105.《ネタバレ》 テキサスのパリを探す人もその弟もマジックミラーを隔てて夫の告白を聞かされる人も橋の真中で叫びつづける人もぼったくる医者も可愛くて失礼な男の子もその子に去られる可哀想な女性もその人生はみんな同じく空っぽなんだよと。美しい映像と美しい音楽が語る。 ジェーンがまたハンターを置いて飛び出してトラヴィスが再び倒れてそれをウォルトがもう一度迎えに行く「パリ、テキサス2」も必見。 【馬飼庄蔵】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-25 19:15:33) (笑:2票) |
104.当時この手のミニシアター系映画が田舎で公開される事なんて滅多にない出来事だったんで、畏まった背伸びした気分で観に行った事よーく憶えてます。ナスターシャが着てた鮮やかなピンクのセーターの色彩がキョーレツでした。「愛の原点、パリ、テキサス」ってコピーもカッコ良かった。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-07-24 17:43:51) |
103.ゆったりとした流れにマッチする音楽、そして物語、どれも観ていて不思議な魅力に最後まで飽きることなく観ることが出来ました。ナスターシャ・キンスキーの表情のひとつがひとつがどれも素晴らしく、一度観たら絶対に忘れることの出来ないほどの強烈な印象を残します。本当に見応え十分のロード・ムービーです。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-07-16 15:52:37) |
102.ラストのトラヴィスの行動を見て、「バカなやつ…」と思ってしまう。でも心からの軽蔑をこめてそう思ったわけではなく、軽蔑と賞賛、同情と共感の入り混じった複雑な感情を込めての「バカ」なのです。 トラヴィスの行動はけっして褒められたものじゃない。弟夫婦の気持ちを無視しているし、息子を母親が一緒に生活しても幸福が保証されるとは限らない。しかし自分が一緒にいればまた二人を不幸にしてしまうかもしれないと知っているからこそ、あえてひとりで夜明けのハイウェイを行く彼の横顔を見ると思わず…。トラヴィスをかっこいいとは思わないけど、嫌いになることもできなかった。あの男はあの男なりに家族を愛していて、懸命に二人を幸福にしようと頑張ったのだから。人間の弱さや愛情というものの難しさについて、考え込まずにはいられない。 映像、音楽の美しさには驚いた。とりわけ映像については、個人的にはいままで観た映画のなかでももっとも美しいとさえ思った。全編にわたって圧倒的なクオリティ。「映像詩」という言葉はまさにこのような作品のためにあるんじゃないだろうか。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-15 20:54:18) (良:1票) |
101.ロードムービーの傑作。娯楽性がほとんどない作品なのに、見事に惹き込まれた。人生ってこんなもの。有り余る幸せは長続きはしない。トラビスの行方は如何に。8点に近い7点を献上。 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-29 20:12:53) |
100.長年付き合った彼女にふられた日、自暴自棄になって呑んだくれ、終電逃してカプセルホテルに泊まったら、テレビでこれが流れてた。ちょうどスタントンとナスキンのガラス越しの会話のシーンだった。とても強烈だった。それまでに2回くらい見たことがあったが、こんなに強烈で美しいシーンだとは思わなかった。何というか、男女の機微。見事に表れていた。情けない男。自分に重ね合わせてしまった。本当に切なく思った。こんなに美しいラブシーンが撮れるヴェンダースが好きになった。 |
99.物語としてはさほど面白くはないのだが、強く心に残る。 【太郎】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-30 17:35:53) |
98.いい映画ですね~。淡々と描いて、しみじみと噛みしめる・・・フィーリングがギルバートブレイクにとても似てると思いました。二台の赤い車を追う映像がとても楽しかったです(どっち、どっち?なんて言いながら中央分離帯に乗り上げそう・汗)。 【ジマイマ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-12 22:44:47) |
97.トラビスの両親の離婚話はトラビスとジェーンの関係にも通じるところがあります。つまり、人は相手を理想化すると愛を忘れてその相手を束縛してしまうという事。だから、トラビスの本音の会話は常にトランシーバーや鏡越しに行われるのだと思います。あのラストもトラビスが彼らを愛するが故の決断と見て取れるのではないでしょうか。彼のラストの行動を身勝手だと思う人たちもいますが、トラビスとジェーンを再会させたのは他でもないハンター自身であることを忘れてはいけないでしょう。あの丁字路でハンターが指摘しなかったらどうなっていたのか、と。冒頭でテキサスを放浪するトラビスの姿は忘れかけていた過去の自分を捜し求める旅でもあったのだと思います。そしてラストで再びその旅に出る事になるのでしょう。つまり、物語は彼が自分を見つけ出す以前の物語であったのでしょう。ヴェンダース、ミューラー、シェパードの三者が作り出す映画の寂しい雰囲気は心に残ります。途中でトラビスたちが見るビデオの映像がお気に入りの一つです。 【マイカルシネマ】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-03-31 17:32:56) |
96.(テレビで放映しているのにたまたま遭遇。全面的に書き直します)、、、、、血のつながっているのが親子だ、という考え方は、どの時代、どの地域にでも成り立つ普遍的な原理では決してありません。、、、近代の日本や、ドイツなど、直系家族の形態をとる一部の地域では、血のつながりということにこだわる傾向があるようです。、、、、、ということで、子どもは成長すれば親を離れ、自立する、ということと、血のつながりが親子の普遍的要件ではない、ということを考慮したときに、この物語はどのような意味が残るのだろうか。、、、、、それと男が別れた女の子とを、いじいじと思い続けるというのはよくあるけれど、女が、喧嘩別れした男のことをずっと思い続け、心の中で話し相手とするということは、どれほど一般的なのだろう。、、、というか、ナスターシャ・キンスキーがマジックミラーのところで、涙を流すのが、男の思いこみ的演技指導の結果ではないかと思えて仕方なかった。、、、、、音楽と、夜の風景の映像は綺麗だけど、それだけの映画ではないかと、今日、思ってしまった。 【王の七つの森】さん 5点(2005-03-22 00:33:10) |
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95.映像としてはとてもきれいで好きです。赤や青がとても美しかった。赤い服が着てみたくなった。マジックミラー越しの ジェーンがとってもとっても綺麗。 無駄に長いとも思わなかった。あっという間だった。 でも、ストーリー的には納得いかないんだけどなぁ。 ハンターの今後を考えると、なんだか・・・。でもそれは考えてはいけないのか。 ラストの時点のトラヴィスの潔さを評価するべきなのか。 押し付けたように感じてはいけないのか。 でもテキサスのパリって素敵。 7点にしようと思ってたけど、こうやって考えるといろんなことを考えさせられていて、やっぱりすごい映画なんだと思ったので、8点! 【ckeru】さん 8点(2005-03-07 14:01:03) |
94.穏やで温もりのある美しい音楽。誰もが認める、抜群のカメラワークからのいくつもの美しい風景と映像。そして不器用ながらも、しっかりと息子であるハンターを心から想い、心から愛し、そしてハンターの良き父になろうと努力するその姿。再会当初はぎこちないものの、言葉を交わし、共に時間を過ごすに連れて、少しずつ“父と子”の姿に染まって行く、その切なさ。これほどまで、繊細で不器用なストーリーは見た事がない。しかしこれこそ愛すべき姿。僕はこの映画とトラヴィスが大好きだ。 【ボビー】さん 9点(2005-01-30 23:45:57) |
93.《ネタバレ》 ロードムービー、寡黙な主人公、親子愛、荒野、音楽、その全てがツボにはまった。マジックミラーを用いた間接的且つ一方通行的な再会という手法には思わず唸らされてしまう。うっ、うまい!うまいぞよー、てな感じ。あとはとにかくキンスキーが綺麗!綺麗ぞよー、てな感じでもある。良い映画ぞよー。 【はざま職人】さん 10点(2005-01-12 00:57:21) |
92.《ネタバレ》 愛する人の前から去ることが愛ならば、それはなんと悲しいものか。 【kozi】さん 9点(2005-01-11 15:58:58) |
91.自分はダメな男(苦悩する男)の物語が好きみたいです。ゆったりとした大人の映画は退屈なイメージがあるけれど、この映画はとても優しく心に染み渡ってきて、単なるいい映画以上の静かなエネルギーにあふれていました。淡々としているのに表現が豊かな映画ってすごい。 【るいるい】さん 10点(2005-01-04 14:54:15) |
90.小津安二郎へのリスペクトを公言するだけあって、穏やかでしっとりとした筆致はとても心地良いです。ただ小津氏のそれが「日常生活を凛として営む人々」を描いているのに対して、本作は「だらしない生活を送る人々」をオブラートで優しく包んである…といった印象を受けない事もないです。それが悪いというわけではなく、日本人と西洋人の根本的な信条の違いのようなものが垣間見える気がして興味深い。 【番茶】さん 6点(2004-12-19 11:10:19) |
89.《ネタバレ》 愛しすぎるが故に抑制が効かなくなってしまう自分が許せず姿を消してしまうトラヴィス。何年もかけてやっとのことで凍らせた感情が簡単に溶け出し、またも全てを投げ出してしまうトラヴィス。この映画はダメ男にしか分からない。 |
88.内容的にはいい話なのに、とにかく無意味にダラダラと長過ぎ。表現したいことを表に現さないことも、重要な表現の1つです。 【Olias】さん 4点(2004-11-13 01:34:11) |
87.この映画のストーリーが好きになれません。掻い摘んでしまえは子供を捨てた夫婦が今度は子供を押し付けあってるだけなんだもん。その分子供の気持ちや弟夫婦の気持ちが痛く沁みこむのだが。ただストーリーは嫌いだが絵は素晴らしい。等分された青い空と砂漠、一本に延びる真っ直ぐな道路。構図が見事に整えられており、小津を感じさせてくれ、不快感がないのでどれだけでも観ていられそう。そういえば砂漠を歩くトラビスの姿は笠智衆の歩き方に何処となく似ている気がする。 【亜流派 十五郎】さん 6点(2004-09-19 01:50:58) |
86.昔、15分だけ観て、ああ、これはとんでもない作品だな、と、何だか怖くなって観るのをやめてしまった。数年越しで最後まで観切った時、あの時の予感は当たっていたのだと分かった。ネガティブで逆説的に言うならば、人間は生まれた時から緩慢に死に向かっている。あえて下手な希望や欺瞞などなしに言えば、人間はある意味においては、磨耗し、亡失しながら生きているんだと思う。色々な場所に、触れた所に、触れた人に、触れる度に、自分の欠片をちょっとずつ置いて来ながら生きているんだと思う。天文学的な程の数の微小な欠片をちょっとずつ失いながら。磨耗しながら。亡失しながら。大人になり生きて行くということは、ある意味においてはそういうことなのだ。そしてきっとある分水嶺を超えてしまったら、人間はもうどこにも戻れなくなるんだと思う。亡失と、磨耗と、夢の残滓と、まだ見ない対象への希望の転嫁。“ここではないどこか”=“パリ、テキサス”。求めた地に着いてなお、その地を知らず。そんな物語だと思った。身勝手で汚く、どうしようもなく不毛な物語。でもだからこそ、悔しいくらいに綺麗だ。 【ひのと】さん 10点(2004-08-30 22:47:22) (良:5票) |