65.正直この映画の意義を見いだせなかった。人間の醜い面をこれでもかと見せつけられる。そして何の救いもないラスト。極端に簡略化された前衛的なセットも疑問。余計なものを排除して狭い村での人間の相関を際だたせたかったのだろうと想像するが、それならば舞台を見に行けば充分。手持ちのカメラワークも活きてるとは思えない。 【ロイ・ニアリー】さん 4点(2005-01-05 17:11:31) |
64.ひどい映画なのか、痛快な映画なのか・・・・・・。 二コールは何ゆえに受け入れるのか?????? 映画だからか。 未だ判定下せず。見てない人には、「見て結論を下せ!」 としかいいようがない。 二コール・キッドマンが非常に美しかったので8点挙げます。 【やぶ】さん 8点(2005-01-05 16:15:01) |
63.トムが諸悪の根源のような気がする。グレースに愛情を感じていたのは真実だろうけど、グレースを不利な状況にある逃亡者として捕らえていた一番の人物だと思う。トムはグレースが町にい続けるには見返りが必要だと感じていた一番の人物だからだ。確かにトムの意図は違うところにあったのだろうけど、結果として住人はそれによって徐々にグレースをそういう存在だと捕らえるようになっていった。だからといってトムは住人にガツンと言ってやる事もできず、ただただ傍観者であるだけ。理屈を考えているだけなのだ。それでは行き着くところにたどり着いてしまうのも当然のことだ。その上、グレースに自分の弱点を見透かされて、それを認めることもできず、マフィアに通報してしまうとはあまりにも情けない。所詮トムは小賢しく、弱いドッグヴィルの住人でしかなかったいうことだろう。またグレースはマフィアの家に育ってきたことに起因するのだろうか、逆説的に相手を理解し、そして慈悲深く、献身的で、自己犠牲的であることを正義だと感じるようになった。それに住人が甘え、つけこんでしまったのだ。グレースの父はマフィアとして生きてたからだろうか、それで生きていけるほど人間は理解的で、慈悲深く、献身的でも自己犠牲的でもないことを知っていたのだろう。むしろその他の住人のほうが一般的なのである。ドッグヴィルにひとつの理想や夢を感じていたグレースは皮肉にもドッグヴィルで真実に気付くのだ。それに気付いたグレースも極端だった。怒りや憎しみ恨みを理由として住人を殺すのではなく、世界のため、正義のために住人を殺すのだ。グレースの視点はある意味神の視点だ。それは父の言うとおり傲慢であり、独善的なんだろう。権力を手にしたグレースは今後どう生きていくのかが気になる。ひとつ映画が作れそう。北斗の拳のケンシロウのように正義のために問答無用で非情に悪に鉄槌を下すような、パロッた映画とか面白そうかな。「法で裁けない人間は私が裁く。神に替わっておしおきよ!」みたいな。あのグレースのキャラならゴッドファーザーを超えれそう。 【りょう】さん 7点(2005-01-03 09:24:32) (笑:1票) |
62.《ネタバレ》 長い、特に前半は起伏もなく非常に眠くなった。 "殺人は必ずしも殺人ではない"、"責めるべきは環境だ"、"人殺しも強姦魔もお前の説では被害者だ"という彼女の説の一端は理解できる。けど、あんないろいろな酷い仕打を受け入れられるのか?そこが理解できず、かなりやきもきさせられた。しかしラストでは、その説を肯定しつつも一転して皆殺し。建前では説を肯定しつつも、実際には子供の殺し方にも指示を与えるという様が良かった。前半の頑なな受け入れは、ラストの矛盾を突出させるための演出だったのかな。 最後まで舞台調のセットには違和感を感じてしまいました、ドアノブの真似とかさむかったし。 この作品で「ニコール・キッドマン」の顔と名前が一致しました、綺麗な人ですね。 【海夫の夏】さん 7点(2004-12-22 17:41:37) |
61.映像的に見るのがつらい映画だった。私はいくらラストがよくたって、それまでのつまらない部分も含めて映画を高評価できることはそうないのですが、これは特別かなぁと。「奇跡の海」とは逆で、ラスト一発大逆転な映画です。やっぱりこの監督の作品は私に合うようです。今まで見た中でニコール・キッドマンが一番がきれいだし。 【るいるい】さん 9点(2004-12-19 20:11:31) |
60.《ネタバレ》 最凶監督トリアーとしかいいようのない悪趣味さ。 映画の登場人物にあんなにムカついたのは初めてだ。 どいつもこいつも、俺なら絶対あんなことしない!!!絶対しない!! 演出で目を引くのが床にチョークで線引いただけのセットなんだが、 案の定性的描写で効果的に使われる。 物語が進んで行くにつれて、確かにこいつら犬だ、 壁なしがお似合いだということが分かってくる。 ラストは、「奇蹟の海」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に比べて 多少スカッとするというか、スカッとした自分に嫌気が差すというか。 考えてみれば結構陳腐で強引な展開だが、こちらも かなりドス黒い気分になっていたので許す。 結局何が言いたいかというと、俺は、…トリアー大好きです…。 |
59.《ネタバレ》 ここのほかの人の評価を観て、いかに自分が想像力のないひねくれた馬鹿な奴だってのを理解しました。だって正直なところ、別になにも感じなかったもん。最後のところは当然のごとく村人やっちまえって思ったし、そーゆうラストを迎えても、あー俺って醜いよね、人間って醜いよね、うん わかってる、いっぱいそんなの観てるから映画でも現実でも。で、おしまい。いたって冷静。どれくらい冷静やったかとゆーと、俺がアノ場にいても村人敵にまわして絶対グレースに味方するって!って自信をもっていえるくらい冷静(美人に弱いってゆーか馬鹿マルだしですんません)。でも、それはこの一種実験みたいな演出のせいかもしれん。だってどーしてもリアルに思われへんねんもん。ドアノブないのにまわしてたり、線だけの体育館みたいなところでドタバタやったり、あと綺麗すぎるレイプとか、グレースの人柄とか、所々の描写がどーもディフォルメチックで現実にひきもどされてまう。これ俺だけ?ねー俺だけなの?他にはいないの?俺は想像力ないの?ただこれを普通の映画でもっとリアルにやられたら、ひょっとしたら冷静ではいられへんかったかもしれん。どっかリアルじゃないところに救われたんかも。俺にとって監督はひょっとしたら慈悲深い人なのか?でも慈悲深さも傲慢なんよねーっていってしまってます。そしたら冷静ぶってる俺も傲慢なんやろね。てゆーかこの世は傲慢だらけなんやろね。章じたてで観やすく、ずっと映画に集中できたけどそんなにくるもんがなかった。けどやっぱり実験的な感じで冷静に観ることすらもあの演出にのせられた感があるので満点。 【なにわ君】さん 10点(2004-12-14 09:22:50) (良:1票) |
58.なんか、とても嫌な物を見てしまった感じが残るものの、途中でこの作品に引き込まれている自分が嫌になる。なんだ?この映画は?なんだ?このセットは?最後は「もういいから、ぶっ放せ!」と心の中で叫んでいる自分がいた! 【みんてん】さん 7点(2004-12-14 00:18:35) |
57.恐い映画だった。風刺童話にある様な恐怖が、本を読む如くに演劇風に撮ったことで更に強烈になったと思う。傲慢や偽善に答えが出せないのと同様に、この映画のラストも答えではないのだろう。役者陣も良かったし。あっという間に過ぎた3時間でした。 【じふぶき】さん 8点(2004-11-22 22:22:48) |
56.《ネタバレ》 ニコール・キッドマンは本作のような姿がとても美しい。着飾ったり髪の毛をいじったりするとどこか人工的な美しさが出てしまい引いてしまうのだが、本作の彼女はシンプルで美しい。そして、この人間の弱さ醜さをこれほどまでに描ききったラース・フォン・トリアーに脱帽した。舞台でも演じきれそうだがそうではない。この話は映画でないと描ききれないのだ。カメラが私たちが見たいと思う物をしっかりととらえることができているからだ。(野球やサッカーをテレビで見た方が分かりやすいのと同じだ。)特に見たくも無い日常や自分以外の人間が何をしているのかどうしているのか分かることで、孤独さを強調することが出来る。10点でない理由は子どもを殺したからだ。幼い子ども(赤ちゃん)にどんな力があるというのだ。母親に対する仕返しのためとはいえ、罪がないのではなかろうか。。。。ま、映画的には子どもたちだけ助けるというのもしまらないですけどね。 ーーーーーーそして、明日からの私の生活はしばらく自己嫌悪でいっぱいの日々となるであろう。映画で人生について考えることが出来るのは良しとしたい。が、生きるのが嫌になる物を見てしまった。セックスの醜さをより強調して見せられ、正義も愛も倫理観もその他全て誰もが認める人間の素晴らしさが、欺瞞に思えてくる。ある意味、R指定の映画だ。 【蝉丸】さん 9点(2004-11-16 23:02:25) |
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55.汚さの勘違い。ある日を境に突然態度が変わる住民たち。想像力で補わなければいけない面倒な構成。そして一見したときのしょぼい舞台。5章までの面白くなさと全体的なテンポの悪さ。そこに重なる作品の長さ。正直ほめられたもんじゃない。借りて損したと心から思えた久しぶりの作品。ニコールが綺麗。あとはみんな演技はがんばってる。ただこの映画が嫌い。 【JACK】さん 1点(2004-11-07 21:36:48) |
54.なんてこった。飛行機に乗ったこともないのにアメリカを描いたらしいこの作品、どこがアメリカ?と、言われているとおり、最初は確かに思った。こういう「村社会」じたいは昔や今のアメリカというよりはアジアとかヨーロッパ的。しかしグレースの選択に、このほどのアメリカの選択が、ある・・・!村のえぐさに隠れて気づかないとこだった!それ一発で描き切っちまったんかい。ブッシュPV映画なんかよりいいかもしれないよ。同時に人間のえぐさももれなく付いて来ます。そしてグレースに同調して溜飲を下げてる観客たちが、こんなにもいる。たぶん。もっとやれー。やっちまへー。恐ろしいよ。恐ろしすぎて面白いよ。こんなものに賞をあげたくなかったという気持ち、わかるよ。小説のバトルロワイヤルの時みたい。点数はけっこうフィーリングというかいいかげんに付けてるものだが(ぉぃ)0~2点か10点か。でも10点もあげたくない。そんな迷いの9点。そしてもうひとつのテーマでもある、世界のそこかしこにあるドッグヴィル村に捧げる映画でもある。 |
53.途中で観るのやめようかと思ったけど最後まで観て良かった。 |
52.人間の醜い部分を見せたいがためだけに作られた映画。そんなの映画にしなくていいから。長すぎだし。 【太郎】さん 5点(2004-10-14 15:13:15) |
51.奇抜なセットでの作品が弥が上にも目だつ本作。美術演出でごまかせないだけに、出演者の演技が観客を引き込むかどうか左右するという、ラース・フォン・トリア監督からの挑発的な挑戦状。で、結果は見事引きずりこまれてしまいました。終わってみれば、やっていたことはごく一般的なことだったんですけどね。普通に撮影してたら、ごく普通の映画になっていただろうに。この奇抜な一発芸に見事はめられたね。 【tantan】さん 8点(2004-10-13 00:13:04) |
50.《ネタバレ》 奇抜な演出だけの作品かと思っていました。とんでもなかった… とてつもなく重い。 作り手は、ドッグヴィルの住人の、つまりは人間の傲慢さ、残酷さ、醜さを描きたかったのでしょうか。いや、当然町の人々だけではなく、グレースや彼女の父親も含む全ての登場人物について同じ視点で描きたかったのでしょう。そうに違いありません。 ただ、私には、そのことを作品の内部でのみ表現しているのではなく、観ている私達観客の心の中にまで拡大して表現しているように思えます。何故なら、このラストシーン、支持しますか?スッキリしましたか?もしかしたら、「早く殺せっ!こんなヤツラは殺してしまえっ!」なんて思いませんでしたか?ラストで彼女が町に残るか、はたまた町を消すか。これだけの長編なのに、僅か数分のラストで作品全体の方向性さえ変わりかねません。 最後の選択を支持するのも傲慢、支持しないのも傲慢。結局人間とは、まだまだその程度の心しか持ち合わせていないのだ、そんなメッセージを観客の心の中に直接生じさせているのだと受け止めました。そして、一匹の犬だけが、全てを客観的を見ていた証人だったのでしょう。全てが消え去り、観察者は姿を現しました。 ちなみに、殺風景なスタジオなのに、途中から(実際には目の前にない)風景が脳裏に浮かび始めました。優れた表現力を持って書き上げられた、そんな小説を読んでいるかのような錯覚におちいったのは、私だけでしょうか? |
49.《ネタバレ》 たまには、これだけ人間の醜悪な部分を一つの作品として見せ付けられるのも、私のような「ハッピーエンド願望ボケ」している一映画ファンにとっては新鮮に映った。「自分の中にも存在する醜さに気付け。そして自分なりに答えを探して歩け。」というのが監督がこの作品に込めたメッセージなんだろうし、それについて考える事は非常に大きな意義があると思う。 それともう一つ、この作品の出演者は素晴らしい。あれ程さらけ出され(手抜きが一切許されず)、舞台の構造も演じる題材も閉塞感で嫌気がさしそうな現場で、きっちりと各役柄を演じて見せた俳優陣は本当に凄い。特に主演のニコール・キッドマンには、女優としての役者魂のようなものを見せてもらった気がした。 【wood】さん 8点(2004-10-03 11:24:47) |
48.舞台をする予定で脚本を書いたが、あまりの出来の良さに世界中の人に見てもらいたい!と思い映画にしてみました。だったら分かるがそれ以外のつまらん理由で演劇・舞台っぽくしたのなら、そんなに目立ちたいか?って思ってしまう心の狭い俺がいる。ただ内容は素晴らしい。人間のグロい内面がてんこ盛りで非常に醜いがダンサー・イン・ザ・ダークに無いどっちもどっち的な相殺感があったように思う。 って偉そうに言ってみたけど俺にはこんな難しい映画の解釈は無理。正直これが結論。 【モチキチ】さん 8点(2004-09-25 03:16:12) |
47.《ネタバレ》 かなり監督の意図的な「挑発」が見える映画。人間社会の縮図としてのドッグヴィルには、負の人間性を象徴するような出来事ばかりが起こる。閉ざされた共同体に入り込む「異物」としての主人公。異物を受け入れることで、他者からの見返りを期待する村人たち。その彼女を受け入れさせたりと、他者を説得する行動自体が自己目的化する男。その善意が彼女のためではなく、内側に向けられた自己満足であることにも気付かない愚かしさ。そして、期待が裏切られたという一方的な思い込みから、その感情を相手に対する憎しみに転化させる自己正当化と自己欺瞞。 監督は人間社会で起こりうる典型的な人間性の露悪を、壁の無い舞台セットを使って文字通り「劇的」に描こうとする。そしてラストにおける「粛清」こそが、この作品を見ている我々に対して向けられた挑発であり、監督が最も言いたかったことであろう。 私自身がそうであるように、誰でもあの虐殺シーンを見て少なからずカタルシスを味わってしまうという脚本構成が曲者。詰まるところ、それは自分が見てきた村人たちの「罪」に対する「罰」として、今度は彼女の立場に一方的に同調して「殺されて当然」と殺人をも許容している自分自身の人間性と向かい合う構図になっている。良くも悪くも嫌らしい作品である。 【FSS】さん 7点(2004-09-24 21:07:05) (良:2票) |
46.《ネタバレ》 あまり映画ぽくない。論文を読んでいるようだった。最後の父親との会話は討論のようだ。人々の所業を回想し精査し議論し結論を出す。ラストは神託のようでもある。虚飾を廃した箱庭的な演出、遮る壁のない1ショットで収まる舞台、時折見られる真上から町を俯瞰したカットはドッグヴィルの人々を観察対象、サンプルケースのように客観的に見せるためなのだろう。影の部分を作りたくない。全てのものが常に観察の対象にある。役者は堪ったものではなかっただろう。学者的な俯瞰した視点で人々を観察していたトムも、ドッグヴィルの箱庭の一部として消去されるのがおもしろい。トムの欲望が顕わになるあたりで視点がさらに上空に移動した感じがした。宇宙の真理を説いているような達観者も結局は傲慢な人間なんだよ、そう監督が言っているような気がした。人は罪深い存在なのか。良いことは良い、悪いことは悪い。正しいことを正しいと思うことの傲慢さ。ドッグヴィルの人々に感じた言いようのない不快感、嫌悪感はそのまま人間の倫理観、道徳観への違和感でもある。人の心なんてその立場によって如何様にも変わる。戦争に正義なんてないはずなのに、勝利した者は正義と平和を謳う…子供を殺された親の加害者への恨み…そんなことはいくらでもある。何が正しいのか?そんな問いは愚問なんだろうか。結局、神にすがるしかないのか?だが神は人にとってはあまりに残酷だ。人はみな死ぬしかないからね・・・どうもレビューが長くなる傾向があるね。おもしろいんだけどね。個人的に嫌なストーリーだったな。だから最後はスカッとした。P.S.レビューを書き終え陰鬱な気分で他人のレビューを読んでみて開眼。こんなどうしようもないものを抱えても前向きに生きていく人間、てのもアリなのかなと。 【まこと】さん 7点(2004-09-15 00:30:03) |