1.《ネタバレ》 まさに紛れも無い唯一無二の、785万点満点なら23点くらいを付けざるを得ない奇跡の駄作。原作の方は一応全巻揃えているし(っていうか一番好きなマンガの一つ)、アニメーションの方も全話鑑賞した、要するに蟲師大好きっ子だったので普段邦画は観ない派なんだけど劇場に足を運んでみた。が、この出来は酷い。製作者とか監督は多分原作を読んだことないんだと感じた。個人的に原作の一番の魅力は蟲の起こす妖しい現象を通して綴られていく温かな、そして時には悲しい人間ドラマだと思っている。それは友情であったり愛や恋であったり。そして蟲というヤツは命そのもので、害を与えるヤツもいるが人を繋ぐ鍵となるヤツもいる。「影響をうけ、初めてその存在を知る」みたいな感じのキャラクターだと思っている。だがこれはどうだ、全編通してティッシュみたいに薄っぺらく観る価値なしの人間ドラマ!軽い、軽い。ギンコのとってつけたような淡い恋心などいらんだろ、考えなさすぎ。原作のエピソードを何話も扱って端折って端折ってしたための失敗で許されるのか?
「俺は虹郎てんだ、変な名前だろ?」「俺なんてカタカナだぁ。」
っておかしいでしょ。虹郎という名前にはそれにまつわる感動的なエピソードがあったはずだ。真火にしても原作にあるような親子愛を描く気配もない、蟲師という存在の説明用パフォーマンスに成り下がっている。要するに原作の素晴らしさを1秒たりとも描写してないのだ。そして蟲だ。原作のドラマ性がないためにダークサイドしかみせていない。蟲ってヤツは人間に害を及ぼしてくるだけの「百害あって一理なし」な存在になっている。流石に酷いぜ。そういう風に描写するのなら主演はオダギリジョーじゃなくて豊川悦司で、殺虫スプレーでアミドの蚊を蹴散らすムービーでもいいわ!