63.《ネタバレ》 「異色時代劇」というフレコミがあったが、まさしく「異色」以外のナニモノでもなかった。 そもそも、始まりからして奇妙。 一人の汚い身なりのお侍が、でっかい屋敷の玄関先で切腹をしたいと押しかけてくるシーンから始まる。 これから何かすごいことが始まるぞ~っていうのが、このシーンの異常な緊迫感から感じ取ることができる。 前半は特に秀逸で、ぐんぐんと物語りにひきこまれてしまった。 モノクロもいい効果を生んでいる。 空気が引き締まって見えるのだ。 中盤辺りは少し中だるみ感があったり、仲代達矢と丹波哲郎の決闘シーンは少しリアリズムを欠く演出がなされていたりと、全体的にみれば今一歩の感は否めない。 しかし、先が全くよめない素晴らしい脚本と、画面にみなぎる緊張感は素晴らしいの一言だ。 チャンバラ(殺陣)部分がイマイチで、それ以外の部分が素晴らしい、まさしく「異色」な時代劇。 それにしてもこの作品の丹波哲郎、かっこいいな~。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-01 20:33:46) |
62.《ネタバレ》 切腹する場所を貸してくれと言われて、井伊家はさぞ迷惑であっただろう。津雲半四郎に斬られたもの達こそ、哀れだ、とちょいと斜に構えた見てしまった。彼は口上を述べ、立ち回りをしたことで鬱憤をはらせたのだろうか。 【ジャッカルの目】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-04-21 10:54:03) |
61.面白かった。普段あまり時代劇は見ないのだが、この映画は切腹の一部始終を描いているだけなのに引き込まれる。随所に退屈させない工夫がなされており、二時間がそれほど長く感じなかった。後半のどんでん返しには意表を突かれました。 【こまごま】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-01-07 00:14:04) |
60.《ネタバレ》 切腹を申し出た男の身の上話を聞いていくと驚きの事実がわかってくる、という脚本に引き込まれる作品でした。仲代達矢の凛とした演技もよかったです。しかし、最初の男の切腹シーンは白黒だから血の気持ち悪さが余計に引き立っていて、むごすぎて直視できませんでした。全体的にもっと短く作れたのではないか、と思いました。ちょっと長すぎて最後は飽き飽きでした。。 【kaneko】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2006-12-05 14:04:06) |
59.静謐で重厚な空気感と共に、登場人物の意外な過去や関連性を示唆し、見る者の興味を持続させるミステリーのような脚本構成が上手い。 重苦しい中にも様々なテーマが汲み取れる作品だが、武士道に対する疑問を提示することで、「封建制=権力=悪」とする、割りと単純な権力批判が見えるのは残念。「罪を犯すにはそれ相応の理由がある」とする立場からも、「弱者=善」「強者=悪」のような二項対立による批判的な問題提起が伺える。 そのため現代にも通じるであろう、「武士道=プライド」といかに折り合いをつけて厳酷な現実を生きていくべきなのかという問い掛けが、逆に伝わりにくくなっていて、無残で後味の悪い思いだけが残ってしまうのが残念。 【FSS】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2006-10-17 05:02:21) |
58.期待以上でした、、次々と繰り出される、新事実に..釘付け! 脚本がイイですね~ 秀作です!! 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-09-25 12:21:09) |
57.大傑作でした。奥の深い内容と、緻密に練られた構成。それと効果的なカメラワークと演出。どれをとっても最高級。もはや文句の付け所のない大傑作。カメラワークに関して言えば、ローアングルや俯瞰ショットの使いどころは最高。さらに、カメラを傾けて心理的な感情を表現するところや、絶妙な照明の当て方も抜群にうまい。小林監督の映画は始めてみるが、相当なテクニシャンであると思われる。武士の情けと誇りが複雑に入り乱れる仲代達也と三国連太郎の駆け引きも絶品。ラスト30分からのチャンバラシーンは、それまでの緊張感たっぷりの展開から一気に解き放たれるだけあって興奮しまくり!!まだまだ褒めるところは一杯あるけれども書きつくそうでないのでこの辺に・・・。10点! 【ジャザガダ~ン】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-08-19 17:09:07) (良:1票) |
56.《ネタバレ》 時代劇を舞台にした人間ドラマだと思いました。金をたかるために切腹を志願してきた浪人にも切羽詰った理由があり、命を懸けて守りたいものがあった。ところが井伊家の者はその浪人の意図を察しつつ、竹光で切腹するよう追い詰め、切腹させる。主人公はいろいろな意味でその敵討ちをしたのだと思う。後味はあまりよくないな。 【ぽじっこ】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-08-12 22:49:40) |
55.深い分析は皆さんにお任せして軽いことを言わせてもらいますが、とても「かっこいい」作品ですね。個人的には時代劇は苦手で、情念の濃い、野暮ったさと紙一重の熱さが好きになれないのだけど、その点この映画に関してはとてもクールで、ドライな描き方だと思う(かといって人間ドラマがなっていないというわけではない)。演歌調というよりは暗鬱なブリティッシュ・ロック的な。冒頭の音楽なんかは明らかに日本の伝統楽器を用いているのに、どことなくグランジっぽいし、直線で区切られることの多い武家屋敷の映像は日本的な美とは真逆の冷徹さを感じさせる。「スタイリッシュ」という形容詞の似合う時代劇はとても珍しいと思う。 【no one】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-09 16:48:46) |
54.津雲半四郎は浪人となり苦境を体験する中で、自分がしがみついてきた武士としてのプライドを捨てた。武士道を捨ててでも守らなければならないものを「千々石求女の刀を売る」という行為によって気付かされたのだ。彼の刀さばきは流儀を感じさせない。そんな意味のないものも捨てたのだ。ただただ生きる事に執着し、型破りな半四郎は強く猛々しい。武士という「勝者」の立場を離れた事で本当に大事な本質を知ったのだ。しかし、結局彼の武勇は彼を殺した者達によって体面を守るために塗り変えられる。「真実」とは常に勝者によって作られるのだ。竹光で切腹したと伝えられた求女も、ここまでくると相当怪しい話に聞こえてくるのもうまい。この映画の中に悪者はいない。出てくるのは敗者と未来の敗者。歴史は勝者が作り、強い者が武士道を作ってきた。貧しい国=サッカー強い…… 【ハッシーふりかけ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-07-21 03:55:21) |
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53.重い映画。今じゃぁ、作れない作品なんだろうねぇ・・・。 【瑞鶴】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-07-05 07:39:17) |
52.《ネタバレ》 仲代達矢だけで7点献上。井伊家はやり過ぎただけで、対処の基本的な方向はあってたと思う。千々岩求女の貧乏苦労や奥さんや息子の病気のことなんて可哀想ではあるけれど実際井伊家には関係ないことだし。。。なのであの回想シーンは「こんなに情状酌量の余地があったのだ」って押しつけがましく感じた。それよりも自分の義息の方に圧倒的過失があるとわかっていながら、それでも敵討ちを!みたいな理不尽・逆恨み的な仕返しの理由の方が人間的で納得しちゃうけどなあ。。。 【目白沈寝】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-06-28 23:47:50) |
【weber】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-06-15 15:17:36) |
50.すごい映画ですが、人に勧める気になれないし、二度と観たくない。・・・痛そう。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-05-04 15:31:24) |
49.泰平の世が訪れ、武士の多くは浪人へと成り下がり、衣食を憂う。事象の成り行きは全て均衡へと向かい、一定を保つ。疎から密へ、密から疎へ。上がるものあれば下がるものもある。だが、人はそのことに気付かぬフリをする。均衡を崩す者現れれば、世迷い事と切って捨て、かろうじて一定を保つ。津雲半四郎に武士の誇り、武士の魂が宿っていたわけではけしてない。彼は建前を捨て、鎧を纏わず、ただ本質を追求し、真実を見せ付けたに過ぎない。誤読された賛美を受けていることに対して監督はどう感じているのだろうか。“竹光での切腹”、“お預かりしていたものをお返ししましょう”作られすぎた世界で真実を暴く。もしかすると驚異的な作品なのかもしれない。 【stroheim】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-04-18 07:18:38) |
48.完璧な作品です。ストーリーも素晴らしく、仲代達矢と三國連太郎のやり取りも非常に見ごたえがあります。 江戸時代の物語ではありますが、現代の我々(特に会社勤めの方)にもあてはまる部分が多く、「時代劇はちょっと・・・」という方にも是非お勧めしたい一本です。 しかし、ラストは、現代でも良くありそうな展開で、ちょっと背筋が冷たくなりました。 133分があっという間に過ぎていく本当に面白い作品でした。 【TM】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-04-16 21:57:14) |
47.いきなり「切腹させてくれ」と始まって意味不明。それがちょっとづつ明らかになっていく展開は見ごたえ十分!飯を食っていくためにプライドを捨てていく武士たちに見え隠れするのは武家社会、封建社会の脆弱さそのものなのかもしれません。 【maemae】さん [ビデオ(吹替)] 10点(2006-02-26 23:02:59) |
46.この映画が世界に通用するクオリティを持った秀作である事を否定するつもりは毛頭ない。しかしこれをこの時期に海外に紹介して、しかもカンヌで賞まで取ってしまった事は、外国人の日本認識を後々まで相当歪曲させてしまったような気がする。自分も時代劇は割と観ている方だが、こんなリアルな切腹シーンを観せられたのは正直初めて。ハラキリという行為自体にも免疫を持たない外国人が、いきなりこれを見せられた場合のショックはどれ位のものだったか想像に難くない。あくまで自分だけの意見としてだが、この映画は日本国内に留めておくべき作品だったと思う。とにかく全編、いささか力みすぎとも思える仲代の眼力(めぢから)に圧倒されました。出てる男優さんたち、皆さん武士の風格を持った容貌してらっしゃいますね。歩き方や所作一つ一つにまで神経が行き届いてました。いかにも完璧主義小林監督らしい重厚な映画。むしろこの映画こそ「武士道残酷物語」。東MAXのルーツをこの仲代の立ち回りポーズに見た! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(吹替)] 8点(2005-11-28 13:44:50) |
45.《ネタバレ》 面白い映画ではない。 しかし、重厚な作りに、そしてそのストーリー展開に、ぐいぐい引き込まれる。 この映画、俺は、物凄くシニカルな映画っていう印象を受けた。 もちろん清貧の民が、悪意や傲慢に満ちた輩に一矢報いるといった構成は面白いし、カタルシスもある。 でも、トータルとして「武士道」というものを思いっきり揶揄してる。 そこが絶妙です。 見てみなよ、どいつもこいつも「腹を切る」「腹を切れ」「腹を切らせろ」って、切腹の大安売りだ。 武士の「命」の安いこと安いこと。 「侍としての体面」「名家としての体裁」そんなものの為に、自分も自分の周りの人間もその命を簡単に無駄遣いする。 そのことに気付いた主人公は、「侍」として「侍」らしく命をかけるのではなく、それを利用して「仕返し」を行うんだな。 世間でもてはやされている、いわゆる「侍道」というもの、その認識を改めさせてくれる。 その妙味。 【とっすぃ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-21 12:52:14) (良:2票) |
44.凄まじい物語だが、その魅力を何百倍にも増大させた橋本忍の作劇術のうまさに唸らない人はいないだろう。しかも仲代達矢の鬼気迫る迫真の演技を見せられると、もう言葉を失くしてしまう。多分、何年経ってもその衝撃は不変。誰が何と言おうと傑作中の傑作です。 【nizam】さん [ビデオ(吹替)] 10点(2005-08-17 19:17:44) |