282.この映画の中に、僕が今まで観た映画の中で最も印象に残ったシーンの一つがある。最初に見たのはテレビで、確か小学生の時だったと思う。 鮫退治のために、ベテラン漁師とともに船で沖へ出たブロディ署長。署長は横柄な漁師にこき使われ、罵声を浴びせられ、ぶつぶつ文句を言いながら船尾で鮫のエサをまく。「てめーの顔を見るぐらいなら、人食い鮫と顔をつきあわせてる方がマシだ――」署長が船長に対する憎まれ口を言った瞬間に海面が二つに割れ、ドラム缶ほどの大きさがありそうな巨大な鮫の頭が、何重にも生えた牙の列のある口中を見せながら現れる。鮫はエサである肉塊を数個まとめてガブガブと飲み込み、そのまま、その頭と同様巨大な波しぶきと波紋を残して、海中に消えてゆく。署長、一言も発せず立ち上がり、そのままフラフラと後退し、船室へと入っていく。そして横にいる船長に言うかのように、また独り言のように、つぶやく。「…………この船じゃ、小さすぎる」 この、「この船じゃ、小さすぎる」 以上に署長の鮫への恐怖と、これから始まる壮絶な死闘への予感を表現する言葉は他にあるのかと、僕はいまだに考える。 そのシーンに衝撃を受けた僕は新聞のテレビ欄を見て、本当は見なくても分かっている 「スティーブン・スピルバーグ監督」 という文字を確認し、そしてその名を心に刻みつけよう、と思った。 僕の記憶の限りでは、それが映画において「演出力」というものが何か、ということを知った最初の瞬間だった。 【佐吉】さん [地上波(吹替)] 10点(2009-08-09 17:10:30) (良:1票) |
281.数多くある私の、”見るだけで鳥肌”のひとつをスピルバーグ氏が与えて下さいました。小学校高学年になるまで、あれは本物のサメだと信じこみ、さらに私の父は幼い私に「船長さんは死んだふりをするはずだったんだけど、サメが暴れだして本当に食べられちゃったんだよ」と本当に不必要で不健康な嘘をつき、おかげで今でも海に入れません。風呂すら怖かったです。海はつながってるんだから日本の海水浴場にサメが現れない保証なんてどこにもありません。みなさんも気をつけてください。 【らいぜん】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2009-06-13 13:59:14) (笑:10票) |
280.鮫が見えない恐怖、鮫が見えた時の脱力感。全体的に流れが良く、鮫に対する恐怖も上手く再現できてる。作られた年代を考えるとスピルバーグって凄いと思います。 【真尋】さん [地上波(吹替)] 5点(2009-05-23 11:22:55) |
279.後のパニック映画にも多大な影響を与えた、偉大な作品にケチつけるのは申し訳ないんだけど…張りぼてなんだよなあ、やっぱり。だって最初に観た時はまだ子供だったけど、やっぱ「あ…張りぼてだ」と思ったもん。張りぼてって言うなっ!映画の価値を落とすもんではないっ!って人の気持ちも解るんだけど…。でもこれは、やはり映画の出来が格段にいいからなんです。ストーリー展開もよく出来てるし、音楽は盛り上げるし、恐怖・パニックの描き方はすごく上手い。で、引っ張って引っ張って引っ張って…張りぼてなんだもん。最後にガクっときてしまったのは否めない。あの頃では技術的に限界があったのは解るけど、それだけに全体像を最後まで見せないわけにはいかなかったのかなあ、と思う。あそこまで、体の一部や魚影で恐怖が演出出来てたんだから、そのまま逃げ切(?)っても良さそうなんだけど。それとも「最後は全身を見せる」は決まりごとだったの?というのも、これはエイリアン(1作目)にも言えてて、全体がわからない顔のどアップやら、体の一部しか映らない絶妙のショットでエイリアンが襲ってくるシーンやらでめちゃくちゃ怖かったのに、最後に宇宙船の外に張り付いていたエイリアンは、普通に人がタイツスーツを着て頭に被り物したような代物で、思いっきり拍子抜けしたのと重なるので…。でも同じスピルバーグの激突!では最後に手を映しただけだったんだし、同様の演出が出来るんじゃないか、ってやっぱり思っちゃうのよ。ということでやはり「張りぼて」がマイナスです。他の出来がいいだけに。張りぼて張りぼて言ってすんません。 【あっかっか】さん [地上波(吹替)] 6点(2009-04-14 13:15:29) (良:1票) |
278.《ネタバレ》 前半の恐怖映画から後半、冒険映画へ一転する、あの心地よさ。意匠を凝らしまくったカメラワーク。若き日のスピルバーグのエネルギーが画面から溢れ出てる感じです。海上で鮫を追うシーンではスピルバーグとジョン・ウィリアムズの才能の相乗効果によって最高にエキサイティング。持ち上げて落としてまた持ち上げてを絶妙のタイミングで繰り返して観客を翻弄するスピルバーグの上手さが最も光った映画でした。公開当時、満員の映画館では悲鳴や歓声、そして大拍手に湧き、お祭り騒ぎみたいな場内に、子供心に興奮しまくった記憶があります。あんな体験、後にも先にも、あの時だけでした(そもそも1500人以上入ってる映画館で映画を見る、なんて体験も今はできないですしねぇ)。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-04-13 01:53:23) |
277.「海に落ちる=サメに襲われる恐怖」という図式が僕の頭の中で出来上がったのがこの作品だ。海面下を左右にうごめく独特の不気味なシルエット、青い海に広がる鮮血。人間というものは地球上において唯一天敵が存在しないともいえる生き物だが、捕食者の前にあまりにも無力な状況下があるとするなら、海のど真ん中に取り残された時だ。あれは・・・本当にぞっとするね。その現存する潜在的恐怖を見事に再現し、人物描写と合わせて最高のスリラーに仕上げた脚本と演出はお見事としかいいようがなく、これを超える「食べられる恐怖」の演出に成功した映画は知る限り、ない。 【はち-ご=】さん [地上波(吹替)] 9点(2009-04-08 15:39:57) |
276.《ネタバレ》 ロバート・ショウの不敵な面構えに痺れる。ああいう俳優は今いない。さんざん偉ぶっていたのに、あっさりサメの餌食になるところも凄すぎ。最後に残ったのが水恐怖症の署長さんというのもユニークな趣向で、脚本の面白さと卓抜した演出のセンスと名優たちのアンサンブル演技が見事に融合した大傑作。もちろん、ジョン・ウィリアムスの有名すぎるスコアも忘れられない。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-04-08 06:42:29) (良:1票) |
275.《ネタバレ》 夜、立ち泳ぎしている女の子のシルエットが、突然ありえないスピードで動き出し、浮遊物に捕まるも、海に引き込まれるシーンが怖い。後半の3人で退治しに行くシーン。イカレた船長の海上での意外なリーダーシップや過去のエピソード、海洋学者がうれしそうなところなど、よい。しかし。あんまりそういうことないんですけど、ラストがなんとなく読めてしまいました。あの有名な「JAWS」ってこうだったんだあ、というのが率直な感想。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-03-14 06:52:54) |
274.小学生の頃、初めてファンになった映画俳優がロイ・シャイダーだった。ずっと署長さんとうわ言のように言い続けていた。作品自体も海が嫌いになるほどの怖さ。 【Michael.K】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-03-08 22:44:02) |
273.《ネタバレ》 今作ればもっと本物っぽく、鮫の目線やもっと緊張感ある視点で表現できるかもしれない。でもそれはあくまでCG。機械っぽく動こうが動きが緩慢だろうが公開時の人にはそれを補う想像力があったように思う。船からみた鮫のでかいこと!これだけで十分なのだ。また、鮫を弱らせるための樽も一瞬「これで勝てるかもしれない」と思わせながら、それをつけながらもぐってしまう半端ない鮫の体力に絶望感を味わせる見事な表現。しかもそれは後にその樽そのものが鮫の出現を意味する演出。スピルバーグはどこまで冴え渡っているのだろう。彼は静と動の使い分けもすごい。樽の再出現直前で交わされる3人(2人?)の傷自慢から船長の大戦時の忌まわしい記憶、そして鮫が襲うときに見せる一瞬の白目のエピソード、静かな恐怖も観客にしっかり刷り込んでいるのだ。当時のポスターデザインも秀逸。CGのない時代に作られたからこそできた名作かもしれない。 【やしき】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-03-02 02:19:15) (良:1票) |
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272.《ネタバレ》 やはり3人揃って凱歌は上げられなかったか・・・。しかしあれじゃ岸に泳ぎ着くまでに血の匂いを嗅ぎ付けた別のどうでもいいサメに襲われそうだ。後サメの造形はあれでいいんじゃないですか。今見ても十分迫力ありましたよ。下手なCGで地球外生物のようなサメにされてもあれだし。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-03-01 14:34:50) |
271.《ネタバレ》 今観ても十分に興奮できる稀有なホラー作品。しかし余りにもステレオタイプな人間関係には笑ってしまった。最後も鮫狩りの人だけ死んじゃって可哀そうだったなあ。その後に和気あいあいと泳いで帰る二人が少し不気味に思えてしまった。 【民朗】さん [地上波(吹替)] 6点(2009-02-07 20:25:36) |
270.《ネタバレ》 子供の頃見てえらい怖かった…って人、多いんじゃないかな?今の目でみると「鮫が張りぼて…」とかいう方もいらっしゃいますけど、それを補って余りあるストーリー展開と緊張感、音楽。そして3人の俳優陣の名演。モンスターパニック映画の原点、お手本のような作品ですよね。スピルバーグって天才だって改めて感じる、説得力のある映画だと思います。 【鉄仮面】さん [地上波(吹替)] 9点(2009-02-03 13:35:50) |
269.昔のスピルバーグは魔法使いみたいですね。本作にしても、「激突!」にしても、題材はシンプル。描き方ひとつなんでしょうね。 【Keicy】さん [地上波(吹替)] 7点(2009-01-12 01:23:33) |
268.この映画を見た後は、海に入るのが怖くなりますね。 【山椒の実】さん [地上波(吹替)] 7点(2009-01-11 21:36:43) |
267.《ネタバレ》 ガキの頃観たときは本当に怖かった。ジョーズの姿が見えない方が怖いのだからおかしな話である。この映画の素晴らしさは音楽と演出に尽きる。その後のパニック映画にどれだけ影響を与えたか計り知れない。今観るとジョーズがアレなので高得点を付けることは出来ないが。内容については一点だけ不満である、船より大きいといっているのにあの籠は無いだろう。 【まさサイトー】さん [地上波(吹替)] 7点(2009-01-11 00:09:15) |
266.怖すぎる。ハリボテの癖に。昔はCGなどなく全て人力で映像技術もそこまでよくはなかったので、なので生々しさをうまく表現できていると思う。迫力という点ではこのあたりの年代は現在の映画より勝っていると思う。しかしこの映画が売れすぎてホホジロザメ=悪者になり乱獲が始まったというのが悲しい。 【Shiori】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-10 17:48:21) |
265.「めっちゃハリボテやん!」などとのたまう友人が多いのが悲しい。この映画のラスト20分ほど興奮できる映画なんて、今だってそうは無いと思うけどなぁ。神懸り的なテンポの良さを誇る編集も相俟って、スピルバーグにはもうこの時点で娯楽作の王者としての風格を感じる。 【j-hitch】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2008-12-11 01:47:27) (良:1票) |
264.《ネタバレ》 まだ子供だった頃、何の気なしにチャンネルを回したらたまたま船の上でジョーズに食べられるシーンだったのを覚えてる。それ以来そのシーンが脳裏に焼き付いてしばらく夜眠れなかったのを覚えてる。あれから長い年月が過ぎたがようやくリベンジを果たした。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-10-19 17:24:54) |
【Yoshi】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-09-03 00:39:25) |