9.《ネタバレ》 最近は出会ったその日にやってしまうようなラブストーリーが多いけど、これは久し振りに純粋なラブストーリーにめぐり会えた気分です。
節度を弁えた英国紳士ならではのラブストーリーといった感じでしょうか。
最初はかなり嫌な奴だったチャーリーだけど、徐々に魅力が増していくのが良かった。
車の窓を開けて、惚れてまうやろー!って叫びたくなるような状況下でよく我慢したね。
ほんとはキスすらいけないことなんだろうけど、そこは大目に見てあげよう。
一方のヴィクターも悪い男ではなくて、ちょっと料理に夢中になり過ぎたのが敗因という結末は納得の行くものだった。
でも、それは彼の魅力だし、オープンする店に料理を食べに行ってみたいと思えるほど好感度は高かったので、ソフィーにとって苦渋の決断だったことは理解できる。
まあ、捨てられるヴィクターの立場から見ると酷い話で、ちょっと理不尽過ぎるけどね。
この物語はジュリエットへの手紙が50年の時を経てジュリエットからの手紙となったところから一気に面白くなって行く。
正直、クレアとロレンツォのラブストーリーだけでも感動的でちょっと泣きそうだったのにソフィーとチャーリーのラブストーリーまで絡んでくると参ったと言うしかなかった。
同姓同名の物語に相応しいラストのオチも綺麗に纏まっていて良かったし、ソフィーはひとりだけという言葉も心に沁みた。
あと、やっぱりソフィーの書いたジュリエットからの手紙がとても素晴らしくて勇気を与えられる文章だったので、この物語全体の説得力が増したような気がする。
もちろん記事の方も素晴らしかったに違いないので、ジュリエットへの手紙が爆発的に増えちゃったのも納得である。
ジュリエットの秘書さんたちはボランティアでやってるらしいけど、記事の反響が大き過ぎて大変だろうなってちょっと心配してしまいます。