1.《ネタバレ》 セレブな姉の生き方と、幸薄な妹の生き方が対比されて描かれており、当然のことながら、貧乏な妹を幸せそうに見せています。つまり監督はこう言いたいのです→女性たちよ、背伸びして男を選ぶなかれ、妥協して男を選び、平凡なあなたの、平凡な人生を受け入れよ!というわけです。当の監督さんは凡人ではなく天才です。ですから彼は何度も女を捨てて再婚し、しまいには自分の養女にまで手を出して再婚してしまった。最近は子供の性的虐待も暴露されている。こんな監督に女性の本質は描けない。鑑賞前から私にはこのような先入観があったことを素直に認めましょう。それはさておき、この映画、身分の高いところから落ちた女性を描くことが主眼の1つですが、その描き方が実にうまい。社会の底辺をさまよう男2人組の演技が素晴らしいからです。ヒロインがテイヘン男に触られて穢された!ということが激しく実感できます。しかもK・ブランシェットと言えば、エリザベス女王のあの女優です。比喩的な表現として、このクソ2人に触れられるたびに女王様はどんどん汚されて壊れていきます。しかしよく考えてください。悪いのは元夫です。彼女は犯罪者ではありません。いったい彼女に何の罪があるのでしょうか?なぜ自業自得なのでしょうか?他人の不幸は蜜の味と言いますが、この女性の悲劇を、笑いのセンスがすごい!と、のたまいながら観られる人間にはなりたくありません。私は心が痛すぎてどうしても笑えませんでした。彼女の始めた勉強は、他人に依存しない生き方を模索しようとした一環だと考えます。失敗はしたがそれでも立ち直ろうとしていました。この映画は失恋して激しく女性を憎むようになった男が笑いながらざまあみろというための映画だと断言します。では謹んで0点を献上させて頂きます。