60.《ネタバレ》 「ロメロだよ!それくらい観とけ!」 もう最高! |
59.《ネタバレ》 「僕たちに青春映画は撮れない」中盤付近で眼鏡君は言う。そこには重層的な意思がある。まず「この映画は青春映画ではない」という意思表示。日本映画界が量産する絵空事な“自称青春映画”に対する憤りの念とそれらに対する嘘っぱちだ!という反感精神。そこと絡んでくるのは映画部顧問の「半径1m以内の話を作れ」という台詞。映画部にとって上記でも述べた意思と共にゾンビ映画こそ普遍だ、という意思がある。「ナイト・オブ~」は、ゾンビにより窮地に立たされた人々の負の願望から炙り出されてゆく人間の“本性”を描き出しており、これは絶対的にいつの時代も変わらない普遍的なものに昇華している。“ゾンビ”の定義は「腐った死体のまま動き回る人間」で、喰らう為に生きる存在だが、ぼくらは本来、生きる為に喰らう存在。 「桐島」は、彼を必要とする人々にとって現状の位置を高め、維持する「ステータス」に過ぎない。そんな彼らと対比するように登場する映画部を始めとする者達は「ステータス」に関心が無い。それぞれの金曜日を通し、それぞれの目線が丁寧に描かれる。 クライマックスで、彼らの後ろにワーグナーのローエングリンが流れる。想いが届かぬ事を理解しながらも、むしろ断ち切るため、痛みの中へ身を投げた彼女は演奏する。彼女の想いだけでなくローエングリンは、屋上に集う者たちの姿も重層的に描き、そして寄り添う。「桐島」に吸い寄せられた者達が「桐島」に関心のないゾンビ達によって喰い殺されていくカタルシス。屋上でむき出しの“本性”が炙り出されていく。ぼくらがあの頃執拗に隠していた“ださい”姿。前田が未来に明確なビジョンを持っているだろうとヒロキは思っていただろうが、前田の言葉は意表をつかれる。これは現代を象徴する意識をも具現化する。レンズ(非直接的な物事のメタファー)を通し見た気になり、決めつけ、思い込んでいる。好きだけど今しか出来ない、痛みを彼は知っていた。本作は、進路を決め、大人にならなければならない子どもの尊い狭間の物語でもある。 (追記)カーストは描いているけど、映画部、吹奏楽部、野球部キャプテンらはその内側にすらいない。いると思っているのは内側にいる者。メタ構造的にも、カーストに捕われているから重視するのだ。 【ボビー】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-08-25 06:21:28) (良:3票) |
58.《ネタバレ》 気分が悪い映画だった。部長、課長、という会社内の階級よりも、はるかに学校内の階級のほうが奥深い。4人の女友だちは表面上は友だちに見えるが実際には上下関係がある。学生時代は自意識が非常に強くなる。自意識とは簡単に言えば「自分が他人からどう見られているか気にする感情」である。学校という組織は、自民党政権をはるかに上回るほどに、派閥が存在し、そして上下関係が存在する。その中で生徒たちは、自分が他人からどのように見られているか、どのように評価されているか、どのグループに所属すれば評価が上がるか、そればかり気にして一喜一憂する。そして格下の生徒を見下し、同レベルの生徒と友だちになり、格上の生徒に媚を売る。生徒たちを必死になって区分けしているのは生徒たち自身である。なぜ生徒たちは、同じ生徒たちに優劣をつけたがるのか?ひょっとしたら区分け好きの生徒がしたいのは優劣をつけることではなくて、自分を肯定することなのではないか?不安から逃れるために区分けをし、自分をランクで理解しようとする。ではなぜ不安になるのか?この年齢の子供たちは自己評価できないからだ。他人が下す評価が自分の評価と考えてしまう。そうやってますます他人の目を気にした行動をするようになり、この生徒じゃ俺と釣り合わない、この生徒と喋るとレベルが下がる、と考えて、自分の立ち位置に神経をすり減らす、必然と学校は身分社会と化す。大人になると、しだいに他人が下す自分の評価よりも、自分自身が自分を客観的に評価できるようになる。オタクだったらオタクだという自分を肯定できるようになる。従って背伸びしなくなる。それだけで苦しみは半減する。ランクづけから解放される。むき出しの自意識に苦しむ生徒たちの姿をみて、本当に嫌な過去を思いをした良い映画でした。 【花守湖】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-08-25 00:48:53) (良:1票) |
57.《ネタバレ》 嫌いなタイプの映画なのになぜか面白かったです。この映画には観ている人それぞれが自分に重ね合わせられる登場人物がいるのではないでしょうか。それぞれの人に恋愛・部活・将来に不安や悩みを抱えている。そんな心の機微を直接ではなく間接的に描いていくことで映画に深みを感じます。ところで桐島はどうして突然いなくなったのでしょうか?屋上から飛び降りたのは誰なのですか?誰か教えてください。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-18 19:17:58) |
56.見るたびに味わいが毎回変わる稀有な群像劇映画です。日本映画はまだまだやれる。 【カニばさみ】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-08-10 23:33:19) |
55.《ネタバレ》 部活やるも良し、恋愛するも良し、ダラダラするも良し。 二度と戻らない高校時代、それぞれ自分の境遇を演じるように過ごしてきたわけだけど、この映画を観ると自分とは違った視点に立てる。 あーすれば良かった、こーすれば良かったの後悔を映画を観ながら追体験できるわけです。 なもんで画面を見ながら、頭の中はいつの間にか自分の高校時代へ。 そして当時漫然と憧れてた別ポジションの人達の事なんて、何もわかってなかったと思い知らされるんですよね。 まだまだ未熟で、神目線の群像劇を見せられても、果たしてこれから活かせていけるものか?とは思いますが、これまで謎だった同級生たちの高校生活を垣間見れたような気がしたことは凄いことだと思います。 特別な学校行事などではなく『桐島くんが部活を辞めちゃった?』な日常の5日間に起こった出来事で、ここまでの作品に仕上げた手腕は相当なものです。 日本映画もやりますね! 【ろにまさ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-08-05 13:27:17) (良:1票) |
54.《ネタバレ》 これは……! とてもいい映画です! 私は原作も読んだしそれに感動もしたのですが、正直その映画化である本作がここまで秀作であることを期待していませんでした。 …原作を愛する読者がその映画化作品に満足すること、これは本当に難しいことで滅多にあることではありません。当たり前です、原作好きの人間にとってはその原作によって頭の中に築き上げられた世界こそが完璧であり、全ての愛読者の脳内世界を超える映画などどんな巨匠にも不可能なことなのだから。 だた稀に原作を超える映画も確かにあるのは事実です。でもそれは、断じて「原作に忠実に丁寧に作られただけのもの」であるはずがない…その映画には「原作とは違った魅力」という要素が含まれなければならず、それにより「同じでありながら全く別の作品」としての存在感が求められるのです。 この作品はそういう意味でほぼ完璧といっていいぐらいアレンジ上手い…そしてその結果この映画単品としての「味わい」を生み出すことに成功しています。…映画中にところどころ現れる原作と違う点(映画部の撮っている映画のジャンル、彼氏彼女関係、片思いの相手、新たに追加されたクライマックスのローエングリン)、全て不愉快な違和感を感じることがなく、納得して鑑賞できました。…いやむしろ原作よりいいわ、こっちのほうが… そんなわけでの9点献上(-1点は実果のストーリーは原作読まないとわかんないのじゃないかという老婆心から。もうちょっとうまくオリジナルな展開で映画に溶け込ませられそうなものだという気がしたものですから…)。 いずれにせよこんな映画が今の(TVドラマ、アイドル偏重の)邦画界に誕生したことに少なからず、感謝です! 【ぞふぃ】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-08-02 17:35:04) |
53.《ネタバレ》 予想以上に良い作品に出会ったという思いです。 時系列をうまく使った群集劇は個人的に好きなのですが、それに学園青春ものを組み合わせたのは新鮮に感じました。 大げさな出来事がおこるわけではなく、登場人物も派手さはなく、いってみれば普通の高校の日常に近い平凡なストーリーです。 しかしながら、構成が非常にうまく、何より言いたいことが明確だったことが良かったと思います。 安易な暴力・性的描写や奇抜なキャラクターに頼らず、インパクトを残したのは見事。 もう中年に足を踏み入れた身としては、「あったあった」「わかるわかる」といった描写も楽しめました。 原作のおかげだと思いますが、「霧島」が気になって最後まで飽きずに見続けてしまうのも、術中にはまった感じです。 結局、どんでん返しも、これといった種明しもない・・・だが、それがいい♪ 中高生限定の安い青春ストーリーとは一線を画す、30、40のおっさんおばさんになっても楽しめる作品だと思います。 いや、むしろおっさんおばさんになってから見てもらいたいような気がします。 それにしても、大御所俳優が主演の重厚ドラマ(いわゆる「アカデミー賞っぽい」作品)を退けて、本作品が日本アカデミー賞最優秀作品賞に選ばれたのは意外や意外。 「アカデミー賞」=「面白い」わけではなく、ハズレのケースもありますが、この「桐島・・・」は"お勧め"とさせてください。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-07-27 16:16:01) |
52.《ネタバレ》 なんだろう、この切ないようなほろ苦いような気持ちは。 胸の奥のどこかが微かに痛くなる感覚。 キャラの描き分けが巧みで、登場人物の誰かに感情移入できるようになっている。 高校生の青春群像が等身大で、セリフもリアルでいい。 時系列を前後して視点を変えながら描いているで、群像劇が立体的な質感をもって迫ってくるよう。 ゾンビの逆襲は笑えたし、センスの良さが散見される。 沙奈にめちゃくちゃムカつくが、ということはキャラがしっかり描けている証拠だろう。 でも、桐島一人の動向がこんなに波紋を呼ぶなんて、その影響力は誰もが羨むようなもの。 そんな学園のスターにも人知れず悩みがあったようだけど、贅沢いうなよ。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-07-10 22:25:09) |
51.自分はもうイイトシだから、現代の青春映画を見た場合、微笑ましく見るのが普通。 「若いっていいな~、がんばれ~」みたいな。 しかし、この映画は、あっという間に自分を30年以上前の高校生に戻してしまう。 そしてセリフ一つ一つが、いちいち痛々しく感じられる。 自分が一番感情移入して見てしまったのは、バレー部補欠君と、その彼に恋心を寄せるバド部さんだったけど、それはこの映画の主題から少し外れてしまったようだ。 どうも、この映画の描くいわゆる「スクールカースト」には納得いかなかった。 だって、帰宅部と部活命は、特に男子の場合、自分から見たら、明らかに後者が上だから。 卒業後の成功率だって全然違う。 彼女がいるいないは、全くと言っていいほど関係ない。 自分はイイトシだから、経験の蓄積からこう断言するわけだけど、今の高校生だって、「部活動がこれだけ推奨されるってのは、何か意味あるな」って感じてるだろうに。 まあもっとも、自分が彼女なし運動部だったのはやっぱり関係あるかなw 高校当時は、確かに文化部を下に見ていたしね。 ただ、この映画の登場人物の個性の書き分けと物語への引きずり込み方は、もう圧倒的と言っていいほどうまい。 でも、ラストはちょっと物足りず、「あれ?なんだ、これで終わり?」って思った。 ただ、その後すぐ「まあいいか。もう一回見ればいいし。」と思った。 それって、もう充分に秀作ってこと。 【まかだ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-07-03 17:48:48) |
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50.《ネタバレ》 映画部のあれこれにはたくさん笑わせてもらいました。桐島は結局出てこず、全然接点のなかった前田と宏樹が最後に会話する部分に強烈なメッセージ。最後のチャプターだけ何度も見ちゃいました。「映画監督は…無理」という時の表情が何とも言えない。「ただの遊びじゃない」と言っていたけれど、映画への情熱はその程度のものだったのかと呆気に取られた。けど、自分のことを思い返してみてもそうだったよなと思う。僕が自分の夢を「無理」と思わなくなったのは、その仕事をしている憧れの人たちから作品を評され一緒に食事をして会話する機会が訪れてからだった。別世界に住んでいるように思っていた人たちが、自分と同じ世界に暮らしていて自分と会話することもあり得るのだという、とても身近なリアリティに変わったことで、その体験がジワジワと「もしかしたら、頑張れば手に届くのかもしれない」という思いを抱かせるようになった。それまでは、誰に褒められなくとも将来に繋がらなくとも、ただ好きだからやらずにはいられないという、それだけのことだった。前田もいつか「えっ、この俺が?!」とビックリする喜びを知る時がくるかもしれない、けれど、今はハナから「無理」と思っている。つまり未来なんて諦めてる(野球部の先輩やバレー部の小柄なヤツは…実のところどう思ってる? 宏樹がさげているバッグのロゴはShorai…)。だけど、それでものめり込む情熱があって「映画監督は無理」のあとに嬉しそうに語る姿が、宏樹の心を締めつける。頑張らなくてもいろいろできちゃうんだけど、情熱の置き所が見つけられない宏樹。カッコイイと褒められるけど、それだって自分の努力とは無縁のもの。努力して何かを手に入れる喜びを多分知らない、そういう意味でかわいそうな宏樹。他人からは羨ましがられるような「持てる者」なんだけど、本人は生きる充実が得られてないんだよね。その虚無感を人に話したってきっと誰もわかってくれず「贅沢」と言われるだろう孤独感。唸っちゃう映画でした。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-06-08 22:22:08) (良:1票) |
49.こういった凝った構成の作品は好きですよ。 学校内のパワーバランスがコミカルに描かれていて笑えました。 普段あまりホラー映画を見ないので、ホラーネタではいまいち乗れなかったけど、それ以外の人間模様はいちいちツボに嵌りました。 特に大後寿々花の行動がお気に入りで、終盤の何プレイだかよくわからない展開は萌えました。 それにしても、この淡々とした展開であそこまで盛り上げられるシナリオ構成には感心するばかり。 ホラー映画に興味のない僕ですら、生徒会・オブ・ザ・デッドはちょっと見てみたいと思いましたもん。 そして、ドラフトの件やラストの野球部の練習風景でちょっと泣きそうになるという名作の余韻もあり、僕の中ではほぼ満点に近い評価です。 ホラーネタを理解できずスルーした分だけ謙虚に点数付けておきますね。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-05-17 17:41:12) |
48.《ネタバレ》 まばらに帰り始める同級生にばいばーいとさよならを投げかけつつ、部活の準備をする。 そろそろ帰宅部の連中は駅やアパートに向かって行ってしまった頃になる。そうすると僕らの第二格技場に向かう広い道で四人のクラスメイトが、ケチをつけてくる。いつもの出来事である。 「ねー、そんなにガチにやんなくても良いから帰ろうよ」 街で遊ぼうよという彼の気持ちは分かる。出来るだけ大勢が良いと言うのもだ。でもこの日は単調なトレーニングが中心だったからかつい、練習したいから遊びにいってくれ。と、僕は強く言ってしまう。このとき生じた彼らの中の黒い気持ちは、すぐに大きくなって僕に向かった。 「あのさ、ここはお前んちじゃねえし」俺らの勝手だし。一人が乱暴に近づいて僕の襟首を引き寄せると、彼らの心から本音のような物が溢れてきた。 不愉快だったのは彼らのせいでは無かったと思う。けど、僕は彼の右腕に僕の右腕をするすると這わせて肩口をつかんだまま、背後に立った。用意していた左手でつかんだ後ろ襟から彼に重しを掛けるとすぐに膝を突かせて自由を奪った。視界が揺れた瞬間の出来事に何が起こったのか彼は理解できないようだった。 今にも暴行事件になりそうな雰囲気に、残りの三人は顔色を変えてすまんすまん、コイツが悪い。悪かった。と、慌てて走り寄ってきた。 「いや、そう言うつもりでは無く、なんか怒っちゃってすまん」と、今にも壊れそうになっている人間関係を取りなそうと、僕も含めて全員必死だ。 彼らの中に溜まっていた、「何かに打ち込みたい」という応力が心を折って、今日は外に向かってしまったのだった。僕の一言が原因でもあった。 だけど、この一件で僕の心も何となく本当は打ち込んでいない事実を自分のなかに見つけてしまった。 厭々やっている。自分で選んで入ったのに。仲間が無心でサンドバッグを打ち続けているその傍で、僕も怒声を上げて人を蹴り上げている。嫌なのに。 そうやって月日が経っていくうちに、部活には出なくなってしまった。 結局、僕も講義が終わるとベンチに座って遊びに行くのを誘う側に立っている。「何かに打ち込みたい」って思いながら。 新しい仲間全員がそう思っていない事を意外に思い、でも、自分だけが勝手に狭い価値観を作り出している事にやっと気がついた。 と、脳内学園で事件が起こった。 【黒猫クック】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-05-15 17:03:42) |
47.《ネタバレ》 ほとんど校内の出来事だけで描いたわずか5日間の学園ドラマ。話題の中心は作中一度も登場しないバレー部のスター“桐島”。部活、受験、友人・恋愛関係などにおいて高校生たちが未成熟で繊細な心の揺れを感じつつも、青春を謳歌している姿を忠実に再現していて懐かしさを覚えました。ついこの間まで子役だった神木隆之介以外はほぼ無名の若手俳優を起用。雰囲気の暗さがテンポの悪さを助長してしまっていますね。それでも2012年度日本アカデミー最優秀作品賞受賞作。 【獅子-平常心】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-05-15 00:58:05) |
46.最初なんか良く分からないけどなんか意味ありげな内容で 調べたらようやく理解できた。 理解してから見ると出来の良さがはっきりして名作だと確信できた。 原作も読んだけど映画の方が好きかな。 【Dry-man】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-05-03 21:22:23) |
45.《ネタバレ》 評価が難しい映画。とりあえず普通の映画ではない。 とにかく変わった映画だ。 誰もがこれを観ながら高校の学生時代を思い出すはずだ。 この映画は人によっては全く面白くないと思う。 しかし人によってはとても面白いと感じるとも思う。 だから人にはオススメしづらい映画だなぁ。 なので評価がとても難しい。 【虎王】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-04-24 01:39:57) |
44.《ネタバレ》 ピラミッドの頂点に君臨する(悪魔でも一部の人たちの中で)桐島が抜けることで起きるリアルな変化を見事に表現されています。まず、学園生活の中で自分がどの位置にいるかを考え、その階級の人物に感情移入できるかでしょうね。訳のわからない痛い活動をしていたのは、私のリアルな世界では演劇部にあたります。体育館で失笑していた自分を思わず振り返ってしまいました。そういう風にあるあるな出来事が、自分の思い出の中と重なれば、この作品にハマるでしょう。「あいつは良いよな」という人にも、それ相応の悩みがあり、「あいつは可愛そうな人生」っと見下している人ほど、充実した生活を送っている勝ち組なのかも知れません。個人的なツボは「あ!」、「え!」などの使い方が非常に巧みで笑ってしまいました。特に映画部と沢島の場所取りでの辛みは最高です。沢島を演じる大後寿々花の表情がすごく印象的。作品全体を通して言えば、トップ俳優がでてこないので、ストーリーに集中できます。とにかく青春時代は人生の中で一番大事な時、それを精一杯楽しむことがベスト!!そういう意味では、学生生活だらだらと時間の無駄遣いをし続けた私も負け組。余談ですが、エンディングでキャストにクラブ名を入れているなか宏樹だけ「()」表記でした。影の主人公は、宏樹だったのかも知れません。 【マーク・ハント】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-04-20 20:54:09) |
43.◇中流高校生は、セレブ高校生に憧れる。◇自分が中流であること、自分の身の程を知る年齢がこのころなんだなぁ、と懐かしく思い出した。分相応。◇でも、セレブにはセレブの悩みがあるし、中流は中流なりのプライドがある。◇若手俳優の演技に、素直に感情移入できました。 【ハクリキコ】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-04-14 23:54:36) |
42.《ネタバレ》 物語全てが回収されない伏線じゃないんだろうか、端役に思えるような子にも背景があり、視点を変えると全然関係が変わってくる、これとは言えないが主題がある様で、断言できるものが見えない、リアルだが、絵空事かもしれない。だからだろうか、自分の高校時代の立ち位置を見つけてしまうのは、なんか不思議で、面白い映画だった。 【min】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-03-28 21:06:50) (良:1票) |
41.《ネタバレ》 これ凄く良かったですね。2012年の邦画では一番の出来なんじゃないかな。なにが良いって、演技がとってもナチュラルなんですよね。普通、学園ものって若手俳優の未熟さ故に大根の演技になっちゃうけど、本作はとってもリアルなんですよね。シナリオの巧みさもあるんだろうけど、やっぱり監督さんの演出力が素晴らしいんじゃないかな。鑑賞していて、自分の高校時代を思い返しちゃいましたね。なんというか、高校の時って、こんなだったな~とか、若い時って、妙な楽天性と漠然とした不安の両方があって、その気持ちが思い返された次第です。「桐島くん」というやつは、スポーツ万能でみんなから慕われ、かわいい彼女がいるということで、いわばこの高校というヒエラルキーの中の頂点にいるやつなんでしょう。そいつがこつ然といなくなることで歯車がどんどん狂っていく。しかしその桐島くんとやらは、最後まで登場しない。これは意味深で、いってみればヒエラルキーとやらは、実はあってないようなものなわけです。上層部だけども、空虚に生きてる帰宅部の彼らより、下層部である映画部の彼らのほうが充実している。表面的に見せびらかすだけの恋愛もまたなんの意味もないが、自分の好きなことに打ち込んでる連中は本当に楽しげ。意味のないヒエラルキーから解き放たれれば、彼らは一つ、大人になるのだ。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-03-25 01:16:05) (良:1票) |