51.《ネタバレ》 先ず感じることはもうスターウォーズはジョージ・ルーカスから離れ一人歩きしている巨大な作品になっているというのが実感です。またディズニーに売却した後は宣伝もうまく伝統的なファン層の他、今の多くの子供達にもメチャメチャ人気があります。かつてのスターウォーズを知る者よりやはり新しいファン層を作ろうとしているような感じもする。
本人でしか判らないことではあるがジョージ・ルーカスが監督を辞退したのを察することが少し出来るような気がします。これだけの巨大なシリーズ作成にビートルズメンバーが一人一人ソロになったときビートルズを超えられなかったようにルーカス氏ももうスターウォーズをハンドリングしきれなくなってしまったのでは・・・と感じます。
内容からいうと見終わった率直な感想ですが「軽い」「安っぽい」「浅い」です。そもそもディズニー映画がそうなので当然のことだとは思うが何か全てにおいてなんか「軽い」「安っぽい」「浅い」が随所にある。
まずフォースの扱われ方が全般的に「軽い」。神聖で特別なものなのにホイホイと扱えるようになりルークに鍛えられたカイロレンと対等に戦うレイ。またその中でもライトセーバーはジェダイの騎士が持てる聖なる剣のはずがストームトルーパーだったフィンが軽々しく扱う。これは今後このフィンにも実はフォースが備わっていたという展開なのかなとも取れるがどうも安易すぎる。しかも伝説の騎士「ルーク」のライトセーバーを使っている。最後にあれだけ恭しくルークに渡すライトセーバーをあんな扱いしちゃだめ!
ライトセーバーはフォースによる未来予知能力があればこそ生きるジェダイの騎士しかその威力を充分に発揮できる武器ではない。しかもジェダイになる為の課題として自分のフォースの導きによってライトセーバーを組上げるという課題もある。そのルークが作った伝説のライトセーバーをなんと思っているのか?ジェダイの騎士が伝説となっている設定の中でそのようなことも語り継がれてないことになる。
そしてその伝説の騎士ルークを探すのを易々と断るレイ。これも「軽い」。人よりも「ミディクロリアン」の濃度が濃いんだからそんな精神じゃないはず。フォースが覚醒する前に予兆としてフォースの予兆のようなものがあってもいいのでは。アナキンがポットレースで勝ったようになんか覚醒する前に人とはチョット違う何かが欲しかった。何か未知の未来を感じルークを探すことに使命を感じるとか。
カイロレンに対して一番「軽い」「安っぽい」「浅い」が当てはまる。安直にマスクを外しそして外したらあれ普通に顔じゃん!マスクかぶる理由が判らない。あれ必要だからかぶってるんじゃないの?もうちょっと謎があってもいいなと感じた。顔にキズがあるわけでもなく色白な青年が出てきて「あれ、あれ、なんで」って正直思いました。
そしてあっさり親父を殺すというやっぱり「軽い」「安っぽい」「浅い」の象徴的なシーンに感じる。カイロレンが尊敬するダースベーダーも息子ルークをダークサイドに引き込み一緒に活動することを提案した。そんなやり取りがないのか・・・・その辺の親子の葛藤を超えてスノークの言う「最後の仕上げ」完了なのでは。
あれではただの親殺しのおバカにしか見えない。まぁそんなおバカだからソロの「お前の力が欲しいだけだ」という言葉も届かなかったんだね。その後の戦いではレイに負けるし。全然仕上がった感がない。
なんかツッコンでばかりで本当になんなんですがR2D2が唐突に蘇ったりするのもね。復活するのに何かきっかけがあるならいいがあれなら最初からBB-8が呼び掛けた時に復活すりゃ良いじゃんと思った。
またかつてのジェダイたちが登場しない。ヨーダやオビワオなどの「声」とかあのオーラみたいな感じで出で欲しかったな・・・それこそアナキンがカイロレンに話しかけたりしたら本当に面白いと思う。というかあるべきだと思う。そこにも不自然さを感じる。尊敬する祖父が死に際には改心してるんだからね。なので親父を殺したシーンは本当に残念。その血縁関係の複雑な絡みがスターウォーズの一つの面白みでもある。それをなんか「軽い」「安っぽい」「浅い」の三拍子を揃えちゃいましたね。
その他往年のキャスト達が出場したのはそれは思わず出て来る度「ファルコン号だ!」とか「おっハン・ソロとチャーバッカ!」とか「レイア姫登場」とか思わず声を出してしまうほど興奮してしまいました。
次回作はジェームス・キャメロン監督で観たい。これが正直な感想です。しかし面白かったのは事実です。長年のスターウォーズファンなのでやはり全般の物語の流れの中で評価した結果上記のようなレビューになったということです。