1.《ネタバレ》 どうしましょう。困りました。すごく10点を付けたいです(笑)だって、漫画やアニメ原作の実写映画で、本作ほど違和感なく観られた作品は未だかつて無いのですから。『デビ○ルマン』『北斗○の拳』等累々たる屍を築きあげてきた禁断のジャンルで、これほどの完成度を誇るとは。単なるコスプレ大会映画とは一線を画すと考えます。その最大の要因は、やはり演者の見事な役作りにあります。片瀬那奈のフッきれた演技でツカミはOK。狂介・愛子といった二昔以上前の学園ドラマに出てきそうな純朴キャラは、おじさん世代には好感度高し。照れなど微塵も感じさせない真摯な演技がキャラクターに魂を吹き込みました。ただ、本作に10点を付けてしまうと、『ローマの休日』や『十二人の怒れる男』といった不朽の名作と(私の中で)肩を並べる事になってしまうのです。『バス男』に10点を付けた物知らずな私でも、パンティを被った変態男とアン王女を同列に扱うのは流石に恐れ多いというもの。でもでも、変態仮面VSニセ変態仮面のイデオロギー抗争は極上だったんですよね。パンティの内側をあえて外側に向けて被り、敵を叩きのめす大チャンスで放置プレイに勤しむニセ変態仮面の変態道に感服すること頻り。“より変態な方が強い”なんて出鱈目理論に、私もまんまと引っ掛かりました。こんな風に洗脳されてしまうのは、物語が強力な変態磁場を作り出している証拠。素晴らしいです。格闘シーンにスピード感が足りない、ラストの巨大ロボは要らない等、マイナス査定となるポイントは多々あるのですが、それでも10点を付けたい衝動が抑えられません。しかし、です。万が一にも愛娘にお父さんが本作に10点を付けた事がバレたらと思うと、震えと冷汗が止まりません(多分風邪でしょう風邪ですよね)。それにヘンリー・フォンダや志村喬にも申し訳ないです。ということで形式上の最低点(でもある意味10点以上の価値がある)0点を進呈させていただき、良識派レビュワーを装いたいと思います。誹りを受ける私の覚悟が決まったら、こっそり10点に変更ということで。