679.《ネタバレ》 巨大な樹木がラピュタの崩壊をとどめる、というところに宮崎のモチーフの統合が感じられた。宮崎には大きく二つのモチーフがあり、ひとつは大地に根を張るどっしりとした不動性、もうひとつはそれとは逆の飛翔願望。しばしば別々に描かれるこの二つのモチーフが、本作ではラストでひとつになっている。根を張ることで飛び続けられるというイメージ、これを発見したとき宮崎は嬉しかっただろう。あと、姫と悪漢が冷たいメカニックな内部に踏み込んでいくと、有機的な根や雑草が増えていくイメージ。冷たい絶対権力として君臨していたラピュタの中心部を植物が浄化していった、というイメージなのか。いや、そういった理屈を超えた本質的な感動、室内に外界が入り込むことの驚きを伴った興奮がここにはある。なにかタルコフスキーに通じるものを感じた。今でも、室内で大麻栽培してて逮捕された、ってニュース映像見ると、ラピュタを思い出しホノボノとする。善と悪の対決後、崩壊、樹木によって楽園=廃墟のみが生き残る。文明は崩れても文化は残る、ってことか。本作はまだまだ豊かなイメージにあふれていて、海賊のママと姫を「おさげ」でつないでいること、ロボットのアンバランスな顔の効果、海賊船が布製であること、水の中の廃都…。これらは、それ以前それ以後の作品に関連がありそうなものもあり、宮崎世界のイメージ索引のような映画にもなっている。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-10-07 10:12:52) (良:1票) |
678.《ネタバレ》 自分はムスカ大佐が大好だ。おそらく最も愛されている悪役の一人なんじゃないだろうか。 子どものころは全く気づかなかったのだけど、そんなムスカは始まってすぐにヒロインに後ろから殴られて気絶している。ラスボスなのに弱すぎである。こんな彼が「君のアホ面には~」「人がゴミ~」なんて後に言うのは全く片腹が痛い。 彼のものまねが流行っていた青春時代は楽しいものだった。 たとえば高校時代、友達が英語の試験開始と同時にムスカのものまねで「読める!読めるぞ~!」と大声で言ったときのことを自分は忘れない。退場させられる友人。腹を抱えて笑う自分。英語の試験はおかげで散々だった。ありがとうムスカ。これからも世代を越えて語り継がれていくことでしょう。 【ヒナタカ】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2010-09-21 19:28:42) (笑:6票) |
677.ジブリ代表作として安心して誰にでもお勧めできる作品。個人的には、最初に観たのがもう成人してからだったので、多分遅すぎたのだと思う。子供の頃に観ていたら多分もっと素直に感動できただろうにと思うとちょっと残念な気がする(同じジブリへの高評価としてもラピュタ派と千と千尋派に分かれると書いている方がいたが、私は間違いなく後者)。シータが料理番をすることになって、でっかい元少年達が口々にあれ作って!と言うシーンで、何故かイギリスの家庭料理ばかり出てきたのが古典的な児童文学ぽくて印象的だった。作品全体としても完成度の高い名作児童文学のような味わい。 【lady wolf】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-09-01 11:11:45) |
676.垂直の壁を素手で登り切ってしまうパズーの手足は、もはや吸盤で出来てるとしか思えない。 DVDで見直して気付いたのだが、とにかくパズーの身体能力がすごすぎる。片手でシータを抱え、2人分の体重を支え線路につかまる握力。飛行機に足首の力だけで逆さにぶら下がったまま、空中でシータをすり抜けながらかっさらう。普通の人間ならアバラと両足首を骨折してるところだ。まるでサーカスである。飛行機を操縦し、銃を扱い、「先に飛ぶよ」って→何のためらいもなく地面の無い上空でカールルイス並の走り幅跳び。こんなん特殊部隊員でも無理だと思う。先に飛んだ所でシータが続いて飛んで行けると思ったのだろうか。また、「シータは木登り得意だよね?」って・・またもや下に地面はない。そこは高度が数100メートルの天空。女の子にムチャ振りもいいところである。石のツルツルの断崖絶壁を登る時など一瞬、最高点に達し止まったのにも関わらず、次の瞬間には「ぷはぁ!」とジャンプして飛び出る。しかけの無い黒ヒゲ危機一髪をやってのけるのだ。主人公2人の行動力と身体能力の高さはとても12、3歳とは思えん。そして女の子の口説き方もすごい。実際には口説いてるわけではないのだが。「シータか・・いい名前だね」とか、「空から降りてきたから天使かと思った。きっと素敵なことが起きる予感がしたんだ」など・・臭いセリフをさらりと言ってのけてしまう。12歳にしてジゴロだ。惚れてまうやろ!日本男児にぜひ見習って欲しいものである。ここからが映画の感想だが、言うまでも無くめちゃ面白い☆ 【ましゅまろシナモン】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-08-29 23:10:05) (笑:3票) |
675.《ネタバレ》 とにかく大好き。ふと何となく見直すと、やはりとんでもなく面白い。キャラクターも良いし、ストーリーも良いし。人の命を命と思わない人間を相手に、逃げる逃げる。この逃げの美学が映画をとんでもなく面白くしてますね。真っ正面から立ち向かわない、逃げる、でも気持ちは逃げない。こういう良さがちゃんと伝わってくるということがいい。 逃げて逃げて最後に回り込む様に勝つ。そしてラストシーンの、主題歌が流れるまでのあのイントロが流れ始めるあの時間。最後の最後に地上から最後のおとぎ話が消えてしまったんだっていう雰囲気も秀逸です。過去作品を見事に昇華させたおもしろさを極限まで引き出している感じが最高の気晴らしをいつ観ても与えてくれます。 ナウシカの思想っぽさというか、ともすればアメリカの新興宗教のようにすら感じられる部分をすっぱり無くしたところも良い。人間一個人として、どういう風にぶれないか、真ん中にいられるかというエキスが心地よい。生活臭のする主人公設定があるからこそ、完全な作り話の中でも嘘くささが見えなくなる。 グライダーでこのお話から離れていく二人のその後にも想像が広がります。きっとこの二人はぶれずにずっと一緒にいられるんでしょう。現実世界のお父さんお母さんになって一生懸命普通の今を生きていくと思います。この話の中の二人にはなれないけれど、だれでもこの後の二人にはなれるかも知れない、多くの人はそれをかなえているかも。 そう思うと、なんか良い、と思いませんか? 【黒猫クック】さん [地上波(邦画)] 9点(2010-08-23 17:54:26) |
674.公開当時、宮崎氏は、単純に心躍る冒険活劇を作りたかったと言ってました。重たいテーマを背負った「ナウシカ」で疲れた反動のようなことも言っていたような。確かにその通りの内容で楽しみましたが、やたらと人が死んで行くシーンが目に付いて私にはそれ以前の宮崎アニメと比べて違和感が先行した。例えばカリオストロ伯爵ひとりを殺すために随分と気を遣っていたものね。世間の評価を見ると、宮崎作品はこういうシンプルなものの方がウケが良いようだけど、「ナウシカ」にリアルタイムで感動した私にはさほどでもない印象でした。口当たりは悪くないが「ナウシカ」や「トトロ」などから強く感じる、宮崎氏特有の屈折したパワーを感じない作品です。ドーラを除外すると、登場人物の造形が表面的に体裁を整えている程度だからだと思う。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-07-28 16:18:27) |
673.この世界観はわりと好きですが、絶賛するほどの作品でもない気がする。 個人的にはドーラ一家がちょっと肌に合わなかったかな。 【きーとん】さん [地上波(邦画)] 6点(2010-07-20 00:43:42) |
672.何度見ても感動してしまいます、とてもよくできている映画だと思います。このころまでの宮崎さんなら好きです。 【HRM36】さん [地上波(邦画)] 9点(2010-07-09 17:27:34) |
671.《ネタバレ》 昔の映画ですからね。これでいいんです。安定してると思います。 【まいるどへぶん】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-08 05:33:18) |
670. ジブリらしさを安心して楽しめる作品。いちばん安定してると思う。 ドーラの声が初井言榮さんと今回初めて知ってビックリ。 中の人はドラマ(ヤヌスの鏡)とかで若い女の子をいじめまくってたのに随分イメージが違いますね。 【rhforever】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-05 12:29:33) (良:1票) |
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669.壮大な世界観に幼少期から度肝を抜かれた。 地上、地下、空、宇宙と全部が舞台になってるんだから、それも無理は無いだろう。 幼少時感じた竜の巣突入時の高揚感は、今でも忘れない。 【タックスマン4】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-04-16 18:50:32) |
668.《ネタバレ》 宮崎アニメの中で一番好きだし間違いなく名作だと思っているのですが、ひとつどうしても気になる事が。それは「高さへの恐怖」を感じない事です。主人公たちはあくまで普通の人間なので飛空挺やラピュタから落ちたら死んでしまうのですが、全くその危険に対する恐怖というか躊躇を感じません。落ちそうになってアワワ、落ちてキャー…というシーン自体はあるものの、要所ではなく全体を通して、まるで自分達が空でも飛べるかのように恐怖知らずな行動。これは良いことでもあるのかもしれませんが、個人的には宮崎監督が「空を飛ぶ」シーンを好みすぎた事で「表現出来なくなった」事柄なのではないかと思います。 …偉そう! 【えむぁっ。】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2010-04-05 11:33:19) (良:1票) |
667.この映画は外国であまり評価が高くないと聞きます。なんでもディズニーっぽい物語の展開でイヤらしいです。ジブリの好きな私ですが、この作品に関しては私もそれと似たような印象を持ちました。別にありきたりな話が一概に悪いと思ってはいませんが、何かイマイチ、ピンと来ず・・・。でも音楽も作画も素晴らしいのでこの点数で。 【べいんびーる】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-11 01:54:00) |
666.《ネタバレ》 ジブリ作品の中でも評価が高い本作であるが、個人的にはあまり好ましくない。特に後半のラピュタに辿りついてからはドンパチだけが目に付く。とはいえ、20年以上も前の作品であることを鑑みれば、アニメーションとして完成されていると言わざるをえない。作り手が誠心誠意丁寧に仕事を遂行した結果として世の中の評価につながっているのであろう。作り手が丁寧に仕事をすると観客は一生懸命鑑賞するものである。 【いっちぃ】さん [地上波(邦画)] 6点(2010-03-09 21:25:48) |
665.よかったですよ。宮崎駿アニメのよさ、特徴が一番顕著に出てるというかね、最近の挑戦的な作品とは違った純粋におもしろいといえる作品になってると思います。全体的に特にデザインがいいね。乗り物とか、その他いろいろetc.. 海に捨ててえぇぇー。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-02-07 05:04:25) |
664.《ネタバレ》 ルパン最終回の時から、あのデザインのロボットがすっごくかっこいいって思っていて(ちょっと違うとこもあるけど)、それだけで当時は感動したものでした。宮崎作品の中では好きな方で、単純明快な冒険活劇なところが良いです。 【HAMEO】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-02-02 16:11:10) |
663.減点する材料が思いつかないのでこの点数です。 僕が初めて映画館で見た宮崎アニメです。 当時は空いていて、ど真ん中の良い席でゆっくり見られました。 入れ替え制とかじゃなくて、居座って何度も見たなぁ。懐かしいです。 星の綺麗な夜には空からシータが舞い降りてくるんじゃないかなんて、 子供心にあんな冒険の始まりを期待したものです。 炭酸飲料のCMで散々聴かされたテーマソングも結構好きだったりします。 もしも空を飛べたら・・・考えただけでワクワクしますね。 【もとや】さん [映画館(邦画)] 10点(2010-01-28 02:58:58) |
662.よく「宮崎駿はもうラピュタのような作品を作れない」と嘆く声を耳にするが、それは勘違いというものだ。作家というものは作るからには全力投球、自分の思う最高のものを作らなければならない。そして最高のものを作ってしまったからには、次は全く別のアプローチでまた全力投球しなければならない。監督はお子様向けドンパチアドベンチャーの最高傑作を作ったと思う。でもラピュタ2はもういい。監督にはやはり大人も楽しめる傑作を作り続けて欲しいというのが時代のニーズというものだろう。 |
661.正直に言えば、ナウシカよりはメッセージが弱いと感じました。けれども気持ちよさはナウシカより上だと思います。「人がゴミのようだ」のセリフがよくとりあげられますが、あれは個人的には「第三の男」の観覧車のシーンのパクリとしか思ってません。個人的に気に入っているのは、当然お子様にも見せる作品であるのに、男たちがどうどう殴り合いを繰り広げ、そんななか女衆がどっしり肝が据わっていて、男女とも大らかに思えた点です。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-01-09 04:54:22) |
【シトロエン】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-12-29 18:55:25) |