2.《ネタバレ》 崩壊する住宅街、巨大ビル群、そしてランドマークの数々。家が一戸つぶれても結構なインパクトなのに、それが連鎖するのですからもう大変。大海原に大陸プレートが引き込まれていく様など圧巻の一言。これほど見事に文明を壊すとは恐れ入りました。恐怖を通り越して、ある種の爽快感さえ感じる大崩壊劇でした。さらに素晴らしいのは、アクションに娯楽性が存分に加味されていること。車が行過ぎる傍から崩れ落ちていく道路。火山弾と爆煙を掻い潜り飛ぶ飛行機。アニメ等ではよく見かけるシーンですが、実写だと荒唐無稽過ぎて意外と敬遠されがち。実際リアリティなんてありません。でも徹底してそんな場面ばかりだと、これまた快感になってくる。もう何でもやっちゃって頂戴って感じ。自分の中の「想像の幅」が広がりました。これぞスペクタクル。これぞパニック映画。極めて正しいCGの使い方を見せていただきました。脚本は一貫してバカなのですが、悪いとは思いませんでした。助かるために必要な権力と財力が無い主人公は、人脈と運と必死さで勝負した。この世は不平等だけど、嘆いていても仕方が無い。死に物狂いで道が開けることもある。希望のある結末だったと思います。なお、個人的にはどうしても助けたいキャラが2人いました。一人はゴードン医師。主人公一家結束のダシに使われたのは可哀想。頑張った彼には助かって欲しかった。そしてもう一人、強烈キャラのロシア人大富豪。『エンジン・スタート』は笑撃の名台詞でした。彼もまた助かるに足る人間力の持ち主だったと思います。こういう映画は劇場で観なくてはダメだと痛感しました。満足度の高い映画でした。