1.《ネタバレ》 「哭声」という映画と似た名前だが1時間近く短いので、その点では見るのが楽だ。
残虐場面を見せることに特化した映画のようで、あらかじめその方面に関心のある観客が見て何らかの感慨が得られるかの問題になり、基本は間口の狭い映画ということになる。笑える要素もないので全く洒落にならない。
対象外の立場から突っ込むと、まず感染者から涙が出ていたのは設定上の説明があったらしいが、見ていた限りでは黒目が変になる病気なので涙が出るのかとしか思われず、結果として題名の意味も不明になっていた。また人間誰しも残虐性があるという話で製作姿勢を正当化していたが、見ている側としてはお前らと一緒にするなというのが率直な感想だった。ただ確かに、残虐行為を好んでする人間が同様の扱いを受けて当然と思うのは普通の感覚であり、その点で中年変態男が復活不可能なまでの打撃を受けていたのは痛快だった。ゾンビでないとすれば復活しないのかも知れないが。
ちなみにエンドロールで台北市、新北市などの各部局が多数協力していたが、国家をコケにして悪意だけをまき散らす映画を公的機関が平気で支援するのは鷹揚な国だと感心する。台湾映画ということで一応見たわけだが(「哭声」のついでということもあるが)、国の名前で見るのも大概にしておくかと思わせる映画ではあった。自由な社会で結構なことだ。
[2024/7/13変更] 最初は2点くらい付けたが半端だったので0にする。一般庶民が一生懸命守っている良心を踏みにじって嘲笑するがごとき制作態度であり、西洋でいわれる悪魔というものが実在するとすれば、そういうものを宿す映画として作ったのかと思った。こんなのを作っていて台湾は大丈夫なのか。