37.《ネタバレ》 虐殺の直接的な描写はあまりないのですが、終始狂気と恐怖が混沌としていて、見ていて怖くなったし辛くもなりました。ポールが「この虐殺の映像を見れば世界の人が助けに来てくれる」と言ったのに対し「この映像を見ても世界の人は『怖いね』と言ってまたディナーを続けるだけです。」とジャーナリストが答えたシーンが印象に残りました。そして結局自分も傍観者の一人でしかないと思い知らされました。 【nyaramero】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-04-25 19:21:51) |
36.《ネタバレ》 ルワンダで何が起こったのか、ドキュメンタリーで知ってはいたけれどもやはり異様な迫力だった。何度でも衝撃を受ける。繰り広げられる理不尽な暴力に、「やめろぉー!」と画面に叫びたくなる。人間に対して絶望しそうになるけれども、一方で一個人の良心のみを信条に大量の難民を匿ったホテル支配人や、蛮勇を奮って戦い続けた国連大佐、身を危険にさらして孤児を助けた赤十字の職員のような人間もいたわけで、手を合わせたくなる気持ちにもなる。舞台は違うけれども以前TVでコソボでの民族浄化の実態を国際的に知らしめようとしていたかの国の代表が、アメリカ人記者に「なぜ我々の税金を使ってあなたたちを助けなければならないのか」と問われていたのを思い出した。彼の返答は「なぜならそれが人間として正しいことだからだ」だったと思う。D・チードルも言っていた。「外の友人に知らせよう。彼らが恥じて手を差し伸べてくれるよう。」“正しいこと”をせずに見て見ぬふりをするのは恥ずかしいことなのだ。渾身のメッセージというのはどすん、と重みをもって伝わるもので、剛速球で飛び込んできたこの映画を私もぎりぎり踏ん張ってなんとか正面から受け止めた。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-09 18:35:50) |
35.《ネタバレ》 これは素晴らしい作品です。10年に1本ぐらいの傑作と言ってもいいぐらい。ツチ族とフツ族というのは、見た目の違いなど無い同じ民族だったのに、ベルギー人によって明確に区分けされ、それによって両者が対立してしまうわけですね。支配人が「白人を信じて全てを模倣してきたのに裏切られた。私はバカだ」と吐き捨てる様に言う台詞がありますけど、それは彼個人の心情を吐露していると同時に、白人によって長らく植民地支配を受けてきた黒人全体の気持ちを代弁してもいるのだと思います。日頃、世界の平和を訴えるはずの政治家は「ルワンダは票にならない」といって助けない。人間の本質とは何かを考える上で、性善説と性悪説の二つがあるけど、人間は基本的に利己的で、その本質を隠すために偽善の皮をかぶっているのかな。この作品を観ていると、人間とは本質的に性悪なのかなと考えてしまう。圧倒的な数の悪人に対し、善い人達のなんと少ないことか!!見終わった観客が、なにかしらの後ろめたさを感じたとき、それこそが、この作品の意図するものなのでしょう。記者が語った「たとえこの映像が世界中に流れても、ほとんどの人が、怖いねぇ、と言ってディナーを続けるだろう」という印象深い言葉があります。そう、結局は傍観者なのです。そしてこの言葉は、この作品をエンターテイメントとして消化し、「怖いねぇ」と言って終わらせる観客たちにむけて語られているのでしょう。 自分の無力さ、ある種のやるせなさをひしひしと感じてしまう。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-02-24 23:13:41) |
34.《ネタバレ》 これは弱き者の為の映画です。古今東西の虐殺を描いた映画は山ほどありますが、この映画は被害者と加害者の狭間の人間の心理を抉り出している。「虐殺はいけないこと」です。そんなことは考えれば誰でも分かる。問題は虐殺が起こってしまった時、そこで人間として正しい選択、この映画の主人公と同じ行動を取れるかということ。こういう状況で隣人に手を差し伸べる事の重要さ。同じテーマを扱った映画としては「シンドラーのリスト」以来の傑作だと感じます。キング牧師の『最大の悲劇は、悪人の暴力ではなく、善人の沈黙である。』という言葉がこの映画の全てでしょう。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-09-18 20:30:40) |
33.《ネタバレ》 私自身ルワンダの内戦についてほとんど知らず、当時「怖いね」とすら言っていない平和ボケの人間だ。本作は民族の内紛から始まる大虐殺から逃れようとする人々、そして助けようとする人々を描いているが、残虐な殺戮シーンは控えめにしつつ、その悲劇性や緊迫感は十分に伝わってくる佳作。主人公が四つ星ホテルの支配人であったがゆえに、絶望的な内戦の渦中にあって家族を守ることができ、多くのツチ族を救い、脱出するまで経過が「劇」になりえたといえる。事実が元とはいえ、その題材性は秀逸。それにしても。作品内にあったようにその民族の「違い」は元からあるものではなく、「よその国」の人間が作った違いとするならば、怒りを通りこえ悲しすぎる。違いは恐れを生む。「恐れは怒りに、怒りは憎しみに、憎しみは苦痛につながる」とのヨーダの名言を思い出す。それが人間の本性なのだろうか。この作品が世界に知らしめた事実はあまりに重い。話はそれるが、我が国では8割の国民が死刑制度存続を支持している。「目には目を、歯には歯を」が普遍の正義であれば、この悲劇に終わりはあるのだろうかと、暗い気分になった。鑑賞後、自分と生まれた場所が少し違っただけの100万人の人々が、昨日までの隣人から殺されてしまった事実を考えると、面白かったなどとは毛筋ほども思えなかったし、そのこと知った人間の使命について考えさせられた。 【田吾作】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-08-05 17:03:48) |
《改行表示》32.《ネタバレ》 テーマが凄まじく重く、心に残る作品。 これだけ重い作品を久しぶりにあっさり見られた。 だけど2度目見ることは無いだろう 【のははすひ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-02-28 23:34:11) |
31.ルワンダの現実を突きつける渾身の作。そのテーマはあまりに重い。その重さを商業ベースで受け入れられるようにドンチードルが好演。報道や記事よりこういった映画の方が実情を広く深く人々の心に訴えるとすれば社会派映画はその存在の価値を増す。この映画は点数などといった尺度を超越する価値を持つ。 【タッチッチ】さん [地上波(字幕)] 9点(2010-01-04 21:21:24) |
30.《ネタバレ》 こんなに胸にズシンとくる映画はない。帰国するカメラマン?の「傘はやめてくれ。恥ずかしいから」が強く印象に残った。 【ラグ】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-05-17 17:11:33) |
29.《ネタバレ》 この映画を見ている日本人がルワンダ人に何も出来ない。そりゃそうだ。「怖いね」って夕食を続けられるくらいの鈍感力がなければ生きてはいけない。この映画を見て多数の人間が鬱状態になって何にも出来なくなるのは困るし、「何か出来る事はないか」と危険地域イラクに行った方々を、日本政府と日本人は「偽善」だ「迷惑」だと糾弾したではないか。つまり我々は夕食を続けていい(らしい)のである。でも、日本人が日本で生活していて、この映画と同じような場面に出くわさない可能性は皆無だろうか。戦前では関東大震災の時の朝鮮人虐殺(人数は全く違うが)があったし、最近だって民兵のアジトのレイプ小屋レベルの狂気は障害者雇用企業や外国人雇用企業、カルト宗教施設なんかであった。あの時、行政、警察、そしてそれに気づいた周囲の人々はどうしたのか。何が出来たのか。新聞や本によると見て見ぬふりをした人たちが多かったのではないかと思う。理解しようともせずに認識の低い政治家の発言に同調して虐めた例もあったと思う。先進国の人間は「大虐殺」の前にポカンとしているが、主人公の友人の民兵のボスみたいに一人の人間に優しさと残酷さが同居していたり、政府軍大佐が「何でみんな俺の言う事を聞くのか、それは強いからさ」という台詞が本当なのは日本もルワンダも同じだ。この映画を見て、夕食を続けて、その後に僕らが出来る事は皆無ではない。皆無であってほしいが。・・・・・・・でもあの賄賂好きの政府軍の隊長、約束守ってもらえなかったのね。 まあ、ざまあみろだけど。 【はち-ご=】さん [DVD(吹替)] 9点(2008-10-27 01:08:30) (良:1票) |
28.観ることに意義のある映画。僕には、何もできないかもしれない。でも、僕が生きることで、きっと世界は繋がっていくと思える映画。 【ようすけ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-01-14 00:56:37) |
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27.日本にいる私たちに、何かできたのでしょうか。それを教えてほしい。そこまで、映画に求めるべきではないのでしょうが... 【よしふみ】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-12-16 09:56:25) |
26.はじめにでてくるナレーションの重さ。「サラエボ紛争」についてはたくさんの映画ができ、日本の映画館でも上映され、わたしも少しながらも知識がある。一方、ルワンダについては当時ほとんど報道されなかったという。この映画だって、アカデミーの賞レースに乗っていたにもかかわらず、日本では配給する会社がなく、署名によって実現したというこの現実。元はといえば植民地支配が生んだ悲劇なのに、黒人同士の扮装には無関心な西欧諸国と日本人だって同じ穴のむじななのだ。「情報」の差別が一番胸にこたえた。 【まれみ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-12-05 22:44:01) |
《改行表示》25.大切なのは、家族と仕事。 序盤から丁寧な描写でのめりこめる。 人を救うためなら賄賂もウソも使う。 自分なら、はたしてここまでできるかどうか。 ツチ族とフツ族の関係は理解しづらいが、日本と韓国の関係に置き換えると、ぼんやりわかるような気がする。 見ている間は手に汗握り、見終わった後は色々と考えさせられる秀作。 高校生大学生くらいの若い人に、特に見てもらいたいなあ。 【まかだ】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-11-30 23:18:37) |
《改行表示》24.娯楽性の高い映画の枠でこの話が語られる事が正しいのかは判らない。 ただ、頭をガツンと殴られた気持ちになった。 自分が今まで傍観者であったことに心底気づかされました。 【Romanty】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2007-11-22 20:47:00) |
《改行表示》23.この映画をみて感動して泣いている自分がいる。 10年以上前の話し。 今もドコかで虐殺は行われていると思う。 この映画は自分自身との戦いである。 流した涙で今は救えない。 【突っ込み】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-10-02 16:54:37) |
22.《ネタバレ》 映画の出来については最高です。無駄なシーンもなく、終わりの歌もとてもよかったと思います。ただ、多くの方が指摘している通り、この話は「実話を基にした社会派映画」からではなく、「現実に起きている事件」として報道されるべきだと感じました。でも、毎日消費されて忘れられて行くニュースの中より、映画の方がより強く訴えられるのなら少しはましなのかもしれない、と思いました。 【HOPUKO】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-09-10 17:10:27) |
21.この真実を伝えたいという想いが、一瞬も途切れることなく画面から伝わってくる作品。演出・脚本その他のどんなことよりも、メッセージが、胸に突き刺さるくらいストレートに伝わっくる作品。起こってしまった事に対して時計の針を戻す事は出来ない。けれども、せめて、大切な人を大事に思う、そんな当たり前の事から始める事が出来ればと思う。「(ルワンダの映像を観て)みんな、『怖いね』と言ってディナーを続ける」・・・頭を殴られたような、重い重い衝撃を受ける一言だった。 【wood】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-08-05 10:19:07) |
20.ルワンダ内戦のことを知らなかったわけではなかった。教科書にも載っていたし、当時ニュースでも新聞でも見ていたはずだ。しかしそれだけだった。自分にとって全てはブラウン管の向こう、紙面の片隅の中にしか存在していなかった。学校では入試の出題範囲外として「ないもの」扱いさえされた。「ないもの」扱いしていたのは僕も同じだった。日常生活は何も変わらなかったし、ルワンダについて考えようともしなかった。9.11の時は連日夜通し食い入るようにテレビを見続けていたというのに…。世界情勢を見つめる自分の見識の狭さを容赦なく突き付けられる別の意味で「地獄」の二時間でした。国中で殺し合いが続き、目の前で隣人が殺され、いつ自分も殺されるか分からないという状況に立たされた時、世界中がただ傍観している。これほど怖いことがあろうか。あれから12年、ルワンダを描いたこの映画は諸事情から日本での公開が危ぶまれていたという。この国はまたしてもルワンダから目を反らそうとしていたのだ。観賞後、僕は何に対してというわけではなく、久しぶりに猛烈な不快感に襲われることとなった(ちなみに1点減点の理由は全編英語だったこと。内容に関しては文句ナシです)。 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-04-29 23:11:42) |
19.《ネタバレ》 戦争って怖い。本当に嫌だ。自分の身近で起きたら、誰が助けてくれる?「怖いね」って言って食事を続けるだけの人になるのは嫌だと思った。そこが一番のこの映画のメッセージだろう。戦争じゃなくても、身近なところから心がけていこうと思った。 【にゃ~】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-04-12 00:25:13) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 アフリカや中東で起こる民族紛争や宗教の違いによる対立をニュース等で耳にすると、「またか、自分達が勝手に起こした争いなんだから自分達でなんとかすればいいじゃないか」といつも思っていた。だが、この映画を観て感じたことは、紛争を起こした者よりそれに巻き込まれた者の方が圧倒的に多い事に気づく、映画のなかで、赤十字の女性が話した事実が、重く心に残った。『妹をおんぶした子が、殺されそうになった瞬間、ツチ族を辞めるから・・・と叫んでいた』と・・・あまりにも悲しい事実であった。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-15 11:22:16) |