17.《ネタバレ》 当時のトルコの街並みがきれいに描写される所から話は始まる。自らの罪で収監された主人公がミッドナイトエクスプレス(隠語で脱獄)に乗るまでの話。アランパーカーの才能が爆裂している、でなければオリバーストーンの才能が。どこまでも絶望に向かっていく無気力か無知な囚人たちと主人公。未来に希望を持てないとここまで人間は雑になるのか。他の脱獄ものは気骨ある囚人が活躍したりするのだが、本映画では皆無。かすかな気骨は内側の人間関係に向けられる。仲間への信頼。はめられた仲間への復讐。ホモ的な関係をやさしく断ったり…。冤罪ものじゃなくて救われる。自業自得感があるからここまでの悲惨な展開がうなずける。これで冤罪ものなら悲しくて観てられない。獄中の悲惨さは、よくある映画のハードな描写や「告発」のケヴィンベーコンのようなものではない。拷問シーンはあるがあと53日だった刑期が急に30年になったり他の囚人とのトラブルだったりじわじわくるもので描かれる。猫のシーンは参った。ジョンハート最高。私は勧善懲悪ものには感じなかったし、アメリカがトルコをばかにしているとも思わなかった。間違いなく名作。 【JF】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-04-23 16:34:21) |
16.「運が悪かった」では片付けられない、あまりにも恐ろしい現実。それを体験していた者の苦悩と絶望が、凄まじいリアリティで迫ってくる。アラン・パーカーの初期監督作ですが、この演出の完成度は何なのでしょう。主人公の顔のクローズアップと、心臓の鼓動音の効果といったらもう… 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-26 01:10:27) |
15.《ネタバレ》 私が若いころ、合コンに行くと最高の映画としてこの作品をあげていました。70年代から80年初頭にかけてはこんなシリアスなくらい映画の全盛時代でした。 【ジブラルタの星】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2008-03-27 17:23:59) |
14.緊迫感の点では十点を超えると思う。トルコを馬鹿にしすぎは、アメリカお決まりのもんだろう。それには腹立つが緊迫感に九点。 |
13.本当に重い作品だしベースが実話だけあってリアリティもある。一度は観たい作品。脱獄ものとしては一味違った。 【ゆきむら】さん 9点(2004-08-27 04:26:14) |
12.アラン・パーカーの最高傑作。本作は原作(実話)を大きくアレンジしています。原作は、投獄の理由である麻薬が刑務所内ではどうどうと使用されている矛盾、米・トルコ政府間の問題の生け贄となった境遇がテーマとなっています。本作では、自由への渇望を強調し、主題としています。刑務所内での麻薬に関するエピソードをばっさりと切り、原作にはない恋人をキャスト、刑務所内の悲痛な状況をしつこく描写しました。 これらは、すべて成功しているように思います。 ===53の最後の人物(マックス)について=== マックスは、原作にも登場します。原作では、刑務所内での麻薬の乱用により、廃人になります。主人公ビリーは、開放刑務所に移転させられたため(ここから脱走が始まります)、マックスの消息はわからなくなります。(記憶違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください) |
11.最初からグイグイ引きこまれ、突っ走ったまま観終わってしまいました。こんなことが現実的にありそうで少し怖かったですが、観終わった後の爽快感は何とも言えませんでした。 【カニカニグー】さん 9点(2004-03-16 23:16:24) |
10.《ネタバレ》 通常監獄モノはどうしてもありきたりな感じなストーリーになってしまうのだが(投獄→看守にいびられて→看守にリベンジ→脱走または出所)それを差し引いてもかなりのインパクトのある作品。冒頭の心臓の音の効果音が消えてもずぅーっと心拍音が聞こえてる感じ。ホ○の看守の事とか虐待に関してトルコ政府はクレームをつけたのかがちと心配になる。 【わーる】さん 9点(2004-01-21 01:50:17) |
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9.最近の事情はわからないが、少なくとも80年代前半まで、この映画はトルコ大使館の抗議により地上波で放映できなかった。そういう経緯がますますこの物語の信憑性を増してしまうわけだが、公開当時これほどハラハラ、ドキドキしながら観た映画もなかった。普通に脱獄モノとして観ても十分楽しめるし、外国をナメてかかると恐ろしいことになるよ、という一つの教訓にもなっている。オリバー・ストーンはシナリオを書いてた頃の方が芸が生きていた気がする。これは必要な映画だし、葬ってはいけないとも思う。主役の二人はあっさり葬り去られたが。 【anemone】さん 9点(2003-11-29 23:59:57) |
8.主人公は自業自得。だけどなんなんだ? ハシシ腹巻きで警官隊に囲まれた主人公の心臓の鼓動とともに、ぐいぐい引き込まれていった。実話がベースだけど、果たしてどこまで脚色されているのか? ほんとにトルコの刑務所ってこんななの? いろいろとグルグルしてしまう。恋人との面会シーン。これには泣けた。 【拇指】さん 9点(2003-11-27 00:02:06) |
7.他のレビューサイトで主人公の自業自得と一蹴していた意見が多かったのでここのレビューを見て少し安心しました。本人が悪いにせよあまりの残酷さ、悲惨さ。衝撃的なシーンばかりです。でも、どこまでが真実なのだろうか。日本とトルコは仲がいいんですよね、確か。ともかく海外旅行で浮かれていても軽はずみな行動は絶対にしないでおこう。 【ナノーマル】さん 9点(2003-11-03 19:08:29) |
6.《ネタバレ》 アメリカ人である主人公はトルコ人社会を理解せず、刑務所内でも常に西洋人の同胞しか認めない。脚本がオリバーストンだけあって、単純な二元論的世界感により、お互いの世界が決して交わることは無い。しかしその手法によって、圧倒的な力で一気に映画に引き込まれた。ガールフレンドとのガラス越しの面会の場面は、余りに異常な情景で慄然としました。 【ヨシオ】さん 9点(2003-10-24 21:47:53) |
5.個人と国家の関係を取り上げており、今にして思えば、後にO・ストーンが自分で監督した作品にも色々繋がるものがあります。終わり無き刑期、獄中での無意味な闘争に埋没していく主人公、ただただ、絶望、絶望。この映画もだいぶコケオドシ入ってるので、「え?」と思う所もありますが、モロダーの音楽(初の映画音楽でオスカー)とともに、ラストシーンの主人公の後ろ姿がどうにも忘れられません。 【鱗歌】さん 9点(2003-10-18 09:21:32) |
【コルソ】さん 9点(2003-05-15 22:27:30) |
3.実話だからリアルなのではなくて、描写と構成がそれを生んでいる。決して正しさを主人公に与えていない。観る側にたいする甘えのない、レベルの高い作品。9.5点。 【HAKO】さん 9点(2002-03-29 11:37:53) |
2.すさまじい緊張感、同性愛や下を噛み切って殺すといった通常ではない感覚を納得させられてしまう。オリバーストーンはこんなシナリオを書けるのに監督作品はなぜにあんなにしょぼいのか 【f taka】さん 9点(2001-06-30 03:48:07) |
1.異国の刑務所という隔絶された空間での異常な世界で心身ともに蝕まれていく緊迫感が秀逸。トルコとアメリカの政治的な駆け引きに利用され出所間際に刑期が30年に延長された主人公の悲痛な叫びが心に重くのしかかる。実話と言うのが怖い。 【BOBA】さん 9点(2000-11-26 13:48:54) |