5.《ネタバレ》 せっかく前作を観たので、ろくでもない続編とは聞いていたが、いったいどういう調理をしたのか気になって、続編を鑑賞することにした。
この続編は一番やってはいけないことをしている。
前作に10の勝ちがあり、続編に10の負けがある。
①前作のドキュメンタリータッチという特異な設定を無視して、単なる一般的なホラーに仕上げてしまったため、続編はまったく毒にも薬にもならない作品になった。
②素人が撮ったような映像にこそ味があったのに、プロ仕様のため“作りモノ”感が溢れている。ここにはもはやリアリティの欠片すら見いだせない。
③前作の“訳の分からなさ”はいい効果を発揮していたが、続編の“訳の分からなさ”は見ていても単に痛々しいだけだ。本物らしさは消え失せてしまい、まがい物として映らない。
④前作のような、追い詰められた様な必死な演技はなくなり、続編はすべて演技にしか思えない。
⑤前作のキャラクターはリアリティを余裕で保持できるものであるが、続編は単なる設定上のキャラクターに過ぎない。保安官のようなキャラクターがさらに痛さを増している。
⑥途中でカットインされる「取調シーン」も何の意味も効果もなさない。
本編があまりにもつまらないので、何らかの工夫を施した結果だと思うが、火に油を注ぐだけだ。
⑦続編に対しては、恐怖感を1㎜も感じられない。前編は恐怖感に溢れている。
続編に対して感じられるのは胡散臭さだけ。
⑧死体を出したり、殺人を描いてはダメだ。直接的な描写を避けることで醸し出される恐怖感を分かっていない。典型的なアメリカ人が製作した映画。
⑨「停止するな、巻き戻せ」はひょっとしてギャグで言っているのか。謎を解決する楽しみを描くわけではなく、自分でなぞなぞを出して、自分で解いているようなものであり、観客不在の仕様だ。
⑩「巻き戻すと文字が浮かび上がる」というアイディアは子どもレベル。前作のようなアイディアとは比較にならない。
本作を「ブレアウィッチ・プロジェクト」の続編ではなく、単なるホラー作品と考えても、レベルは相当低い。
全く恐怖感がなく、恐らく2か3点くらいしか付けられないデキではないか。
“続編”ということを考えれば、0点が妥当だ。
この続編の存在価値をひとつ見出すとすれば、「前編のデキはよかった」と証明してくれることだろう。