1.《ネタバレ》 個人的に「オペラ・ハット」に並ぶゲイリー・クーパー最高傑作。
ワイルド・ビル・ヒコックやカラミティ・ジェーンを最も粋に描いた作品だ。
この作品も「大平原」同様単なる娯楽に終わらないところが良い。
白人とシャイアン族をはじめとするインディアンたちの間で、死の商人として行動するヒコックにはドラマ性がある。
南北戦争が終結しても黒人は奴隷として自由を奪われ、領土を拡げるためにインディアンを一掃しようとするアメリカの身勝手さも描かれているのだ。彼らに武器を提供する商人たちは、同調というより利益になるから銃を売り歩く。
前半の丁寧なドラマはモチロン、中盤のスー族との死闘、衝撃的なラストが印象的。二挺拳銃による早撃ちの見事さは「シェーン」より好きだ。黒衣をまとったゲイリー・クーパーの演技は至高の領域。
白黒画面の中にたたずむ「黒」・・・最高だぜ。 「真昼の決闘」よりも断然コッチでしょう。