2.高校の時に、沖縄に行きました。そこで沖縄戦の語り部さんとガイドさんの話を聞きました。沖縄戦の凄惨な部分は家族同士で殺しあったことらしいです。アメリカ軍に捕まったら捕虜にされると吹聴されていたので、自決の道しかなかったのです。しかも海岸線は米兵が取り囲んでいるので森の中で。ナイフや手榴弾もない為、錆びたカミソリで木の枝で石で素手で。こんなもので死ねるわけもなく息絶え絶え殺しあったそう。互いに泣きながら首を絞める。まさに生き地獄。これが沖縄に埋もれかった記憶。語り部さんとガイドの方はこの事実が途切れることを頻りに心配していました。そして泣いていました。僕は広島出身の為小学校の時から戦争教育は盛んに受けている方だとは受けている方ですがやはり衝撃は大きかったです。誇張はあるのかもしれません。一種のパフォーマンスかもしれません。主観的な記憶は非常に怖い。だから語り部さんの話、ガイドさんの話を鵜呑みするつもりは毛頭ありません。でも地に根付く"悲しみ"ではなく"怒り"を感じました。ただ最後のチャンスかもしれない当時の声を聞けたのは非常に幸運だったと思います。
なかなかこういう映画を最高だと評価するのは躊躇いがあります。でも世間一般として熱狂的な人気を呼んでいることは正直怖い現象です。なかなか不安定なこのご時世。戦争については憲法、政治、経済などなど多面的に考えるべきですが、もっとシンプルに倫理的な問題として捉えることは非常に大切だと思います。日本人としての真価が問われている時期だと思います。
ハッキリ言います。殺しをエンターテインメントにする映画は本当に嫌いです。相当な偏見を持っています。この映画は特に酷い。自信を持って0点です。この世から消え去って欲しいレベル。これをエンターテインメントとして許容してしまうなら、映画をこの世から消すべき。