1.いかにもアメリカ映画的な欺瞞に満ちた内容。
アメリカが豊かな国であるからこそ、語られるその内容たるは観ていて苦痛。
金もうけ、軍事的優位、領土的優位、あらゆる面においてアメリカという国が豊かであるがゆえに、この物語は非常に都合良く、その物語を進行していく。
大体、楽園とやらの家主であるあのおじいさんとやら。
金がなかったら、あんなに沢山の人間を養い、自分の好きなことだけをやって暮していけるはずがない。
なのに、一方では、銀行家が最後は金よりも友情を買うというオチが待っている。
あの銀行家もまた、余裕があればこそ、土地買収をやめて、あの楽園に落ち着いたのだ。
これが貧しい国ならどうだろう。
そもそもあの楽園とやらも存在し得ない。
つまりは、平和ぼけした偽善的なアメリカという国が舞台だからこそ、成り立つ世界なのだ。
独善的なアメリカ的自由主義の嫌な部分をヘドが出るほど見せ付けられた2時間。
これほど自己中心的で、無邪気に過った正義を語る映画を作れるのは、やはりアメリカという国しかありえない。