1.どんでん返しがいくらでも設定できる展開に、ミステリー映画としての面白さはまるでない。ミステリー映画ではなく、チームあるいは椎名桔平の復権の物語だとしても、それは台詞だけで延々と綴られるばかり。例えばラスト近くの女性同士の会話など全く必要はないし、伴杏里はタクシーの運転手に自分の心情を吐露する必要も無い。彼女が涙を流す1カットがあれば事足りる上に、その方が洒落てもいるだろう。歌が意味なく流れるのも、今どきアメリカンニューシネマじゃあるまいし、ださいことこの上なし。狭い空間で人物がうろうろするだけの演出も、オーバーな喜劇的演技も、意味のない電車の走行カットも、いったい作者たちは「映画」で何をやりたいのか?60分のテレビドラマでやってくれ。