8.《ネタバレ》 主人公がつぎつぎと登場人物を利用しては捨てるひどい奴なのでなんともストレスがたまる映画。でもけっこう深い。
終盤で、友人エドゥアルドを罠にかけ、彼の株の配当のみを希薄化するが、それはシェーンがけしかけたことでマークは「やりすぎだ」と言う。
「僕は嫌な奴じゃない」と言うマークに、女性弁護士は「あなたは嫌な人間じゃないように振舞っているだけ」と答える。
この2つのシーンはすごく印象的。
前者のシーンでは「あ、ちょっと人間らしい心は持ってるんだな」と思わせといて、後者ではそれをひっくり返しています。
まあ最低野郎には変わりはないのですが、最後の元彼女のエリカにメールを送ろうとするシーンではしんみり。中盤で2人で話を出来なかったシーンがあるので、メッセージなら読んでくれると思ったのでしょう。
しかし、ウィンクルボス兄弟からのメールも無視し続けた彼なので、やっぱ自分のことしか考えてないな、とも思ってしまいました。
フィンチャー監督ならではの心理描写が印象に残る秀作でした。