2.この映画、なぜか「コメディ」のジャンルに入っている。人が理不尽な状況で殺されてゆく。決して笑っていられないのだが、よく考えたら、出来事全体が愚かしい。人間はなんて愚かなんだろうと、滑稽にさえ思えてくる。戦争映画というのは、難しい。どのアングル、どのショットを取っても、これが「全て」、これこそ「リアル」では決してないから。この映画が忘れ難いのは、トレンチの中の二人の、まったくの個人の目線で戦争というものを追体験するから。そして、最後の最後は、あの光景は、強烈に目の奥に焼きついてしまった。あの○○は、永遠にあのトレンチに横たわっているのだろうか、と。泣くしか選択肢がない映画とは一味、路線の違う反戦映画。