33.ニナの、黒鳥に変身していく様は迫力があってやっぱりよかった。そんなもん特殊効果が凄いだけじゃんと言われりゃその通りだけど、美しさと禍々しさの混ざり合いが絶妙だった。あえて言うなら予告で出さないでよこのシーンってとこかしらん。映画館で初めてみたときは底なしの闇に感じたようなものが、家で見直すと別にそんなに深くないな、底浅かったな、意外と。ただ、自分の感情の内へ内へと自らを追い込んで行ってしまうニナに、その不健康さも含めて共感してしまうところもあった。”深淵なもの”を期待しすぎると肩すかしを喰らうだろうけど、決して不出来な映画ではない。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-09-12 10:32:44) |
32.主人公ニナは「白鳥の湖」でいうところの白鳥で、その純粋無垢な彼女が快楽やイケナイ遊びや母との確執などで形成される黒鳥に飲み込まれんとする、そのせめぎ合いのお話なのだが、率直に言ってしまえば至極個人的な内容で実に薄っぺらい話である。度々登場する、観る者の「痛覚」を刺激する様なシーンも、よく言えば効果的ではあるが悪く言えばB級ホラー映画が多用する古典的な手法でしかない。それでも尚、この作品は観客を終始飽きさせない魔力的な力を放っていると思う。それは勿論、ナタリー・ポートマンの熱演も多いにあるわけだが、やはり監督の才量によるところで、特に感心するのは「鏡」の使い方である。この作品、主人公ニナに負けないぐらい、鏡がやたらと登場するのだ。普通に撮影すればキャメラが映り込むシーンでも、そのキャメラを消してまで「鏡」でニナを映し出す。背中の異物や「もう一人の自分」など、化粧鏡や合わせ鏡で見せてくる。本当の敵は自分自身であるというのは、頂点を極める者の異口同音だが、その意図や狙いを鏡によって表現しているわけだ。ラストで、リリーを押し倒して殺そうとするシーンで、リリーを鏡にぶつけて鏡が割れるシーンも、自分自身を映し出しているという暗喩なわけだ。ストーリーは淡白でも、なにかの小道具で登場人物の内面を現そうとする映画的表現は、一人の映画通としてついつい感心してしまうのである。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-09-08 23:07:48) |
31.つ ま ら な さ す ぎ 話題性だけの糞映画 |
30.思いのほか薄っぺらい話でがっかり。それにしてももう少しバレエを見せられないものか。 【akila】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-09-05 01:26:34) |
29.正直、現実と妄想の区別がはっきりつかなかったので、妄想を現実と勘違いして観ていて、観終わった後に、あれは妄想だったのかと気づきました。それでもラストへかけてのスケールは、圧倒的でした。あとナタリー・ポートマンの女優魂を凄く感じました。 【Yoshi】さん [映画館(字幕)] 5点(2011-07-22 02:19:41) |
28.ホラー的表現とスポ根ものをかけ合わせるというのは面白い試みだったけど、肝心のホラー表現が、「ドキッ」とか「メリッ」とかすごく即物的というか表層的というか、見てて生理的嫌悪感はあるけど心理的には全然迫って来なくてゾクゾクしないのですよ。 なんだか残念ですね~。 【とと】さん [映画館(吹替)] 6点(2011-07-04 20:55:30) |
27.基本「ショーガール」みたいなバカ映画なのに全体に暗すぎじゃなかろうか。終始陰々滅々としていてどこにもカタルシスがない。ヒッチコックみたいに最後の舞台のシーンくらいはぱぁ~っと華やかだったらいいのに。華も迫力もアイデアもない舞台シーンからは「これじゃあもともとそんなに騒ぐほどの公演じゃないんでないの?」という残念感が。淫乱なブラックスワンを演じきれるかどうかというヤマもメークと効果音と表情の違いだけで、踊りの本質的な違いは感じられなかった。あんな一夜干しみたいな女はどう頑張ってもエロくなりようがないか。絶対的に盛り上がるはずの楽曲の使い方もあまりに断片的で中途半端。隔靴掻痒感ばかりが残った。 【皮マン】さん [映画館(字幕)] 4点(2011-06-28 09:24:32) |
26.《ネタバレ》 私は映画が好きだ。そこで自分でもシナリオを書いておこうとした事があった。内容は頭にあった。しかし、文才の問題もあったが、書けなかった。最大の理由は悪人の気持ちになってストーリーを書くのがどうしても嫌だったのだ。その時気が付いた。スティーブンキングがなぜあれほどおぞましいストーリーを書けるのに、美しい話も書けるのか。また、作家の人は自殺している人が多いのも納得した。芥川龍之介など日本人でも多い。あ、そうか。実はスターウォーズのダースベーダは作者自身であり、ハリーポッターのあの名前を言ってはいけない人は作者自身だということを。芸術家は、善と悪の対比を描く事が多い。つまり、悪と向かい合う時間が彼女のように苦しめるのだ。因果な商売だ。私には絶対に出来ない。ちなみに、完全な悪人にもできなし、完全な善人にも出来ない。もちろんキリスト様などの人たちにも出来ない。そんな事を考えながら見た映画だった。 【matan】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-06-27 08:48:52) |
25.《ネタバレ》 『レスラー』をココロの一本としていた身としては、期待を胸に劇場へ。「レスラーと同じ話」みたいって聞いてたものの、途中までは?でしたーが!!!ラストに近づき、お腹から血が出てきた箇所から一気にレスラー化!!!なるも。カタルシスはあまり沸き起こらない。多分何が現実に起こっているのか混乱し続けたから、かなー。現実と妄想が入り乱れるのが本作の特徴だと思うのですが一回見ただけでは低能のボクには理解し辛かったみたいです。もう一度みたい。あと!!!ニナがクンニされてる時、鳥肌になってるのは苦笑しましたネー。 【reitengo】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-06-21 22:54:28) |
24.《ネタバレ》 母親と共にひた向きにバレーに取り組んできた主人公の純真さが、追い詰められることによって革命的に開花する時点を表現したいのでしょう。 しかし同時にドッペルゲンガーにも悩まされるほど深いところまで墜ちてしまう。 母親が「あなたは病気なのよ」と叫ぶシーンは印象的でした。 舞台芸術、総合芸術として圧倒的な力で迫ってくる作品として、芸術性は高いと思いますが、エロやドラッグの描写はそれらの高得点圏のレベルを一段落としてしまったのではないでしょうか。芸術の世界と並べて表現しなくても他に手法は無かったのかな。 母親に向かって「私は主役を取ったけど、ママは群舞の一人にしか過ぎなかった」と罵りますが、本番で感無量になる母親を見ると、母もまた無償の愛、盲目の愛を娘に捧げていたんだと思いました。二人とも、これで完成を向かえたんでしょうね。 ナタリー・ポートマンの可能性はまだまだこんなもんではない、という印象が強く残ったし、彼女の代表作に仕上がりましたね。 【白狼】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-06-20 19:28:00) |
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23.《ネタバレ》 あたしはバレエについては全く分からないので、そちらの技術については他の方のレビューを見て頂くとして、凄いなと思ったのは、ナタリー・ポートマン演ずるバレリーナの精神の崩壊していく過程で、自らが「白鳥の湖」のソロの演技を身につけていく様じゃないかな、と思う。現実と虚構が入り乱れて、何がなんだか分からない状況で話が進んでいくが、その中で、表情が変化していく様というのは圧巻でした。ラストの白鳥の湖を演じる姿というのはそうした変化の集大成であり、自身が役を奪われるのではないかという脅えがバレエの前段、役を全て演じるという欲望の為に変化した姿が中盤の黒鳥、欲望を満たす事にやってしまった結果が幻想であった事に安堵して演じるのがラストという、ある意味、白鳥の湖の全てを演じきる事ができた事に酔いしれる彼女の最後の台詞こそが、そっくり演者であるナタリー・ポートマンに返ってくるという感じがあったのが良かったと思います。作りとしてかなり古典的なギミックやサブリミナル効果やCGを使うというのも気持ち悪くて面白かったですね。 【奥州亭三景】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-06-15 17:46:30) |
22.★遅ればせながら観てきました。 ★自分の関心はチャイコフスキーの音楽がどれだけ使われるのか・・・いやそもそもバレエシーン以外ほとんど映画オリジナル曲なんて興ざめなことになってるのではって・・・ ★ってのはチャイコの音楽って一般的に大仰なイメージがあって、いかに昨今の映画音楽にオケ曲大流行りの今であれ、こんな現代的な、サイコホラーっぽい映画にロマン派メロメロの白鳥湖がBGMとして合うのかしらんと思ったから。 ★しかし実際はほとんど白鳥湖のそのまま、またはアレンジしたもので、組曲でよく流れる「情景」や「4羽の白鳥」も流れたが、いちばんうれしく、また驚いたのはイントロの曲がそのまま映画のイントロに使われたこと。あのバレエのイントロがこんなにそのまま映像とぴったりくるとは。映画のこれからの内容を暗示するような、不安を煽るような、まるで映画のために作曲されたようなハマり方に感心しました。あとラストの音楽もほぼそのまま使ってたしね。劇中のバレエは「新演出」なようですが、構成自体はプティパ=イワノフ版を踏襲してるんですね。 ★ストーリー自体は良くあるドロドロ芸術家でホラーっぽい演出がされたのが新鮮ですが、それにしても要は「もともと気の小さい奴は、もう精神病んで自傷するくらいの覚悟がなきゃトップにゃなれないよ」ってことなんでしょうかね・・・私はあきらめてますが(笑) 【wagasi】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-06-15 00:10:42) |
21.《ネタバレ》 ●いささか少女漫画っぽいバレリーナ物語なのだけれども、とにかく過剰サーヴィスというか、たたみかけるような演出で、観ていてもドーパミンだかアドレナリンだかが脳内噴出するようであった。終わってみると「あれ?」というところもあるのだけれども、とにかく観ているときには夢中にさせられたのである。 ●しかしこれはどう観てもポランスキーの世界で、ヴィジュアル的にも「ローズマリーの赤ちゃん」から多くを負っている感じだし、コンセプトの「妄想」は、やはりポランスキーの「反撥」に通じるところが大きいと思う。 ●主人公のニナ(ナタリー・ポートマン)の母親(バーバラ・ハーシー)のメイクなど、どうみても「ローズマリーの赤ちゃん」のうさんくさい隣人のおばさん(ルース・ゴードン)にそっくりであるし、そのニナが鏡に自分の背なかの傷を映してみるシーンなど、そのまま「ローズマリーの赤ちゃん」にあったショットの再現であったりする。 ●ついに「白鳥の湖」舞台初日を迎える前夜から、初日舞台終了まで(つまり、映画の終わりまで)のハイテンションぶりは異様なほどで、もうほとんどこれは笑ってしまう次元である。バレエのシーンはできるだけナタリー・ポートマンの全身を映さないように(つまりはやはり、それはムリだよということだろう)、たいていは上半身だけのショットで、そういう制約もあってのことか、全体に映像の美しさを堪能するような種類の作品ではない。それでも、「ブラック・スワン」を踊るニナの舞台シーン、「これはすごいんだ」ということを納得させるためというか、CGが最大限に活用されるわけだけれども、これは素材がダンスだとかバレエだからこそ、という特殊効果シーンなんだけれども、作品全体が「妄想」という非現実のフィルターがかけられているなかで、もうひとつ、観客の「妄想」をも巻き込んだようなこころにくい演出で、ここで映画としてのクオリティがいちだん上昇したような感覚である。 【keiji】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-06-12 18:54:36) |
20.《ネタバレ》 久々に鑑賞後どっと疲れた映画だった。夏によくある幽霊特番の再現VTRのような驚かし方はあまり好きじゃない(この作品が再現VTRレベルという意味ではなく、驚かし方の方法として)。それも一定のリズムをかなり正確に刻みながら連発されるので、後半になるにつれビビリポイントが予見できて来てしまいかなり参ってしまった。もう少し緩急の緩があると良かったのだけど・・・。ただ俳優陣の演技はどれも素晴らしく、バレエの美しさに、また白鳥の湖に興味を持つ事ができたという点で、この映画に出会えてよかったと思う。 【njld】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-06-09 02:31:17) |
19.《ネタバレ》 ラストに至るまでの経緯や、それぞれのシーン等、どこも悪くないけれど 妄想、幻覚系のストーリーだとわかると一気にガッカリ。 妄想、幻覚系の映画が面白いと思えたことが無いので この手の話は自分には合わないのだろう。 痛い!グロい!エロい!とせっかく思わされても 実は頭の中での出来事。それじゃちょっとね。 意地悪なライバル達が嫉妬で陰湿に邪魔しまくってくるような 女達のドロドロ話にしたほうが現実的でずっと面白くなりそうだよなぁ。 【虎王】さん [映画館(字幕)] 5点(2011-06-04 16:56:32) |
18.《ネタバレ》 前半は話がすすまなすぎて、眠くなってしまった。 後半は、凄い。なんかいきなりこえー!!音楽フルボリューム!効果音もズドーン!狂った妄想の嵐!!息つく暇もないままフィニッシュ!!! ぽかーん・・・そもそも、妄想暴走系あんま好きじゃないんだよな。 ってことに気づいた。 最初っから最後までナタリーちゃんは張り詰めていて、気負いまくりのどシリアス。もっと肩の力抜けよ、って言いたくなるけど、安らげる場所がないってのは辛いですな。友達も恋人もいないんだもんな。オナニーしたり、ドラッグやったりするしかないわな。 気が狂うほど恐ろしいなら、辞めたらいいのに。 君、プリマ向いてないんじゃないの?って思った。もっと楽しく生きれる道があったろうに。 最終的に、音楽とか演出とかですげえ盛り上がってるのは分かるんだけど、 その踊りそんなに凄いの?っていうのが、よく分からず。確かに、キマってはいるんだけど。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-06-04 11:18:03) |
17.話にあまり内容がなかったのでそこだけがマイナスです。ただ、音楽や映像、見せ方など全体的にすごくうまい映画でした。見ごたえは抜群です。 【アフロ】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-06-02 03:20:08) |
16.《ネタバレ》 ストーリーはありがちです。元バレリーナの母親の歪んだ庇護の元に育てられた主人公が、プリマを獲得するため、獲得したプリマの座を維持するため、そしてプリマを演出通りに演ずるために精神的に不安定になるお話でした。個性的な脇役を変数にしているが、略するとプレッシャーから来るノイローゼです。その不安定を美しく演じるナタリー・ポートマンを観ることが本作の鑑賞意義だと思います。妖艶さが必要とされる黒鳥の踊り。ナタリーがその「妖艶」を演じられたかというと、私は疑問符が付きました。まぁ、個人の趣味の話かもしれませんが最後まで色気を感じなかった。ミラ・クニスの方がよほど色っぽかったです。その代わり、ナタリーは妖艶を飛び越えてオカルトの世界まで行ってしまいました。鬼気迫る迫力はあったし、官能的でもあった。それで獲得したオスカーにケチを付けるつもりは毛頭ありません。でも、しつこいけど、あのオカルト・ナタリーにもっと分りやすい色気があったらと残念がっている私は少数派? 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-05-30 22:40:59) |
15.見応えのあるホラー映画でした。ただ、何を主張したいのかがわかりません。セクシャルな表現が多いのは、バレエの世界が特別なものでなく、身近な存在であると言いたかったのでしょうか。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-05-27 23:09:12) |
14.《ネタバレ》 現実と妄想の境界がないのが、正直後半になるに連れ鑑賞上きつくなっていく。一人の人間の苦悩のみで108分というのにそもそも無理がある。これを過剰な演出で盛り付けたら、ただただ疲れる映画ができました、という感じ。これは成長の話ではない。 自分の夢を娘に託す母、奔放なライバル、ステレオタイプな登場人物との人間関係によるあまりにステレオタイプな悩み。 映画界でナタリー・ポートマンは同じような経験を積んできたのだろうと思えば、見所が主演の演技だけになるのは当然か 【楊秀清】さん [映画館(字幕)] 4点(2011-05-27 00:53:49) |