25.なにが傲慢でなにが傲慢でないか。興味のない輩には果てしなくどうでもいいことを、3時間かけて、キッドマンさん主演でやってのけるという、まさに芸術家のみに与えられた特権。同時に、生きていく上でなんの役にも立たないことを大真面目に訴える、これぞ映画の醍醐味ともいえる。 【ドレミダーン】さん 8点(2004-07-11 16:02:54) |
24.やはりトリアーのモノは面白いと感じた、言い切れるほどこの監督のモノは観てないけど。 確かに残酷で眼を背けたくなるような世界が繰り広げられ、その世界に耐えられることはできないかもしれないけど、他では観ることが出来ない世界が展開され、人間の深いテーマを扱っているだけに一見の価値はあるんではと思います。 「やつの映画はこりごりなんだよ」と思っている人やどうしようか迷っている人にも観てほしいけど。 ただメチャクチャ長いんだよね、観ていて苦痛の世界だからなおさら長く感じかもしれない。 欠点は長いことの他に、カメラは相変わらずで、ラストが多少唐突なような気がしないわけでもない、後は二コールの演技、心身ともにボロボロというようには見えないし、ラストに苦悩・葛藤があまり感じられない気がした。 閉鎖的な世界で人を受け入れることの難しさ、グループ内にいる社会的弱者に対する人間の振る舞い、人間の本能と欲望の限りなさ、自己保身といったように人間の性質として避けられない弱さは相変わらず胸に刺さる。 罪と罰、責任と結果というか、人間の行為には責任が付きまとうんだなあというダンサーインザダークにも通じる因果応報的なものも感じた。これらをテーマにして、真の意味での「傲慢さ」とは何かを実例を踏まえてトリアーは説明したくれたと言えようか。でもエンディングの音楽は何故か心地良かった。 |
23.長いですよね。無駄なシーンはないけど、はやくラストとがこないかなってみながら思ってました。でもこの監督はやっぱり天才です。予算はかかってなくてもここまで見せてくれる映画を作るんだから。お金のない学生でも作れるような気がするけど、才能がなければただの学園祭用前衛映画に過ぎなかったはず。村人やトム、グレース、ギャングのボス、まさに世界の構造をそのままこの箱庭に置き換えて映画にしちゃいましたね。それにしても集団の人間というのはなんて醜く弱く汚い生き物なんだろう。そういった現実を暴露して審判を下してしまった映画。 |
22.《ネタバレ》 ニコール・キッドマンを虐めぬいて虐めぬいて、とにかく虐めぬく。ただそれだけの映画だと思えば、これほどぐっとくるSM映画もない。だからラストシーンは半端な印象。 |
21.舞台みたいなセッティングは面白いとは思いましたけど、気分悪過ぎです。 【かずのすけ】さん 0点(2004-06-08 20:40:20) |
20.三時間の割りに短く感じた。途中まで、なんか目がしょぼしょぼして見にくかったのは、みんなの言うところの手ぶれカメラのせいだったのねー。後半には慣れてたけど。二コールが出てなかったら見逃していたかもしれないけど、あの噂のセットはやっぱり見てよかった。このセットじゃなかったら、また違った印象の映画になるのかな?多分、余計に人の心の醜さを浮き彫りに感じさせていたのだろう。最後に行くまでは非常に不快な感じだったけど、最後にスカッとしてしまった自分もまた醜いのか?映画と題名含めた全部に対して、犬を見た時に、思わずうーんと唸ってしまった。 【かりぶ】さん 9点(2004-05-21 14:47:53) |
19.「映画館を出た後の空の青さが眩しかった」という定型レビューがもっとも良く似合う映画。舞台セットがああなったのは、ハリウッドなどの巨額つぎ込み映画へのアンチテーゼであるとか、実験的手法の映画と言われているが、そんなことはなく、むしろこのような映画が少ないことが残念である。この方法でP.P.アンダーソン監督の『マグノリア』をリメイクして欲しい。もしくは二コールの『めぐり合う時間たち』をこのセットでリメイクしたら、さらに刺激的な映画になるはずである。こういう場合、監督は演劇関係の演出家が良いと思う。そう、演劇は面白いよ。 |
18.《ネタバレ》 トリアー監督の作品は、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」しか観ていませんが、この映画もまた、人間の弱さ、愚かさ、醜さを観るものに突きつける作品。小劇場の演劇のようなミニマルなセット、ミニマルな音楽は、作品の象徴性を高めるとともに、豪華なセットやCG、エモーショナルな音楽の洪水の中で忘れられがちな映画の本質を取り戻すためにとても有効だったと思う。テンポよく進んでゆくストーリーとあわせて、3時間弱がまったく長く感じられなかった。セルマがすべての弱さをひきうけた前作に比べると、ブレヒトの演劇の中の歌を下敷きにしたという今回のラストは、感情移入しやすかったが、それに感情移入して喜んでしまう自分が怖い、という意味では、前作よりさらに救いが無い。しかし、こういう映画が、アメリカの俳優も含めて協力しあって作られた、ということは、人間はやはり素晴らしい、と思わせてくれる。ニコール・キッドマンはもの凄く美しくて格好よく、エンディングのヤング・アメリカンもぴったり。良い悪いは別として、スタッフの豪華さも含めて、より「巨匠的」になっている感じがしました。しかし、どうして私はこういう映画が好きなんだろう・・・ 【xr4000】さん 9点(2004-04-26 22:20:01) |
17.《ネタバレ》 『ロード・オブ・リング』と続けざまに観てしまった。この落差!この感動!あまりにも穏やかな滑り出しに、不覚にも10分程うたた寝していたが、この摩訶不思議なセットで徐々に景色が見えてくる。そして村全体が静かに、深くグレースに牙を向いてくる描写がとにかく素晴らしい。特に発端となった子供へのお仕置きなどは他の性的描写よりはるかにエロチックで引き込まれる。 そして「まさか最期に殺らないだろうな」と思わせつつ、期待?通りに皆殺ししてしまう潔さ。 庶民が一団となって立場の弱くなった者に向かった時程、残酷なものはないというのは世界中の内乱地域が証明しているが、そんな小さな争いごとは、時の権力者(更なる巨悪)によって簡単に消し飛ばされるのですね。 ボウイ久しぶりに聴いたな、まさしくヤング・アメリカン。 【つむじ風】さん 9点(2004-04-21 02:25:33) |
16.映像の手ぶれが激しくとても目が疲れた。でも、効果音もすばらしかったし。あの斬新な視覚的効果??が、とてもこの映画の餌(画)を引き立てていた。内容については。与えてくれたが教えてはくれなかった。これ以上これ以下のコメントができない映画です。でも、お勧めはできます。 【NAYU】さん 8点(2004-04-20 22:13:16) |
|
15.終わったあとに何でもいいから綺麗なものを見たくなりました。 【ぷー太。】さん 0点(2004-04-18 18:59:27) |
14.《ネタバレ》 ドラマの部分は面白かったんだけど、やはりあのセットの中での映像が3時間続くというのは「目の楽しみ」という点でツラかったなぁ。確かにあの画だからこその映画であるのはわかるが、もう少しなんとかしてほしかったような。 【馬飼庄蔵】さん 7点(2004-04-13 15:30:16) |
13.こんな従順な役がニコールなんておかしいぞ、監督!と思いながら見ていると、最後には納得。ニコールが普通のいい人であるはずがない(笑)。彼女のどこかに毒気が潜んでいることを見抜いている監督は流石です。「奇跡の海」も「ダンサー・インザ・ダーク」も、「『あなたのためよ』と言いながら実はそう言っている自分自身が一番可愛いと思ってんだろう、それって実は傲慢だよな、見返りを期待しない無償の愛ってのは『死』しかないんだよ!」って監督に言われているような気がしてかなり痛かった。でも、今回は「愛」の中にある人間の「傲慢さ」以上の人間の「恐ろしさ」=「権力」を見せ付けられました。ちょっとだらだらした感じもあるけれど、あのセットの閉塞感、微妙な人間関係の変化に鳥肌。やっぱりこの監督は凄いです。個人的にはニコールよりもクロエ・セヴィニーが印象に残ってます。ニコールが村に来たことで、トムの興味が彼女に移ってしまって、別にトムのことは好きではないのだけれど(どちらかというと嫌い)、ニコールに嫉妬を抱くところが、セリフは少ないながらも、非常に良く出ていました。今回はあの手ぶれカメラがあまり気にならなかったのですが、映画館を出て、家に帰ったらなんだか船酔いをしたような・・・具合が悪い・・・やっぱりかなりブレてたってことですかね(笑)。 【もっちー・Ⅰ】さん 8点(2004-04-09 10:56:29) |
12.《ネタバレ》 ピンポイントで確信をつかれたような衝撃を受けました。最後の父との会話のやりとりに会場から漏れる笑い。気づけば自分も楽しんでいた。心の奥に隠していた部分を引き出されてしまったという怖さを感じました。人の心理や傲慢さが非常にうまく描かれた作品だと思います。 【城太郎】さん 8点(2004-04-06 10:19:58) |
11.《ネタバレ》 「ダンサー…」が生理的に合わなかったからどうかなぁ~と思いながら見たけど、あれよりはおもろい...っつーか後味はあんましよくないんだけど、感情移入はできる。 程度の大小はあれど「こんな男いるいる~」→トム。弁も立つし真心もあるけどイイコちゃんでいたくて一番必要なことをしないタイプ?嫌い嫌~い!!(`ε´) 皆が皆、自分の中にもあるイヤンなところを持ってて、普段はそれを抑制してるっつーのに、弱者に対してはそれを剥き出しにし、なおかつそれを正当だと開き直る恐ろしさ?よく見る見る~!!(`□´)ノ 反抗するより従属することを選び、耐えたり希望を抱えながら飼われていくことに慣れてしまう人間の持つ哀しさ?これは怖~い!! んで、ラストでは「人のありのままを受け入れること」とは「人を許すこと」ではなく、「罰される」権利を与えないのは「傲慢」であるとまで言い切る。怖い怖い(゚-゚)。慈愛と許しをテーマにしてる...と思うんだけど、その手段は真逆とまで言える。う~ん、それでも最後は彼女の選択を「よっしゃ!!」としてしまう自分がいるのよねぇ。ってことは、ソドムとゴモラじゃないけど、神の手による滅びもうけいれろよって匕首突きつけられたようで、これまた怖い。 【ちっちゃいこ】さん 8点(2004-04-04 19:04:40) (良:1票) |
10.長いけどあまり長さは感じない、それよりも画面から伝わる色々な感情が凄い。 【ヒロヒロ】さん 8点(2004-04-04 04:06:47) (良:1票) |
9.最初は慣れないが、途中からグイグイ惹きこまれる。そう、町人が牙を剥いたときから。隔離され、人間関係が濃密な共同体が特異にもつ、おどろおどろしさ。しかし、同情からの人助けも容易に権力関係に変容する醜さは人間一般に共通するものかもしれない。性欲が支配欲と結びついていることも。 【ヒゲ太】さん 9点(2004-04-02 08:36:59) |
8.《ネタバレ》 ラース・フォン・トリアー初体験だった。これは、すごい、濃い濃い。ただ、ナレーションが若干饒舌にすぎ、ぐるぐる動き回るカメラには最後まで違和感残った。このドッグヴィルは学校のクラスに似ているんじゃないだろうか。うわべだけ、気に入られようとして、お互い仲のいいように振る舞う。その関係にわずかな傲慢さ(犬の心というか)が入ると、友達は奴隷と使用人の関係にどんどん傾いていく。一人をのけ者にしてそれを排除しようとする。第9章で「雲がきれ、月の明かりが街を照らす……」のナレーションが入った場面があのセットを必然にする。最後の復讐、グレースは自分の中の犬の心が牙をむいた姿を直視する。「人間は力を持っただけの犬か?」そういう風なことが頭に浮かんだ。 余談。トムとグレースは一度は愛し合ったのだろう。しかしグレースがトムの心の中を見透かしたがために、トムの中の犬の心もまた牙をむいたのだと思う。 【アイカワ】さん 9点(2004-04-01 19:07:51) (良:1票) |
7.作品としての面白さ斬新さにおいては7点くらいだと思うが、トリアー監督作品として見るには3点。間を取って5点。 前作の「ダンサ~」くらい気持ちを落として欲しかった・・・憤りと同時に押し寄せる感動(?)が欲しかった。 今回くらいだと小学生の虐めみたいで(現実の小学校でこんなことあるということではなく)なんとなく、気分的に落ちなかった。だって、エロおやじだって意地悪ばばあだってヒステリック主婦だって妄想エロガキだってみんなその辺にいそうだし。 「人間って残酷ねぇ・・・」と思わせる程度に落とすのなら、いっそのことくそ明るい感動作を作ってもらった方が、潔いと思う。グレースもただのかわいそうな人、ってだけ。 ラストも、そりゃあれぐらいやられたらやり返すだろうな、という程度にしか思えなかった・・・・ ただ最初にも言ったとおり、トリアー監督の作品として期待しなければ面白いと思う。 【横隔膜】さん 5点(2004-03-30 03:49:53) |
6.期待せずに見たら、意外におもしろかった。「ダンサー~」は好きではないが、これは好き。 【kasumi】さん 7点(2004-03-29 14:22:39) (良:1票) |