《改行表示》46.《ネタバレ》 いやー危うくこのすばらしい映画を見逃すところだった。こりゃ今年のベストワン候補だな。映画館でひさしぶりに嗚咽を聞いた。すげー映画。 実の子が神隠しにあい、しかも警察から赤の他人を子供だといって無理矢理押しつけられるという、アメリカ版おしん(おばん)の如く苛められる主人公役を、てっきり色物な人だとばかり思っていたアンジェリーナ・ジョリーが思いきり好演技。見つかったの報せに泣きじゃくるシーンは大竹しのぶかと思ったが、職場では凛とし、裁判所ではか弱く、めりはりがとてもよい。そんなジョリーを苛める警部役もこちらが本当に殺意を覚えるほどの名演で、おかげで後半いかにもアメリカらしいやり方で一気に汚名を払拭していくシーンでは、すさまじいほどのカタルシスを満喫できる。事実にしたがったとはいえ、ありきたりのハッピーエンドじゃないところもいいし。 んで、5年後に見つかった子供が、なぜ今になって名乗り出てきたのか、その理由がまた泣かせる。「母と子の絆」なんぞというテーマをここまで堂々と貫き通せる監督が現在他にいるだろうか。まさかここまで巨匠になっちまうとはなあ。 本当にいいので、未見の方はまだ映画館でやってるうちにぜひ駆けつけをば。某黄色いバッジの映画なんて全然見なくていいから。 【アンギラス】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-03-30 01:37:32) (良:2票) |
45.《ネタバレ》 前半は、厳しい視点の中にも地に足の着いた安定感のある描写が良い。特に、母親がスーパーウーマンでも何でもなく、ただ泣くだけ、立ちつくすだけ、または弱々しく抗議するだけというのが、逆にその中にある我が子への信念と愛情を、リアリティをもって裏打ちしている。●後半は、公聴会やら死刑執行やらと幅が拡がりすぎなんじゃないかなあ・・・と前は思っていたのですが、再見して気にならなくなりました。おそらくイーストウッドは、そこにあったもの、コリンズ夫人が体験したものはきちんと盛り込もうとしたんだろうけど、彼の場合、「これも入れようかな」とふと思っただけで、あっという間にまとめて入れ込んでしまえるんですよね。●それと、ぞくっとしたのは、偽ウォルターと実母の対面シーン、実母は物腰丁寧だし、再会を喜んでもいるんだけど、偽ウォルターが何か重大なことを言おうとすると、それに耳を貸さずに、ささっと汽車に押し込んでしまうのです。この一瞬が表す描写の重さ、奥の深さ!●カメラワーク、照明、音楽は相変わらず文句なし。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-23 04:25:36) (良:1票) |
《改行表示》44.見てる最中、警察やら医者やら犯人の哀れな泣き言やらに本当に何回も何回も何回も腹が立ちました。観賞後の後味もお世辞にも良いとは言えず悲しく切ない。「勧善懲悪」などとはおおよそ対極に位置するどんよりとした暗い映画。さらにそれに輪をかけるように冷酷かつ淡々とした描写が142分続きます。 しかしながら142分の内の1カットたりとも無駄だと感じた描写はありませんでした。 画の一つ一つ、端々から「力」が伝わってくる恐ろしく完成度の高い傑作です。 【bolody】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-20 00:30:45) (良:1票) |
43.《ネタバレ》 アンジェリーナの熱演がすごかった。子供が見つかったと刑事が知らせに来た時のあの希望と絶望の真ん中、みたいな演技に関心しました。この事件は警察のダメさが目立って注目されたけど、この映画の中ではちゃんと子供たちの死に注目してあげてたところにまたプラスポイント。ただ、犯人がどんなに残忍で悪魔的であろうとも、その公開死刑を見に行く心境は理解できませんでした。中世のヨーロッパで公開処刑が娯楽になっていたのは生活習慣だとかが違いすぎるからなのかなってなんとなく許せるけど、あんなに今の生活環境と似た時代に生きているアンジェリーナ演じる主役がそれを見に行くのには抵抗がありました。悪趣味です。それと、母の強さというのはわかったけど、もう少し子供を取り戻すためにスマートに動けたんじゃないかと思います。あんな風に精神病院の中で医者に悪態を吐くことが子供の奪還にはつながらないんじゃないかと。そんな感じでだんだんとアンジェリーナに同調することが難しくはなっていったけど、それでも彼女の演じる「母性」には感動しました。私もあれぐらい自分の子を愛せる親になりたい。 【メリーさん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-03-19 20:23:55) |
42.《ネタバレ》 希望を臭わせながらも、「息子を生涯探し続けた」というラスト一文の衝撃! 主人公のその後を考えると、感情移入した分だけ何ともやりきれない…。 【チャップリ君】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-03-19 14:57:40) |
《改行表示》41.《ネタバレ》 観終わった後、なんともいえないくらい気持ちになる。 しかし、だからといってこの映画が悪かったのかといえばそうではない。 2時間半の長時間の映画だったがぐいぐい引き込まれる。 そして最後の3人の逃亡した子どもの1人が母親と対面する時僕は思わず涙がでた。 刑事が「なぜ、いまごろ出てきたの」という質問にその子どもが一言「家に帰りたかったから、パパ、ママに会いたかった」という場面は涙なしには見られなかった。 実際には生還した子どもは1人もいないらしい。生き残った子どもが出てきたという話は都市伝説みたいになっているという。 なぜなら殺人を手伝わされたあの子どもが逃げた子ども達を見つけて殺したかどうか知っているだろうから。 結局は殺されたということだろう。 しかし、DNA鑑定もなかったあの頃、100%殺されたということはわからないというところで母親に希望を持たせているのだろう。 これがアカデミー作品賞になっても良かったと僕は思う。 久しぶりに見ごたえのある映画に出会えてよかった。 【キャメル】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-18 10:35:03) |
40.《ネタバレ》 実話であると断られなければ、あまりにも常識外れの展開に現実味が失われそうなほど。母が気の毒でならなかった。実子の行方が気にかかるが、おそらくシリアルキラーの手にかかって殺されたのだろう。死刑囚が呼び出したのはおそらくそれを白状するためだったのだろうが、気の毒で話せなかったということなのだろう。 【小鮒】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-16 21:33:23) |
39.《ネタバレ》 事実に基づいたドラマだが、信じられないようなストーリーだ。最後にはアンジェリーナ・ジョリーの笑顔がみられると思っていました。 【くだごんべ】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-16 10:59:00) |
38.《ネタバレ》 いつの時代もどこでも警察は最低なやつがいますね。 【アスモデウス】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-16 00:23:03) |
37.あっさり味の映画でした。テンポ良く話が進む反面、次から次へと新たな事実が出てくるので、物語に重みがないと感じてしまいました。しかしながら、2時間半弱を疲れずに見ていられたのは、やっぱりテンポが良かったお陰だと思いますし…。どっちがいいんでしょうか。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-03-14 00:17:15) |
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36.《ネタバレ》 一般論として人の命は平等です。でも主観においては違う。見ず知らずの他人より友人の命の方が重い。あるいは親類縁者の方が。より家族の命の方が大事。そして何より自分の命が一番。自分は30年あまりこの価値観で生きてきました。でも今は違います。自分の命より大切な命が存在します。その命がもし奪われたら、自分はどうしたらいいのか。想像がつきません。いや想像したくないというのが本音。母が問い掛ける「私の息子を殺したの?」はこの世で最も口に出したくない言葉です。ただ、現実に悲劇は存在する。これまでも、これからも。事故で、病気で、犯罪で、小さな命が失われる。その時、残された家族はどうしたらいいのか。加害者と被害者の対面。男は母親に真実を伝える事が出来る唯一の人間でした。彼の言葉で、母親は地獄の底に突き落とされるはずだった。しかし区切りをつけることで、救われたとも思う。でも男は真実を語ることを拒んだ。彼女を傷つけるのが怖かったからじゃない。自分の罪を再認識するのが怖かったから。この後に及んで神に赦されて死のうなんて虫がいい。男は最期にコリンズ婦人を生殺しにした。ラストシーケンス。主人公の目には確かな希望の光がありました。僅かでも息子が生きている可能性があるなら、その希望を糧に生きていけるのが親というもの。母親はかくも強い。でもその強さを新たな人生へ踏み出す力へ変えて欲しかったとも思います。彼女の境遇は身につまされる。明日の自分で無いと言い切れない。だから強くあって欲しいと願います。子を想う親の強さ。現実と向き合う強さ。強さとは一体何なのか考えさせられました。希望が在るが故に前に踏み出せないことが、本当の地獄かもしれません。 【目隠シスト】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-03-13 20:08:08) (良:2票) |
35.《ネタバレ》 イーストウッドは「神への憤り」を常に映画にぶつけてきた。『ミスティック・リバー』はその集大成と言っていい。『ミリオンダラー・ベイビー』ではイーストウッドのもうひとつの印である「打ちののめされるイーストウッド」が究極的に描かれもした。その次の戦争映画では神の代わりに存在したヒーローまでも消し去った。『ミスティック・リバー』以降は一作一作が集大成と言ってもいい。そのうえでまだこんなものを出してくるか!人間を打ちのめす究極の暴力が「硫黄島二部作」で描かれたはずなのに、まだあった。究極が。子供を奪われる母。命を奪われるよりもきつい。そして権力という名の暴力。主人公は何もできない。権力に立ち向かうこともない。ひたすら電話で問い合わせるのみ。結果的に主人公を窮地から救うのは「神」の象徴である神父である。しかしここにきてイーストウッドが心変わりしたわけじゃないことは一目瞭然。神父は彼女を救ったのではなく彼女を利用したに過ぎない。彼女を救ったのは彼女の信念。ラストで事件にある展開があり、彼女はそこで「これで希望が持てる」と言う。この言葉に恐れ入った。今まで「希望」なしでひたすら息子を待ち続けていたのか!イーストウッドの映画の中で最も強い人間が描かれたのかもしれない。『ミリオンダラー・ベイビー』でボロボロに打ちのめされ消えていったイーストウッドがここでまた新たな答えをもって帰ってきた。本当の強さというのは戦って勝つことじゃない。信じることをやめないこと。愛することをやめないこと。そしてその本当の強さを人間は持っているのだと。もうイーストウッドは敵無しだ。早く次が見たい!!! 【R&A】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-13 18:20:52) (良:3票) |
34.見終わった後爽快な気分になるわけでもないし面白いってわけでもないのに、やはり映画はこうでなくてはと思わせられてしまうような作品。なぜだろうとあれやこれや考えてみたけど根本的に手抜き無しで真剣に作られてるのが伝わってくるからなのかな。 【ぷうボス】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-12 22:07:47) |
33.最後の終わり方が良かった、あれが無ければ後味が悪かったです。希望を貰いました。 【映画】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-03-12 19:44:25) |
32.《ネタバレ》 始めは泣いてばかりいた、そして公権力である警察に「息子さんですよ」と言われて否定できずに写真に写ってしまったシングルマザーが、真実が明らかになるにつれ、戦う相手が明らかになるに従って、芯の強い女性へと成長して行く。その困難さに時に息が詰まりそうになるが、最後の彼女の笑顔には本当に勇気づけられる。良い映画であった。 【豆治】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-11 01:31:44) (良:1票) |
31.《ネタバレ》 終盤で他家の息子が保護され、窓越しに打ち明け話を聞いたコリンズ夫人は、おそらく我が息子の行為に『人類究極の愛』を感じ取れたのだと思います。「これで私も息子も捨て身で生きられる(生きられた)」との思いが、彼女のいう『希望』なのではないでしょうか。 |
30.《ネタバレ》 よくできてると思うけど、一部綺麗にというか希望を持たせすぎじゃないかと思った。実話をもとにしてるけど、そこは実話とやや違うのではないだろうか。証言とか色々絡ませて希望を持たせて終わる所とか。 【デフォルトモード】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-10 11:43:29) |
《改行表示》29.実話に基づく映画らしい。 変わった演出もなく、一見地味な展開が続く映画だが、中だるみはしなかった 。2時間以上の長丁場だが「実話か?」と思うぐらい小気味良く展開が変わり、グイグイ引き込まれました。 【ぬーとん】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-10 01:48:46) |
28.《ネタバレ》 主人公がサラ・コナーばりに強く・たくましく・正義感の強い女性であることはわかったけど、なんともやるせなく、なんのカタルシスも得られない真実の厳しさについていけない感じがしました。 |
27.《ネタバレ》 ミスティックリバーと同じ、子供に対する犯罪が引き金になって起こる出来事。犯罪が人々の心に残す傷跡について。やはりアメリカではこのような犯罪が多いのだろうか。あるいはイーストウッド監督の心に響くものがあるのだろうか。■昔のアメリカという時代も場所も離れた所の出来事ではなく、今のわれわれの時代に通じる話でもある。日本でも官僚や警察の不正が時々ニュースになる。嘘を強要されて冤罪になってしまう事件は今でもある。■いろいろなことを考えさせる映画。でも、映画としてキチンと作られていて、観客をぐいぐいとひきつける力は相当強い。■いやー、いい映画見ました。 【まめ】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-03-06 21:17:30) |