5.《ネタバレ》 ベルナルド・ベルトリッチの最高傑作は「暗殺の森」や「1900年」だと言われているが、やはり一番好きな映画はコレになるだろうか。
こういう歴史ものって退屈な映画が多いけど、コレは一切退屈しない、とにかく面白い映画だった。
最後の皇帝・溥儀の人生を描いた壮大な歴史絵巻。
セルジオ・レオーネの「ウエスタン(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスタン)」の脚本を務めたその壮大さ、そして溥儀をめぐる様々な女性の物語。
坂本龍一の音楽が彩りを添える。
列車、人の群、自殺を図る謎の男・・・どうやらこの男が溥儀らしい。
物語は、第二次大戦後に連行された溥儀の回想と現在が交互に描かれる。
授乳中に連れて行かれたり、幼い溥儀に説明する人間が説明後に絶命とか・・・どういうシーンなんだよ。
やんちゃ坊主な幼い溥儀は気味の悪い宦官共を遊び相手に退屈な日々を過ごす。
紫禁城で鬼ごっことかスゲーな。
中々乳離れできない溥儀。何あのプレイうらやま(ry
イッキ飲みならぬインキ飲み。
この頃中国の支配を目論む軍とは見せかけの“共和国”。
生みの母親よりも育ての母から貰っていた愛情・・・「アーモ」と別れるシーンは不覚にもウルッとしてしまった。
知識を得ながら成長する溥儀だが、井の中の蛙は大海という外の世界では王でも何でもない。
だが溥儀は外の世界を見たくてしょうがない。
ピーター・オトゥールの大佐との日々は微笑ましく進む。自転車で走るシーンは印象的だ。
中佐の次は大佐ですか、出世しましたな“ロレンス”さん。(イギリス違い)
初夜のお相手は積極的にキスしまくりなモダン女性。シーツの裏でナニしてんでしょうね。
宮廷を追われる溥儀は関東軍と結託して満州国の王の座に。操り人形にされているとも知らずに・・・。
踊らされる溥儀、壊れていく女たち。
NTRしたドライバーを消すシーンは「暗殺の森」を思い出す。(アッチよりも短く、かつ過激に)
過去の栄光と現在の何もかも失った虚しさが重なる瞬間・・・。
ファックオフはコッチのセリフだぜ毛沢東のハゲ野郎!テメエが雀ブッ殺しまくったせいでイナゴ大発生で国民飢え死にだよクソバカヤロウがあっ!あの野郎には地獄すら生ぬるい。
だが、時代の波に流されてきた溥儀は少年に“コオロギ”を渡して去っていく。
自転車にはじまり自転車に終わる。つわものどもの夢のあと・・・。