10.《ネタバレ》 キムタクが演じる侍は、やっぱり馴染めない。徳平へ軽口を叩くシーンなんかはバラエティーのコントとダブって見えました。悪役に歌舞伎役者を配役するのも自分としてはう~ん…って感じ。顔やしゃべりがスマートすぎるんです。どうみても医者の玄斎先生が悪人に見えました。山田洋次監督の時代劇の特徴といえば殺陣シーンですが、ここには期待通りの迫力があって、楽しめました。 【黒めがね】さん [映画館(邦画)] 7点(2006-12-26 20:32:13) (良:1票)(笑:1票) |
9.人間は「けじめ」をつけてやっと次の段階に進めるということがある。この「けじめ」が「一分」に近い言葉なのではないかと思う。僕は自分の気持ちなんて、いくらでもコントロールできると考えてきた。どんな状況だって見方を変えればどんな風にも価値判断することができる。これこそが精神の自由だなんて。でも、この「武士の一分」という作品を見て、人が生きるということはもっと「こだわり」に左右されているとわかった。「こだわり」が「けじめ」として機能するわけだけど、そういう生き方も悪くない。そういう生き方とは何か。自分の自然な気持ちに正直に生きるということだ。 キムタクの効果的な軽口が、閉塞感のある世界をユーモアで生き抜くという現代にも通じる知恵を象徴していて、まじめな妻役の壇さんと合わせ、すばらしいキャスティングだと感じた。小林念持があまりにも小うるさいので1点減点。すぐ出番終わっちゃうけど。 |
8.《ネタバレ》 原作がそうなのだからといわれればそれまでだが、山田洋次のこの三部作はシチュエーションが皆同じ。この似たような物語をつくった意図は何だったのか、僕にはよくわかりません。今作は愛する妻を手籠めにした上役に対する復讐劇。確かに悲劇なのだが、復讐劇に持って行くためのお膳立てが整いすぎていてどの登場人物もどうも存在感がない。しかも妻の行動も僕には浅はかに見えてしまう。僕は敵役のキャラクターにどれだけ深みを持たせられるかが、このような物語のクオリティを左右すると思うのだが、島田藤弥の悪徳ぶりがいかにも底が浅い。「たそがれ清兵衛」のような敵役の人生を感じさせるような切なさが何もない。また下級武士の暮らしを丁寧に描いたり、城中の官僚的な組織の描写ははそれはそれで興味深いが、もはや三作目になるとそれ程目新しくもない。「たそがれ清兵衛」は名作だったのに、三作目に至ってスケールが小さくなってしまった印象でした。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(邦画)] 6点(2006-12-23 06:50:47) |
7.《ネタバレ》 この映画を作った山田洋次監督が、木村拓哉さんと檀れいさんを通して何を伝えたかったのか…それはまず間違いなく“愛”でした。目で見て確かめる事のできない形のないものを、様々な方法でこの映画を見ている者に伝えようとする、その山田洋次監督の熱い想いに深く感動しました。 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-12-22 00:45:47) |
6.《ネタバレ》 最初はどうみても木村拓哉だったけど、盲目になってからの演技はとても上手だった。先はだいたい読めちゃう。ああ、こうなるなって。だけど、あの愛が素敵。 壇れい、笹野高史もとてもいい演技をしていた。一緒に観た友達は「映画にしなくても良かったんじゃないかなあ」と言っていたけど、あたしはこの映画をスクリーンで観て良かったと思う。2人の純粋な愛に心打たれた。所々笑っちゃうシーンなんかもあって、会場のお客さんは笑いまくってたけど、あたしはストーリーに感情移入して笑うどことじゃなかったよ。 【アンナ】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-12-09 12:51:13) |
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5.《ネタバレ》 なんかとっても小さい作品に感じられました。原作は未読です。緒方拳が唐突すぎるのと、島田藤弥が免許皆伝って無理ありすぎかな。出てる役者はみんないい仕事してるだけにもったいない。小林稔侍なんかいきなり切腹しちゃうんだもん。いままでの山田洋次時代劇で殺陣がもっとも情けないと思います。三津五郎の立ち姿がピシッとしてるだけに残念でした。 【shintax】さん [映画館(邦画)] 6点(2006-12-07 18:20:28) |
4.《ネタバレ》 毒に当り失明し妻を寝取られた相手と果し合いと、話の内容が非常に暗く展開するが、決して重苦しくはない。口が軽く人の良い徳平やおしゃべり叔母さんが画面を和ませる。とどめは殿様。室内や屋敷の場面がほとんどで、決闘の場面でも安上がりな設定が気になるところですが、当時の武士の意地と生き様は伝わりました。私がよく似ていると言われるキムタクの演技は自然で、剣道をやっていただけあって刀さばきもさまになっていた。すみません、嘘つきました。 【パセリセージ】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-12-06 00:04:48) |
3.自分はキムタクファンでもないし、キムタクファンが何を求めるのかもよくわからないが、この映画に関してはかっこよすぎず、いい仕事をしていると思った。ストーリーはわかりやすく、いいせりふもあったような気がするが、訛りが妙に気になったためかあまり記憶に残っていないのが残念。 【HK】さん [映画館(邦画)] 7点(2006-12-03 15:38:07) |
2.《ネタバレ》 先に言っておきますが、木村君は嫌いじゃないです。役者としても歌手としても。でもねぇ。この作品で彼を使った理由が分からない。「たそがれ清兵衛」の真田さんや「壬生義士伝」の中井さんとどうしても比べてしまう。決闘のシーンは良かったと思うケド、全体的に台詞回しがヘタ。岩手弁にかなり無理がある。檀れいは上手だった。男と逢引した後の妙な色気に同じ女ながら萌えてしまった。しっかし、自分の女房寝取られたことと武士の一分とどう関係するのか・・未だに分からない。武士なら武士らしく、ぐちゃぐちゃ言ってないで、女房と相手の男を叩き切って、自分も切腹して、それでオシマイにすれば?って思うのは私だけでしょうか?なんか見てて女々しいなぁって思いました。 【ゆみっきぃ♪】さん [映画館(吹替)] 6点(2006-12-03 00:24:13) |
1.《ネタバレ》 原作は短編も短編なので映画化に当って相当変更されていると予想していたが、割りと忠実にシンプルに仕上げている。鑑賞前は現代風の代表のような木村拓哉さんに時代劇なんて似合うはずがないと危惧していたがハウルに続いて健闘を見せている。そして作品そのものがキムタクナイズされている。重苦しくなってしまうところも時に喜劇調を織り交ぜ彼の特性を生かしながらも作風を損なわず融合させたのは見事だ。脇を固める登場人物たちも僅かな登場ながら強烈な印象を残す。剣術道場師範や医者などは物足りないと思うほどだが、主題はあくまで新之丞と加世と徳平の三人が成す家にあるからであろう。気に食わぬ仕事、切腹が待つ厳しい武家社会、冷たい親戚に囲まれながらもささやかで穏やかな幸せに価値を見出している。殊に印象深いのは加世が〝蛍はまだ出ていない〟と嘘をつくところで、しびれるものがある。しかし、思い込みかもしれないが若干気になるのは台詞が説明のように感じられるところ。活字ではない情報量の多い映像なれば必要以上の言葉は要らなかったと思う。ましておしゃべりは嫌いだとあれほど言っていたのだから。無言の中にというのが日本人の愛する奥ゆかしさだと認識しているのだが、もはや時代錯誤なのであろうか。日本人の一分はもうそんなところにはないのかもしれない。・・・・・・ところでシネコンで観たのだがチケット売り場で数人の子どもたちが〝たけしのいっぷん〟と笑いながら連呼していた。そんな映画があったら・・・ぜひ観たいゾ;。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(邦画)] 7点(2006-12-02 23:57:27) (良:1票) |