 客はすごく少なかった。あと、鑑賞環境が悪く、終始場内の照明に悩まされた。 それでも見たかったんだなあ。 「その男」でしびれたテンポと意表をついた話運び、あいかわらずよかった。「殺すぞ」と抑揚なく言ったら次の場面ではとんでもないことに。いいなあこれ。 でもたぶん、私が喜ぶような上記の場面じゃなくて、キタノブルーとか絶賛された沖縄の浜で遊んでる(といえるのか)場面を一番撮りたかったんだと思うのだ。 仲間がどんどん欠けて(もちろん死んで)いくことに対する徹底した無感動、これが全編をつらぬく。究極のクールなんだけど、じゃ浜辺で仲良く「舞の海」とかいって遊んでる場面はなんなの、というミスマッチ。その描写とは逆に、観客は「ああ、こいつもあいつも死んじゃって、やばいじゃんどうするんだよ」とますます追い詰められた気持ちになる(たけしの狙い通り。)唸りますね。 つまり「俺らは世の中にも人生にも別に期待も希望も抱いていない」という大前提がないと成り立たないわけですね。「ああこいつが死んでショックで悲しいー。こいつにはぜひとも生きていて欲しかった」という感情表現がカケラも出てこないわけだから。 「期待も希望も持たずに最後は単独の出入りで終了」という、なんか非常につまらん話のように聞こえてしまうけれど、それを映画として成立させてしまう手腕。 胸の大きな姉ちゃんは本当に要らなかった。 【パブロン中毒】さん [映画館(吹替)] 7点(2006-07-17 14:57:52) |
【十人】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-07-16 23:08:24) |
65.観ている時は楽しかったし、何が起こるかわからない緊張感もあってよかった。最後もキタノブルー全開で哀愁あってよかった。だけど、内容がどんな感じだったか残らない。北野作品をこれが最初に観ていたら、新鮮で印象が違ったのかもしれない。 【Syuhei】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-05-08 22:58:24) |
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64.現在も制作を続けられている監督にはたいへん申し訳ないのですが、今のところ北野監督最後にして最高の作品。 発表後に、芸術家にとって「作家性」とは時に生死を賭けた所業であることを自ら体現してしまったのはご存じの通りです。とはいえ現代においては映画監督の作家性など継子のようなもの。「トラトラトラ」撮影中の黒澤監督に起きたデキゴトを敷衍してもおわかりのように、それ「以前」と「以降」の作品群の違いを痛感してしまいます。 ソナチネは北野監督の「作家性」に殉じたアダ華であるがゆえに美しいのではありません。この類いまれなる傑作が徹底的に無垢で悲しくしかも美しいことによって、監督自身の体現しなければならなかったおぞましい「作家性」が観るもののコメカミを撃ち抜くのです。 【ただすけ】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2006-05-08 00:21:03) |
63.映画「ブラザー」の後に観たら、さすがにちょっとあきました。役者もだいたい同じだし。展開は違うけど、雰囲気、全体のノリは一緒なんで。この雰囲気、嫌いではないんですけど、こーゆうたけしの映画は連続して観るもんじゃないです。多分。ちなみに、ちょっと笑える所はやっぱ好きです。 【なにわ君】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2006-01-16 01:06:28) |
62.《ネタバレ》 北野映画史上ナンバーワンの誉れ高い今作。手打ち寸前と言われた沖縄ヤクザの抗争に助ける形で参加する事になった村上組。親分の勅礼から嫌々ながらも沖縄に向かう一行だが、そこには激しい抗争の姿があった。たけし映画において重要なファクターを占めるのは、バイオレンスとユーモアの2点。この映画に関して言えば、その2点は完璧に満たされている。繰り返される無機質な暴力と人間紙相撲や舎弟同士のユーモラスなやりとり。これに沖縄の元風景が重なる。この映画を北野映画の登竜門兼マスターピースとします! 【カイル・枕クラン】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-11 15:56:32) |
61.ストーリーはけっこう普通のヤクザものだと思うけど、雰囲気がかなり良かった。沖縄の青い空と白い砂浜のコントラストも絶妙で非常に美しい。このシーンをみてなぜたけしが映画監督として世界的な巨匠と言われているのかがほんの少しだけど分かったような気がする。 【イニシャルK】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2005-11-30 02:52:46) |
60.武のベストですね。 一回目見たときはあまりいいとは思わなかったが二回見て面白さが分かった。 邦画では一番好きかも知れない。 この面白さをうまく文章で表すことは出来ないがとにかく面白い。 【トクタ】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-11-27 20:35:53) |
59.《ネタバレ》 「凶暴な男、ここに眠る」というコピーどおり、初期北野映画の集大成的な作品。「あんまり死ぬのを怖がってると、死にたくなるんだよ」って台詞は、ラストへの伏線だったんですね。でも、いかにもな感じだった『HANA-BI』よりはインパクト絶大の終わり方でした。 【とかげ12号】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2005-10-26 20:47:51) |
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57.自分の好きな世界を、好きなように撮っていいといわれれば、宮崎は「紅の豚」を、たけしは、「ソナチネ」を撮る、、、そんな印象でした。二人の違いがくっきり浮かびますね。、、、、、個人的なことですが、私も7,8年前までは、花火の撃ち合いや、落とし穴や、紙相撲やら、キャンプに出かけては、やったものです。、、、、、ただ、違っていたのは、私たちが拳銃を持っていなかったこと、そして私たちが一番好きだった焚き火がこの映画ではでてこないこと、、、、、、そして一番の違いは、この映画での遊びが、いつ襲ってくるかも分からない死とのコントラスト、緊張感を常に意識させる形で行われていることです。(私たちも、川でおぼれそうな奴がでたり、帰り道に車を大破させたり、結構、死と隣り合わせでしたが、あんまり意識していなかったような、、、)、、、、、ところで、私がこの映画で一番気に入っているのは、人と人との家族的で私的な親密さが一切排除されていることです。例えばブッシュが選挙演説で「ローラには一目惚れだったんだ、えへへ」というように、家族的で、ねっとりした親密さがあらゆる社会関係を制圧しつつある昨今、この映画は、そうした親密なとは異なる原理を鮮やかに提示しているように思えるからです。その際、そうした親密さはアメリカ文化の一つの重要な特徴だと考えられます。、、、、だから、この映画は根底的原理において、反ハリウッドの映画だと私は理解しています。最後のシーンなど、ラストサムライの最後と較べてみるとはっきりしていますよね。、、、、、そうした観点からいうとこの映画の「幸」という存在は、それが存在することでコントラストが鮮明になる一方で、映画の中に家族的親密さを持ち込む危険を孕んでいます。、、、、、その後のたけし映画は、家族的親密さに対するドンキホーテ的挑戦の過程だったなんて解釈も成り立つかもしれません。 【王の七つの森】さん 9点(2004-11-16 10:07:02) |
56.どうしてもラストに納得できなかったので、マイナス1点。 【センブリーヌ】さん 4点(2004-08-30 08:06:19) |
55.前作で余程沖縄が気に入ったようですね。作品の背景として沖縄の自然を撮るのではなく、芸術ぶったカメラワークが大嫌い。 そして出ました『暴力団』。専門家ですね。抗争が大好きです。壮絶な殺しのシーンも「その男~」「3-4X10月」で慣れてきました。 それにしても日本の役者って表情が無いね。昔ながらの役者もみんなそんな感じですが、これは伝統なのでしょうか。不気味さは伝わるのですが、それ一手の演技なので情緒が湧かず、つまらない。音楽にしても恩着せがましくクドイ。荒々しさが欠けて『妙な芸術』に走ってしまっているように感じた。 |