《改行表示》28.一見バラバラなエピソードが、すべて有機的に結びついていく様が見事。現実にはあり得ないでしょうが、ものすごくリアリティがありました。ちょっとほっこりさせつつ、「でも結局、何も変わらないんだろうなあ」という余韻を残す終わり方もいい感じ。そして何より、登場人物たちの葛藤や多面性を真摯に描いている点がいい。すぐに完全無欠の「カリスマ○○」「天才○○」が登場し、万事解決してしまう日本の映画やドラマとは、えらい違いです。 余談ながら、“主役”のサンドラ・ブロックは、よくぞこんな“端役”を引き受けたものです。当時、暇だったんでしょうか。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 9点(2014-09-27 18:06:31) |
《改行表示》27.群像劇の王道みたいな作品で、何と言うか「まっとう」な作品。一口にアカデミー賞作品賞と言ってもいろいろな映画が取っているが、この映画が取ったときは地味な映画だったけど、凄く納得感があった。ただし、群像劇だと「トラフィック」の方が僕は好きだけど。 様々な人種に属する人々が暮らすロサンゼルスのある2日間をどちらかと言うと淡々と描いた映画なのだが、脚本が自然でありかつ巧みで観客を飽きさせない。メインの登場人物だけでも優に10人は超えているが、一人ひとりの職業や性格、バックグラウンドが効率的に描かれており、日本人の僕が見ても混同しにくいつくりになっているのが、特にうまいと感じる。人種の違いから来る感情的なすれ違いや経済的な格差。それらを原因として多くの悲喜劇が生まれ、そして消えてゆく。この映画が特定の感情を押し売りしてこないところ、あっさりとしているところも僕の好みだ。 こういう映画を観るとアメリカと言う国はつくづくすごい所だなと感じる。よくこれで治まってるなと感心する。英語をしゃべれない国民がこんなにいて、どうして一つの国としてやっていけるのだろうかと不思議に思ったりもする。そして、こういう国に住んでみるのも面白そうだなと思う。たとえ、この映画にあるように人種差別が横行していたとしても、それもまた刺激的だなと思う。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-02-03 21:40:43) (良:1票) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 人種差別がベースとなった群像劇。人種差別の中で生きる人々の中で起こる事件が並行して展開され、そこに関わる人の生活や心情の変化がすごくうまく描写されている。そしてそれぞれの事柄が最後はつながっていくがそのつなげ方がまた見事だと思う。女の子が父親を拳銃から守るためにお父さんをかばうシーンは少しハラハラした。 とってもよい作品です。 【MS】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-01-30 03:05:07) |
25.《ネタバレ》 島国である日本人には理解できない…?映画に出てきた様々な偏見、考え方、正直「く・くだらねー」と思うこともあった。でも外から見た日本もこういう一面があるのでは?色々考えてしまうね。面白かった。 【リブロース】さん [レーザーディスク(字幕)] 9点(2009-02-23 14:29:46) |
24.美しい。こういった映画は余り得意ではなかったのですが、この映画は良い。重いテーマではあるけれど、それを綺麗に描いてた。かといって、薄っぺらい内容にはなっておらず、観賞後も色々と考えさせられました。 【コスッタルイ】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-30 18:02:33) |
【Dr.Tea】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-07-23 10:15:46) |
《改行表示》22.ひっさびさに出会えました。まさにこれは「映画」です。この作品をひと言でいうと「厳しい、けれど可能性はゼロじゃない」かな。それぞれのエピソードを観ていくうちにこの作品において「人種差別と銃」の問題はアメリカを語る上であって当然、無きゃおかしいというシチュエーションにすぎず、メインテーマではないと感じた。人種も立場も地位も違いながら皮肉な巡り合わせで繋がっている登場人物たち、唯一共通しているのは、皆いつもイライラして怒っている、心の安堵がないということ。けれど不条理で複雑な世の中で安堵を求めて必死に生きている。求めていることは人間みな同じ、それを手に入れるためには正しいことばかり言ってはいられない、悪いこともしてしまう、そんなことが浮かびました。そういう意味でこれはアメリカに限った事ではないとも思う。 ”「価値観の違い」「人それぞれ」はあったりまえ。それに拘る人は一生言ってればいい。そのかわり一生信頼も安堵も手にできない、独りよがりの勘違いだと気付かない” アメリカという国はそれを語るには充分すぎるくらいの下地があるのです、わかりやすいのです。 困難な日々にふっと訪れるひとときの幸福感、それはそれまでの苦悩を帳消しにする威力があり、次への希望になる。人の一生はそれの繰り返しなのかもしれない。黒人の幼い娘がエンジェルならペルシャ人の娘は聖女でしょうか。ふたりの娘は希望と安らぎを感じる存在でした。綿密な脚本と構成、選曲とその使い方も洗練されている。素晴らしい! 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-03-06 19:12:25) |
21.《ネタバレ》 人種差別は、偏見や思い込み、経験によって相手の地位、身分を飛び越えてエモーショナルにおこなわれる。しかし登場人物を多角的に映し出すことにより、ここに悪人はいない。監督の優しい眼差しをもった演出が逆にアメリカの抱える問題の根深さを物語る。終盤でのTVディレクターとその妻との愛情を確かめるシーンは、燃えさかる木の暖かさそのもので、少し救われた気持ちになった。 【よねぴー】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-02-22 16:42:14) |
20.人は普段の言動とまったく逆の行動をとってしまう事がある。それが実はその人の本性なのかも知れませんね。よく練られた脚本でラストまでとても楽しめました。 【Junker】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-14 01:47:09) |
19.《ネタバレ》 とりあえず容赦なく差別の嵐な前半で、スゲェ不愉快にさせておいて、、、後半の展開ですよ。透明マントよかったぁ~もう親父から譲り受けた時点でしぬんだろうなぁっておもっちゃったから。。。マジ感動。そしてラストのヤンキーの笑みがこの映画の後味を最高にしています。絶対金もらったとおもったものなぁ。でも、ただハッピーではなく、正義に燃えた警官が殺人を犯し、逃げたまま終わるというイヤーな感じも残しているのがアレですね。見終わった後冒頭のセリフを思わず確認。なるほど 【マキーナ】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-11-23 16:33:43) |
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18.《ネタバレ》 良かった。良い映画。最初は人種の問題などで人々それぞれの憎悪や嫌悪ばかりが目についてすごくイヤな気持ちのまま鑑賞していたが、あの透明マントのシーンで号泣。それから、すべての出来事が繋がっていて、素晴らしい音楽とともにむかえるラスト。久しぶりに良い映画を見た。 【あしたかこ】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-09-26 02:47:37) |
17.《ネタバレ》 人種差別がテーマらしいが、自分はそれよりも脚本のできにハマった。夢中になってみてた。音楽も良い。 【十人】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-08-29 03:14:11) |
16.はっきりいって俺には「争い=悪」という意図が理解できない。俺は核戦争だの世界紛争だのという「争い」は死ぬほど嫌いだけど、例えば殴り合いとかのいわゆる「喧嘩」に対しては肯定する立場にある。なぜなら喧嘩における暴力というのは、言葉では表現しきれない「怒り」という感情をお互いが吐き出すための一つの手段だと思っているから。人間吐き出さなくてはならない。「みんな仲良く」「怒りは抑えろ」「話し合いで解決しろ」そんな事を抜かす奴らには虫唾が走る位だ。だって人間には一人一人違う性格や考え方があって、そのズレから亀裂が生じてしまうのは仕方ない事だし、話し合ったり抑えたり出来るような軽い問題なら殴り合いなんか始めてないだろっつうの。それに喧嘩してる奴らを叱ったり引っ叩いたりした所で、お互いの気持ちが晴れるわけないでしょ。また殴りあうか、もっと悲惨な事態に発展してしまうかもしれない。それならパパッと殴り合ってお互いに和解した方がマシに決まってるじゃん、と。この映画はそれをよく解っている。この映画の登場人物たちは、様々な理由で相手と争う。お互いがお互いに怒りを、苦しみを、感情を、自分自身を爆発させる。時に相手に嫌悪感を感じる。しかし嵐が過ぎ去った後、感情の全てを吐き出したお互いの心に残ったものは、争う前にあったものよりももっと温かいものだった。嵐の後に、お互いの心に刻み付けられた愛や絆。真っ白に戻った彼らはお互いに対して抱いているそれを改めて実感する。そして彼らは以前よりもさらにそれを深めてゆく。これが「争うこと」の本質なのかもしれないなと思った。映画でも語られているように、多くの人々は争いを避け、忌み嫌い、そして「野蛮なもの」と位置づけている。争う人間を見ると「自分とは違う」と彼らを野蛮扱いする。しかし、争った後に心の中に宿る愛を、温かさを、優しさを、人は忘れている。「衝突(Crash)」とは、お互いを心の底から理解し、そして尊敬することだ。見終わった後からじわじわと余韻が広がる素晴らしい作品でした。 |
15.《ネタバレ》 観終ってからの余韻が何とも言えない。ハリウッドというかアメリカならではの映画、日本では絶対にこういう切り口の映画を創ることは出来ないであろう。社会の矛盾・闇が実に興味深く描かれているのだが、説教臭く無くなくそれぞれ個人に考えて貰うという、あくまで自然な手法が素晴らしい。一気に釘付けとなったのはやはり車火災のシーン、演出・役者の演技には脱帽である。刑事、車窃盗犯のコンビのそれぞれの運命の対比など感慨深い。人種問題については、実際ロス暴動があったし、またテロのため緊張状態にあると思う。それに加えて銃社会で生きるという緊迫感、正直考えるだけでゾッとする。 【まさサイトー】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-08-20 04:54:52) |
14.完璧な人なんて、この世にはいなくて、人には誰にでも、いいところもあれば悪いところもあるわけで‥。だから、クラッシュには極悪人は出ていません。けれど、ほかの映画で極悪人として描かれている人も、みんな極悪人なんかではないのかも‥。。誰が悪いんじゃなくて、世界が悪いんだと思った映画でした。さすが作品賞。良かったデス。 【小星】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-08-20 01:34:14) (良:2票)(笑:1票) |
13.《ネタバレ》 差別の認識が薄い一方で肉親への愛情は人一倍厚い警官も、ドラッグに溺れ自らを見失う母親も、感情的行動に走ったおじさんも、犯罪に手を染めた黒人の青年も、、、「それでも毎日を生きている」。人間の弱さと強さと醜さと美しさと・・・あらゆる面が一作に凝縮されていて、何だか、たまらない気持ちになりました。下手な大作ではなく、このような心に刺さる作品に、これからもオスカーを受賞してほしい。 【wood】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-07-23 12:19:11) |
12.うん~ 秀作ですね~ 題材がイイ、脚本もイイ.. 人種のるつぼと化したアメリカならではの作品ではないでしょうか..奥の深いテーマでした~..色々と考えさせられます... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-07-21 12:31:02) |
《改行表示》11.《ネタバレ》 テーマは人種差別、あるいは偏見と言うべきだろうか。 クラッシュの素晴らしいところは人間の本質と善悪を描いているにも関わらず、善人も悪人も出てこないところだ。黒人を見下し、職権乱用で黒人女性にセクハラをしたベテラン警官は、後に同じ女性を火の中から必死に救い出す。そのベテラン警官を軽蔑した新米の警官は、たまたま車に乗せた黒人男性を、偏見から危険と思い込み、はずみで射殺してしまう。車強盗で生計をたてる黒人男性は、違法入国をしようとしたアジア人を偶然手に入れ、高い金で売れることを知るが、憎まれ口をたたきながらも彼らを助ける。妻と現実との間で葛藤する黒人ディレクターは燃えさかる炎を背にし、それが唯一確かな気持ちであるように妻に「I love you」と伝える。そして再び車と人は衝突する。また同じことが繰り返される。 クラッシュは問いかける。人の本性はどこにあるのかと。答えは示さず、ただ問いかけている。作品賞にふさわしい最高にドラマティックな映画である。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-07-14 13:02:53) |
10.一作で満腹するくらいな面白さだったです。皆さんと同じくマントのエピソードが一番印象ありましたが、すべて大切なシーンですね♪♪もう一度観たいっ。 【こゆ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-06-20 23:06:31) |
《改行表示》9.ミリオンダラーに続き納得のオスカー。 たまたまフライトでみました。 あの修理屋のお父さんの娘の服をめくるシーン、 最近父親になったばかりなので、 ばかやろー!と泣きそうになりました。 【Skycrawler】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-06-06 11:14:11) |