1.165分の取り留めのない映像的物量の「羅列」を、グッと耐えるように観終えて思う。
これは、マイケル・ベイ監督渾身の「自虐」だと。
前三部作を撮り終え、身を引く予定だったマイケル・ベイが、敢えてこの新作でも監督を引き受けた理由は何なんだったのか。
勿論、単に自分が培ってきた人気シリーズを他人の手に任せたくないという思いもあったのだろうとは思うが、この映画の仕上がりを見たところでは、それ以外の明確な「意思」があるに違いないと思う。
もはや突っ込むことも馬鹿らしく思えるほどに、今作は「中国資本」による「広告」のオンパレードである。クライマックスを含めた後半は、完全に中国映画であり、中国のPRビデオである。
当然ながら、映画は“お金”がなければ作ることは出来ない。
そんな中で潤沢な資金力を誇る中国市場に、ハリウッドの映画産業が集中していくことは、もはや必然だろうと思える。
昔から映画の作品内で“スポンサー”の威光が示されることは決して珍しいことではない。
ただし、その“威光”が、今後更に度を越していくことを、稀代のブロックバスター映画監督であるマイケル・ベイは、この映画で示したかったのではないか。
嘲笑を携えながら、165分の広告映画を観終えた。
しかし、この映画が歴代最高額の興収をたたき出したという現実を知り、嘲笑すらも消え失せた。
明確に生じたこの「危機感」は、ある意味、映画史上において「貴重」なことなのかもしれない。