33.《ネタバレ》 かくも男はケダモノで、かくも女はイヤラシイ生き物だろうか...。
人の暗部を描こうとしているとは言え、それにしても、救えない人、集団。
人の行う「罪」を「弱さ」と呼ぶのは、ただの「すり替え」「ごまかし」。
弱かろうと強かろうと、「罪」は「罪」。「境遇」で許される「罪」なんて無い。
「罪」には「自覚」が必要だし、「謝罪」も「償い」も「適切な処罰」も必要。
しかし、それらを全て省力して、最後には「皆殺し」。なんじゃ、そりゃ。
「女を救えない男(理屈)」「嫉妬から、判断を誤った破壊(人形壊し)」
「立場に付け込む性欲や支配欲(奴隷扱い)」「罪を認めない集団心理」
「甘えから大人を騙す子ども」。これでもか...と言う程、わかりやすく描かれてゆく。
そして、ラスト。「虐げられた物に権力(暴力)を与えると、その反動ゆえ間違える」。
怒りの反動で、「皆殺し」と判断する短絡さ。怖さ。まさに、アメリカ。
ラストにいたっては、ギャング(社会的には非常識の集団)のボスの言葉だけが、
かえって常識的に聞こえてしまう皮肉。「罰を与えないと学ばない」
「学ばなければ犬以下」、「権力も、使い方しだい」。
再び観る事は無さそうだが、「パパと娘の会話」は、もう1度、見て考えたい。
余談。良くある名前だから、関係ないかも知れないけど、「グッバイ・トム」と呟いて射殺。それって、すごい。離婚したばかりだよ。
白線引いただけの特殊な映像は、10分もしないうちに気にならなくなった。