91.《ネタバレ》 全ての悲しみはあのライフルから始まったと言うが、実際そんなことは重要なことではない。事件の大小はあるものの、ここで出てくる悲しみとは映画の中のものだけでは無く、その国では日常茶飯事なことである。ではこの映画の魅力は何か?それは人種間の環境の違いや生き方の違いを描いている所だと自分は思った。耳と口が使えずのけ者にされ愛に飢えている少女。子供の死で夫婦の絆が薄れ始め旅に出たアメリカ人夫婦。不法労働者としてアメリカで働いている女。みんな初めから悩みを抱えていた人達であり、そしてライフルが齎したのは決して不幸だけでは無い。アメリカ人の夫婦は仲を取り戻し現地の人々の優しさを感じ、日本の少女は結果として父親と和解している。結局は国や文化や暮らし、不自由な体であっても、同じ人間であり同じ愛を持って生きている生物に変わりないと言うことが言いたいわけだ。もちろん違法労働者の女や銃撃事件を起こした少年は不幸になったわけだが、どこかの国で死者が出てもどこかの国では産声が聞こえるわけで、それも人間と言う生物の宿命だと言うこと。この映画は複雑な構成ながら、各地の人種の日常を淡々と描いたに過ぎない単純な映画であり、それでいて人間と言う現実を見直す機会を与えた作品だと自分は感じた。愚かなことを積み重ねていく人類だが、未来を明かるく照らすことも不可能ではないと、この映画に励まされた気もした。 【taka-104】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-02-25 23:59:10) |
90.《ネタバレ》 正直、良くわからない映画でした。確かにモロッコ、メキシコ、日本と繋がっていて、伝えようとする意図はわかるのですが。もう一度見直して確認したいとは思いません。 特に日本(東京)の描き方は何かに似ているなぁと考えてみると「ロスト・イン・トランスレーション」の描いてた東京に似ているような気がします。新宿の雑踏やゲームセンターのシーンなど。西洋人(監督はメキシコ人のようですが)から見た東京や日本の女子高校生ってあんなイメージなのでしょうか。そうだとしたら誤解されているなぁと思います。ただ我々は彼らの側から日本(東京)を見ることが出来ないから。おそらくモロッコもかなりの偏った描写になっているんでしょうね。後味が悪く、もう二度と見直すことはない映画だと思います。 |
89.現代社会において人間と人間の共通点、融和点は国境を越えることもしばしばある。一丁のライフル銃が引き起こした事件とその事件の裏にある混沌。そんな人間のつながりや各々の人間が抱く感情は描かれてる。ただ、それは現実にありえるだろうシナリオを並べただけであって、共感する部分も薄ければメッセージ性も乏しい。ブラピの存在感など0に等しい。図らずしてガエル・ガルシア・ベルナルのモーターサイクルダイアリーズの次に見たため、「あ、あの人じゃん」的楽しさ以上の脚本は最後まで登場しなかった。 【Andrej】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-02-23 11:41:51) |
88.バベルの塔の話は、砕いて言えば「兄弟は他人の始まり」ってことでしょ。悲観的な世界観だなあ、と思ってたが、でも逆に考えれば「すべての他人は元兄弟」ってすごく楽観的な世界観でもあったんだ。たしかに一本のライフルから広がる波紋は暗い事態を引き起こしていく。3つの国の警察が動き、3つの国の子どもたちが救助を求める悲鳴をあげる、声にならないものも含めて。でもこの悲鳴は、もしかするとそれぞれが孤立しないでこだまし合っているのかもしれない。だとしたら、かつて兄弟だった先祖たちのつながりを回復する手立てが、まだあるってことでもあるんじゃないか。日本のディスコのざわめきをどうかしてメキシコの結婚式のざわめきにつなげられないか、ヘリコプターが行くモロッコの夜を(崩壊する前のバベルの塔を思わせる)日本の高層マンションの夜につなげられないか。楽観的すぎるだろうか。でもいま世界は、無理にでも楽観的にならなければならないところまで、追い詰められているような気がするんだ。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-02-22 12:19:32) |
87.《ネタバレ》 1丁の銃の存在。それにかかわった人やその家族、周りの人達の「現在」が赤裸々に展開されていく。モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本、それぞれが直面している事態は、凄くもどかしく、ままならない。人は何とかその事態を好転しようと、悩んで行動しているけど、自分の思いがなかなか他人には伝わらず、さらに悪い事態へと展開してしまう所なんかは、実にリアルな感情表現で表わされていると思います。時にはその事態は最悪の結果を迎えてしまうこともあり、時には乗り越えられる場合もあり、まだまだ結論のでない場合もありで、実に深いです。このタイトルにしたことも含め、色々と考えさせられる映画だと思います。 【むーみん】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-02-20 10:29:46) |
86.《ネタバレ》 この監督全部同じように繋ぎ合わせるんですね。 確かにブラッド・ピットの演技もよかったし、アメリカ人や南米人とかを描いてるのは素晴らしかったんですが、日本人とかモロッコ人とかはどーなんだろ? もうちょっと、その国の背景を勉強してもらいたかった。 確かに日本はマスコミとか社会的にもエグくて節度やマナーとかなくて、お年寄りが迷惑してても電車内で大騒ぎする国ではあるけど、外国人とはいえ子どもの犯罪者の名前をテレビで公表するなんてしません。ましてや、写真なんて・・・・。モロッコだって、あれだけ野蛮に書かれるのもキツイよね。そんなこと関係ないと思える位すばらしい映画って言いたかったけど、私は日本人なので、なんだかシコリが残りました。スケールは大きかったけど、描ききれていなかったのでは? 【さら】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-02-18 11:05:58) |
85.《ネタバレ》 1丁の銃が人々の不幸を招いたという見方もできるし、1丁の銃が人々の切れた絆を元に戻す役目を果たしたという見方もできる。皮肉なことに残酷な「銃」が、バベルな人々を再生させるきっかけになっています。「聾唖」は、コミニケーション不全の社会のメタファーだと考えるのが適当だと思いますので、聾唖者(又は日本人)が悪く描かれているという見方をすると、この作品の本質を見失う可能性もあります。つまりこの少女はバベルの塔をつくり、神からコミニケーションを奪われた罪深い人間の象徴として描かれているのです。この映画の本当の主人公でしょう。彼女はコミニケーションに飢えており、奇怪な行動を繰り返すようになる。しかし喋ることができる私たちでしたら、コミニケーションは正常に機能しているのでしょうか?神話の時代に言葉を「分断」されてしまった私たち人間は、今では言葉が通じ合う人たちに対しても、コミニケーション不全に陥ってしまいました。お互いを理解できないモロッコの兄弟や、アメリカの夫婦、日本の父娘をみて、まずそのことに気がつかされます。すべての登場人物たちが、同じ言葉を持つ人たちと意思疎通ができていません。彼らは「銃」をきっかけに、自分の罪を自覚し、一番大切なことに気がつきはじめる。たとえばアメリカの夫婦。妻にもっと努力しろと言っていた夫は、妻が凶弾に倒れ瀕死の状態になったときに、はじめて自分と向き合い、妻に懺悔する。罪の自覚がなかったモロッコの弟は、兄が銃殺されたことによって、死の恐怖を超越するほど強烈な罪の意識が芽生え、銃を持った警察の前に進み出て激しく懺悔する。また、善人であるはずのメキシコの家政婦は、子供に「あなたは悪い人じゃないの?」と言われて「私は悪い人間ではない。ただ愚かなだけなの」と弱々しく言い放つ。誰もが罪を背負って生きているという強烈なメッセージ。彼らは「銃」によって傷つき、そして自分たちの弱さを自覚する。こんな世の中で一番大切なことはまず自分の愚かさに気がつくことなんです。自分の罪を自覚したときにはじめて同じ罪を持った他人を理解できるようになる。バベルの塔を連想させる超高層ビルで抱き合う父娘のラストシーンについて。神から言葉を分断されても、また言葉すら失っても、人間はさまざまな手段でお互いを理解しようと試みる─。コミニケーションの重要性を訴えかけた素晴らしい作品でした。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-02-12 20:24:34) (良:3票) |
84.《ネタバレ》 繋がっているようで実はあまり繋がっていないという指摘もあるかもしれませんが、3つの舞台それぞれ、監督さんの言いたいことは首尾一貫していて、よく作り込まれた映画だと思います。どれも悲劇ではありましたが、とことん悲惨というわけではなく、最後はある程度救われた形にしたのは、監督さんの優しさでしょうか。観る側にとっても、嫌な後味だけが残る映画になっていなくて、その点でも良かったと思います。 |
83.《ネタバレ》 後味が悪すぎる。細部をもう一度確認の為に見直そうかとも思ったんが、あまりに後味が悪くてとても2度見られなかった。 チエコは何をしたかったんだろう。とても共感できない。動物的すぎる。 【モフラー】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-02-12 15:12:40) |
82.この監督のファンであるということを再確認。いつでも人間が痛々しく生々しい。不幸も死も身近にあるんだと教わる。人間、身勝手に生きちゃいけないよな。 【マリモ125cc】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-02-08 16:52:31) |
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81.《ネタバレ》 出演者は豪華だけど娯楽性は全く無し。 それぞれの登場人物の心情を表すかのような音楽とドキュメンタリータッチな映像。 一丁のライフルによって次々と国境を超えて発生する不幸の連鎖。 映画の流れに沿うと場所も時系列も全てがバラバラだけれども、それが最終的に絶望や孤独に打ちひしがれても、最後に人を救うのは家族の繋がりなんだと言うラストに結びつき、2時間半近くに渡るこの映画のメッセージを読み取ることが出来たような気がします。 途中何度か「え??」と思うような描写があったけれど(特に日本編で)特に気にすることなく最後までじっくりと鑑賞できました。 出番が少ないと観終わった直後に感じた役所広治の出番も、今思えばあれだけの出番だったからこそ最後の刑事との会話で言葉の重みが感じれたと思うし、ブラピも異国の地で信頼できる人が少なく妻の窮地に焦りを募らす姿がとてもリアルに伝わってきました。 特筆すべきはやはり菊池凛子の演技。耳が聞こえず、健常者の人に言いたいこと、気持ちを伝えることが出来ずに胸の内にあるもどかしさや焦燥感を見事に表現できていたと思います。 オスカー受賞はなりませんでしたが、ハリウッドが国籍に関係なく彼女をキチンと評価したことは素晴らしいことだと思いました。今作の菊池凛子や「ラスト・サムライ」の渡辺謙のように国境を超えて活躍できる日本人の俳優がもっと増えてくれたらいいですね。 同じような複数の物語が展開する映画では「クラッシュ」の方が個人的には好きですが、観た後の味わい深さはこの作品の方が上だと感じました。 【エージェント スミス】さん [DVD(吹替)] 8点(2008-02-06 18:26:22) (良:1票) |
80.いつもながら絡み合うエピソードという構成の巧みさに感心する。しかも今回は世界規模。色々な民族性や生活の違いが味わい深い。その反面、結局スケールが変わっただけでアモーレスペロスと一緒じゃないかと思う。この監督の色なんだろうけど。 【ぷりんぐるしゅ】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-02-01 11:48:41) |
79.《ネタバレ》 まさか泣けるとは思わなかった。チエコが裸になって求めるシーン、兄を撃たれた弟、父親、不法侵入者とされた乳母、苦しい感情が自分の胸の奥に突き刺さった。こんなにも、分かりたいのに、分かって欲しいのに、分かり合えない。菊池凛子演じるチエコのもどかしさが素晴らしかった。 【おっちょ】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-01-20 22:51:07) |
78.バベルの勉強をしたらもう一回見るかもしれません 【マーガレット81】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-01-19 20:55:28) |
77.《ネタバレ》 3つ(4つ?)の場面を織り成すという点は好きなパターンだが、 この映画ではあまり成功していないような気がします。 つながったから何?というか納得感が全くないんですよ。 一つの猟銃をめぐる悲劇という観点ではメキシコの悲劇は浮いているし、 うたれた観光客の夫の悲劇という点からは東京は関係ないというか責任はないはず。 見ている者に考えさせたい風を装っているがいやな気持ちにさせたいかのよう。 ほらお前らは不幸な人々を見てどう考えるのかって試されているようだ。 それから、あまりにも不快感を与える性的描写にうんざり。 捕らえ方しだいで面白く感じることもできるかもしれないけど、 私には嫌いなタイプの映画。 【飴おじさん】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-01-03 00:08:44) |
76.《ネタバレ》 言語や国籍の違いですれ違うエピソードを繋げただけで随分と退屈。 物語る手法を知らない中・高生が書いたような青年の主張的内容。 まあ、考えるキッカケになる人もいるでしょうから無駄な作品ではないと思います。 【カラバ侯爵】さん [DVD(吹替)] 2点(2007-12-27 19:29:25) |
75.《ネタバレ》 文明豊かな日本は心の会話ができない。異教のモロッコでは法律も暴力じみている。陽気なメキシコは後先考えない。個人と法律のアメリカ人は銃(暴力)によって傷つく。 いったい何を伝えたかったのか不幸な「マグノリア」を見たようで気分悪い。 あざなえる縄とは今回いったいなんだったのだろう。 【Jane.Y】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-12-16 14:26:29) (良:1票) |
74.《ネタバレ》 テーマは、人間の愚かさ、なのでしょう。そしてその愚かさを、悲しく抱きしめつつ、人は家族の絆を確かめることになる。役所は娘の手を握り、ベビーシッターは息子と抱き合う。・・・・・[モロッコ]//バスに向けて打ったりしなければ・・・///兄弟は言い争い、関係のない姉のことも暴露してしまう///弟は警官に向けて発砲などしなければ兄が死ぬことなどなかった。[ブラピ夫婦]母は、ずっと子どもの世話を殆どベビーシッター任せ、そうして夫婦は仲違いしている・・・観光客とは無意味なつかみ合い、その結果、バスは発車。[ベビーシッターと親戚の男]息子の披露宴で、昔の恋人と、、、//あわてて帰ろうとして、酒気帯びで国境越え//検問所を強行に突破//ライトを消してじっとしていれば良いものを、ライトをつけて逃走をはかり、あげくは砂漠の中に女子どもを置き去り//置き去りにされてじっとしていればよいものを、歩きまくって体力を消耗、あげくは子どもを置き去り・・・・最後は不法入国で強制送還されて米国での全てを失う・・・・・[役所]そして発端のライフルは、役所が善意で送ったものではなく、妻の自殺の道具を自分で処分できずに放棄したものであった。・・・・・全ての人が善意なのだけど、あまりに愚か。そしてバベルの塔の崩壊の後、人の言葉は多様になっても、その愚かさは地球をまわって連鎖している。[菊地]彼女は現代文明でのdiscommunicationの象徴なのでしょう。動物化が進むポストモダンでは、人は理性的な言葉で意思の疎通を果たせず、体でコミュニケーションするしかないわけです。・・・・・・・というようなことが美しい映像と、巧みな展開、映像とマッチした音楽によって紡がれていました。最後に家族の絆を持ってきて、息子たちへの言葉を記すところが、チョー気にくわないところですが、素晴らしい映画でした。 【王の七つの森】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-12-12 09:58:40) (良:4票) |
73.《ネタバレ》 伏線がわかりやすくて、期待していた割にはいまいちでした。 【osamurai】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-12-03 01:01:34) |
72.《ネタバレ》 「21グラム」と同様のつくりで安心して観られました。何気ない幸せな家族、愛や子供への思いが伝わる、その反面、突然トラブルに見舞われ、決断に迫られ、悩み苦しむ等身大の出来事が心を打ちます。空間・時間がリアルで生々しくて重々しくて俳優達の吐息が聞こえてきそうです。 この映画では、それぞれの文化や生活、言葉、習慣、規律、規制の壁や違いによるもどかしさというものを見せ付けられた感じです。 特に、モロッコでのエピソード中のお父さん、兄弟の結末が悲しすぎる。それは銃を行使したから?お父さんの存在と演技が心を打ちました。 メキシコでは、子供達が助かってホント良かったと安心しました。 日本でのエピソードでは直接生死にかかわらないですが、この豊かな(に見える)日本国内でも聾唖者の方の差別を表し、理解されない苦しむ姿を表しているのかな。 【★ピカリン★】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-11-26 17:26:23) |