ベニスに死すのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ベニスに死す

[ベニスニシス]
Death in Venice
(Morte a Venezia)
1971年上映時間:131分
平均点:7.38 / 10(Review 118人) (点数分布表示)
ドラマ同性愛もの小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2020-02-29)【イニシャルK】さん
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監督ルキノ・ヴィスコンティ
キャストダーク・ボガード(男優)グスタフ・フォン・アッシェンバッハ
ビョルン・アンドレセン(男優)タジオ
マーク・バーンズ(男優)アルフレッド
フランコ・ファブリッツィ(男優)理容師
シルヴァーナ・マンガーノ(女優)タジオの母
マリサ・ベレンソン(女優)アッシェンバッハ夫人
ロモロ・ヴァッリ(男優)ホテル支配人
ニコレッタ・エルミ(女優)(ノンクレジット)
ノラ・リッチ(女優)家政婦
土屋嘉男グスタフ・フォン・アッシェンバッハ(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
水島裕タジオ(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
武藤礼子タジオの母(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
野島昭生アルフレッド(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
田中明夫ホテル支配人(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
原作トーマス・マン〔作家・1875年生〕「ヴェニスに死す」
脚本ルキノ・ヴィスコンティ
作曲グスタフ・マーラー"Adagietto From Symphony No.5"他
撮影パスカリーノ・デ・サンティス
製作マリオ・ガロ〔製作〕
ルキノ・ヴィスコンティ
配給ワーナー・ブラザース
美術フェルディナンド・スカルフィオッティ
衣装ピエロ・トージ
編集ルッジェーロ・マストロヤンニ
字幕翻訳高瀬鎮夫(字幕監修)
あらすじ
1911年盛夏、作曲家のアッシェンバッハは静養のため訪れたベニスで、ギリシャ彫刻を思わせるポーランド人の少年タージオと出会い、虜になってしまう。“美”そのものを体現したタージオは、友人との美についての論争、妻と娘との過ぎ去った日々を思い出させ、芸術家として大成できなかった苦悩、老いたことへの悲しみをもたらす。タージオは彼の視線に気が付き、破滅に導くように、意味ありげな視線を返してくる。アッシェンバッハは自分の思いをどうすることも出来ず、タージオの姿を求めて伝染病の蔓延するベニスの町を彷徨い続ける。
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19.《ネタバレ》 お話しは老作曲家がベニスで美少年に出会って自分でも気づいていなかった同性愛的な性癖に目覚め、だんだんストーカー化してゆき最後は化粧までするようになって疫病にかかって死んでしまうという、こうやってみると身も蓋もないストーリーです。でも今まで観たヴィスコンティ映画の中で本作が自分はいちばん好きかも。ほんとにどこで見つけてきたの?と嘆息してしまうビョルン・アンドレセンの美少年ぶり、スクリーン上でも実生活でも、彼よりというか匹敵するぐらいの美を備えた男性には私は出会ったことがないです。劇中タジオとアッシェンバッハは視線を交わすだけで一言も会話はしない、なんかタジオはアッシェンバッハの頭の中だけの存在、単なる幻影に過ぎないのではとすら思えてしまいます。音楽もイイ、恥ずかしながらこの映画を観て初めてマーラーを知った自分ですが、本作を観て「次作の音楽はマーラーを起用しよう!」と言ったという当時のハリウッドのお偉方よりはましかも(笑)。アッシェンバッハと友人の芸術論議は正直ちんぷんかんぷんで頭に入ってこないけど、これはダーク・ボカードが才能ある音楽家にはちょっと見えないというところもあったかもしれません、どっちかというと科学者って雰囲気ですよね。ミスキャストかな?という感じもしましたが、自身その気があったボガードだけにタジオを見つめて苦悩する演技は真に迫っていましたので、やはり彼で正解なのでしょう。 そして忘れてはならないのは、アッシェンバッハの命を奪うコレラの恐ろしさで、中盤からじわじわとベニスの街に感染が蔓延してゆくところは身につまされます。ホテルの従業員や街の住人たちが必死にコレラの流行を隠そうとするところなんかも、最近どっかで聞いたような気がします。誰か『武漢に死す』という映画、撮ってくれないかな?
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2021-02-06 23:34:26)(良:1票)
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18.《ネタバレ》 真の芸術、美の創造に悩む老いた作曲家がベニスで美を追い求める物語。 作品のテーマは美と醜、若と老、純粋と不純、そして生と死である。作曲家と出会った美少年はまるで対照的で、手の届かない存在なのだ。それはまさに芸術家としての自らの人生に重なる。 作曲家は自身が創造できなかった理想の美を少年に見出し、一人の芸術家としての己の人生をかけて少年を追うのだ。そこに肉欲は存在しない。 そして美しきベニスに忍び寄るのは伝染病の影。ここにも美醜の精神が表現されている。 作曲家は自らを騙し、老いを隠すため若作りをする。しかし、自らの醜さを隠したところで美を得ることは出来ない。ラストシーンで化粧が剥がれ落ちていく作曲家は遠くに少年が太陽に照らされる姿を見ながら、死ぬ。自分の実践する/してきた美は偽物であり、本当の美を認識させられるのだ。 本作は芸術や美の存在について提起し、死を描きつつ作曲家の半生を壮観する見事な芸術作品。
whoopiさん [地上波(字幕)] 9点(2020-04-07 16:47:34)(良:1票)
17.《ネタバレ》 同性愛、老いることの悲哀、少年の美しさとすばらしいバランスになっている。
HRM36さん [DVD(字幕)] 9点(2009-07-21 13:25:11)
16.友人と美についてあーだこーだ激論を交わしていたグスタフも、タジオの持つ美を前にして成す術もない。掴むことのできなかった美の後をひたすら追い続け、自身の醜い姿をさらし続けるしかない主人公を見て、他人事では済ませられない恐怖を感じます。
njldさん [DVD(字幕)] 9点(2008-12-20 00:54:34)
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15.タッジオは性別を超えた美しさを纏っている様に感じました。これを耽美というのでしょうか?私にはよくわからなかったのですが、この雰囲気は嫌いでないです。頽廃的な感じがして。映像に身を委ねてしまいました。  
kagrikさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-12-16 22:56:46)
14.《ネタバレ》 昔読んだトーマス・マンの原作をパラパラとめくり、ふと思う、「そうそう、アッシェンバッハ氏って、音楽家じゃなくて作家なんだよな」。それでも強い、この“アッシェンバッハ=音楽家”というイメージ、まさにこの映画において、あまりにもマーラー交響曲5番4楽章アダ-ジェットが、ピタリとはまり過ぎているから。もっともこの映画の主人公アッシェンバッハ、「調和がどうのこうの」とかいう言動を見る限り、どーもワタシの持つマーラーのイメージに合わない、ってか、ほとんど対極かも知れない(笑。原作でもマーラーから借りたイメージは、風貌だけでしょ)。ま、そもそも、このアダ-ジェット自体、一番マーラーらしからぬ響きの楽章、とも言えるかもしれんし。主題は多分、第1楽章のテーマの変形だと思うけど(一種の循環形式ですな)似ても似つかぬ柔らかな響き。また第4楽章の一部は第5楽章でも再現されるが、驚く程の響きの違い。弦楽合奏+ハープなら、マーラーでも「美しい曲」が書けるという実例か。とマーラーの話をしていてもしょうがないので、映画に戻る。またこの映画、クローズアップが実にいやらしいんだなあ。例えばある場面では、主人公の視線を模するカメラ。美少年一家に目が止まり、クローズアップ! う、いかんいかんとオドオドする主人公の表情を、これまたイジワルにもクローズアップ! うひょうひょ、もう恥ずかしいのなんの。これって例えば「電車に乗ったアナタの前に、色気ムンムンのオネーチャンが⇒つい見惚れそうになり、イカンイカンと自制するアナタ⇒ふと周りの乗客を見回すと、何だあのオッサン堂々とオネーチャンに見惚れてやがるぜ、と、今度はそのオッサン客の観察にいそしむイジワルなアナタ」という、そういう下世話な楽しみに相通ずるものがありますね(何のこっちゃ)。それをきっかけに主人公につい主人公に感情移入するアナタ(←しつこい)。正直、映画前半はホテル内部のシーンが多く、ヴェニスらしい雰囲気が感じられないのが残念なのですが(窓から外の景色が垣間見えるシーンがあれば・・・)、第3交響曲の流れる海岸のシーンのあたりから、のめりこんでしまう、圧倒的な映画世界。ラストの虚脱感は無類のものがあり、忘れられません。どうでもいいけど、コレラって極度の下痢で脱水症状になり死に至ると思っていたが、本当にこのラストシーンみたいな症状なのか?(←気にしないこと)
鱗歌さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-09-23 00:09:23)(笑:1票)
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13.《ネタバレ》 ヤバイ映画やなー。ダーク・ボガード演じるアイシェンバッハが僕自身の中に投影されてしまった。もちろん僕は芸術家でも無いし、老いとか美とかの概念もピンと来ないのだけど、自分の感性の中で見つけ出した最上のものに心が動かされたとき、そしてそれが眩しすぎ、遠巻きに見つめるしか術が無いような状況のとき、客観的に見れば気持ち悪いほど滑稽に堕ちて行く自分に歯止めがきかない。そんな自分の中の伏せておきたい感情がムクムクと動き出すような完璧な映像と描写。息絶えたボガードが2人の男によって運ばれるラストシーンが、遠景で映される。それでも世界が回っていることを見せ付けられる。 
よし坊さん [DVD(字幕)] 9点(2007-05-12 22:57:48)
12.「若さと老い」「生と死」「美しさと醜さ」…そういったものを容赦なく対比させて完璧な映像美に仕上げていると思います。ビスコンティの美意識には参りました。この老人にとって少年の美しさは「天使」だったのか「悪魔」だったのか…。ラストの「キラキラ」と「ドロドロ」は生々しい宗教画を見ている気分でした。
Tweetyさん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-25 20:41:16)
11.《ネタバレ》 久しぶりに見直して改めて感じた事は、この作品は自分の中で老いというものを意識した時に初めて心に響いてくる作品ではないかと言う事。主人公が求めたものは自分が失った若さと美だったと思う。その象徴が美少年だ。もう二度と手に入らない物を求め続ける主人公。自分でも気付いてる。そんな自分を笑いながらも、なお諦めきれない自分の愚かさに涙する場面。名シーンだ。ラスト、砂浜で白髪染めを額から垂らしながら息絶える主人公に対し、太陽の光を浴びて眩しい位に輝く少年。あまりにも残酷だ。しかしその残酷さゆえに真実がある。そして僕は醜い主人公の中に美しさを見てしまう。
じゃみさん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-20 23:20:29)
10.ヴィスコンティ作品というのはあんまり若い時に観るもんじゃないね。わかんないのよ、やっぱり。これは初見は高校生の時でした。ダーク・ボガードがいつもイライラと怒っているのを見てこっちもイライラ。美少年を追いかけるのが気持ち悪かった。たしかビョルン・アンドレセンは公開当時、日本でも話題になり来日までしちゃったのよね。マーク・レスターかアンドレセンか、そんな感じ。再見したのは2,3年前かなぁ、全体を覆う気だるさが心地よかったです。冴えない中年男の視線に気づき、それを弄ぶようなアンドレセンが小憎らしい。あれだけ嫌悪していたにもかかわらず、髪を染め化粧をするアッシェンバッハ。傍目には醜いしまるでピエロだ、でもそうせずにはいられない心情が、なんとなくわかる気がするようになっていました。死に際の汗まで髪を染めた染料が混ざって黒いのよね、あそこまで演出するなんて・・・キツイなあ。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-12-11 14:25:27)
9.《ネタバレ》 ベニスが舞台なのに、鉛色の空が寒々しく、砂混じりの熱い季節風シロッコが吹き、サン・マルコ広場のようなメジャーな観光地はほとんど出ません。しかも後半になると、死の都になってしまい、白い消毒液と煙の臭いが漂ってくるようです。でも、美しい映画です。アッシェンバッハ教授を演じるダーク・ボガードは、おそらく生涯最高の大名演です。ヤな役だけど。そして、ビョルン・アンデルセン演じるタージオは、本当によく探し出したもので、とても美しく耽美的です。ヤなガキだけど(笑)。教授はそれまで生涯の大部分をかけて、美しい絶対的なバランスの音楽を作り上げようと努力してきたのに、自然の美にあっけなく負かされてしまいました。それはタージオが大人になれば消えてしまう一瞬の悪戯のような美、教授は彼と視線を交わすだけで、触れることも言葉を交わすこともできません。シルヴァーナ・マンガーノ演じるお母さんも印象派の絵画のように綺麗で、教授も最初、見とれるシーンがありますが、多分、優雅な貴婦人だと感じただけで、心を奪われるのはタージオの方なんですね。コレラのことを知った後も、家族に忠告してタージオの頭に触れる想像をするだけで何もできず、老いらくの恋を糧に作曲に打ち込むことも、ミュンヘンに帰ることもできずに、ストーカー化した自分の滑稽さを笑うだけでした。やっぱり芸術家としては今ひとつだったのかもしれません。ただ、恋する男としては至福の死に方でしょう。この映画は取っ付きにくいかもしれませんけど、何度も挑戦して観る価値は絶対あると思います。どうしても駄目なら、最初は倍速にして観てもいいと思います。台詞があまりないので、回想のアルフレッドとの論争のみ気を入れれば大丈夫です。しかし、2倍速にして最後まで見られる映画も珍しいなあ。
くなくなさん [DVD(字幕)] 9点(2004-07-27 04:24:15)
8.昔、ラジオでふと耳にした音楽に心奪われ、それからずーーーっと探し続けてようやくそれがマーラーの「アダージェット」であることを知りました。しかも、何も知らぬままこの映画を観て。もう、映画の美しさと感激の嵐で終始眩暈クラクラ~。そういった意味でもとてもインパクトの強い映画でした。
ウッフアラネージュさん 9点(2003-11-18 19:05:53)
7.最初は良さがわからなかった。少し気持ち悪いとさえ思ったけど、ひさびさにみてどっぷりでした。年を重ねてわかった映画です。
omutさん 9点(2003-06-03 04:11:51)
6.また劇場で観たい!と切に願う映画のひとつ。映像と音楽による官能。
るーすさん 9点(2003-01-26 21:20:14)
5.主役のD・ボガートがさすがに難しい役をうまく演じていたと思います。(I・岡田にどこが似てるんだろう?)気難しい芸術家が美少年に憧れながらも言葉も交わすことなく病に冒され思い果たせず死んでしまうなんて、ちょっと現実にはありそうもない話だけれどこれまたさすがビスコンティがリアリティをそれとも夢物語を語ってくれました。あの音楽を使ったということもすごいセンスを感じます。
Jadeさん 9点(2003-01-26 20:57:13)
4.フレーズがとても長くってなかなか山場にたどり着かないマーラーのシンフォニーがこの映画にとても合ってたと思います。ビョルンアンドレセン最高~!あれほどの美少年、見たこと無い。それだけでも見る価値は大有り!!
みちりあんさん 9点(2002-12-25 17:57:00)
3.ルキノの傑作、映像美と音楽、そしてルキノの美、人の階級差から出るダークな力、ルキノのキャラはいつも人間として相手にしたくない人ばかりなのだ、冷酷で行動が読めない、頭がいいというのか?軍事関係ぽい人が出てくる。だからダーク、一番怖い人間という動物を、あるがままに描いてるところも怖いが、そこに興味が芽生え、好きになってしまう、自分が怖い、やはり俺は闇が好きなのだ!
完璧主義さん 9点(2002-11-14 15:43:26)
2.美とは何なのか。「美」を追求した映画。こんなにもゆーったりとした映画なのに、主人公の心の葛藤が伺え、まったく飽きることはなかった。そしてあのラストときたら。海にたたずむ少年のきらびやかな光景。あぁ、、、あぁぁ。
あろえりーなさん 9点(2002-07-20 23:15:37)
1.ルキノ・ビスコンティの大傑作。ビヨルン・アンドレセンの美少年ぶりも必見で、今どうなってるのか気になる。ビスコンティの甘美な演出も随所に冴え渡り、ラストのエンド・クレジットまで濃密な時間が経過する。セリフも最小限に抑え、実に絵画的な演出を多用しているあたりはお見事。でもいくつか私には理解できないプロットがあるのでマイナス1点。
チャーリーさん 9点(2002-05-26 19:42:25)
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【点数情報】

Review人数 118人
平均点数 7.38点
021.69%
143.39%
221.69%
321.69%
454.24%
597.63%
6108.47%
71512.71%
82218.64%
91916.10%
102823.73%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.55点 Review9人
2 ストーリー評価 8.14点 Review7人
3 鑑賞後の後味 8.12点 Review8人
4 音楽評価 9.11点 Review9人
5 感泣評価 7.40点 Review5人
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【アカデミー賞 情報】

1971年 44回
衣装デザイン賞ピエロ・トージ候補(ノミネート) 

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