1.《ネタバレ》 ラオール・ウォルシュ節爆発の傑作西部劇だった。
やっぱり「死の谷」とか「追跡」が好きな俺にとって、娯楽に全力疾走したウォルシュ映画はあんまり好きじゃない。
でもそんな事いったらジョン・フォードの「荒野の決闘」なんか、史実無視でよくもあれだけゆったりとした恋愛?ドラマにしちゃったもんだし(後の「タイタニック」はもっと酷い)、
あのグリフィスの「国民の創生」だって、ドラマの掘り下げとアクションは最高だったけど黒人差別の描写が一方的すぎて大いにマイナスだった。
リンカンを描くならリンカンが戦う理由となった黒人への多面的な描写も必要なのにな。
まあ歴史的考証は黒人描写以外100点に近いけどな。
それは「タイタニック」にも言える(かも)。
本作「壮烈第七騎兵隊」はタイトル通りのアクション重視の娯楽大作。
アクションは流石に目を見張るシーンが多い。
馬の躍動感が異常。
南北戦争の雄「カスター将軍」と第七騎兵隊の壮絶な散り様をダイナミックに描く。
カスター将軍の文字通り壮烈な人間模様、軍人としての調練と恋、組織汚職との孤独な戦い。
待ち受けるインディアンの大群、死を前にして覚悟を決めた男の雄姿・・・前半あれだけフザケきった悪ガキのエロール・フリンが一角の大将として成長した姿には心打たれる。
後の「独眼竜正宗」である。
甘い青春に富んだ単純なストーリーが、軍人となった男の孤独なドラマに変わっていく様・・・やっぱウォルシュ映画は良いなあ。