《改行表示》10.《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。素晴らしい!美しい傑作。 大映時代劇の様式的なドラマの文体こそが、特撮部分のリアリティを裏支えしています。「ゴジラ」や「ウルトラマン」のようなサイエンスフィクションの場合、特撮のスペクタクル部分に比べて、ドラマ部分が説明的すぎて弱いのが常だし、その結果としてリアリティを損ねがちだけど、そういう意味では本作の神話的なリアリティのほうが優っている。怪物の15尺(4.5メートル)という大きさにも臨場感と緊迫感があり、巨大すぎてかえってドラマ世界から乖離してリアリティを損ねたりはしていない。鉄鎖を用いて怪物の捕縛を仕掛けたり、枯れ木を乗せた荷車を燃やして火攻めにする戦法なども、よく考証されていると思う。 結末はやや呆気なく、欲をいえば城下の平穏な暮らしが再建されるまでを描いてほしかったけれど、84分であっさり語り終える簡潔な筆致こそが叙事詩的なリアリティにふさわしいのかもしれません。市川雷蔵の「眠狂四郎」や勝新太郎の「座頭市」のような時代劇美学と比べられることもあるでしょうが、わたしはむしろ溝口健二の「雨月物語」や「近松物語」に匹敵するような叙事詩的な説得力を感じました。 【まいか】さん [インターネット(邦画)] 9点(2022-08-12 00:11:34) (良:1票) |
9.初代ゴジラに匹敵する傑作。ストーリーは単純明解、何のひねりもないが、映像の凄さは圧倒的。現在のCGとは質感がまるで違う。特にセットの素晴らしさは特筆物。大魔神のサイズがゴジラやガメラと違って、5メートルくらいの設定なので、セットも大きく作られ、より緻密になっているようだ。また人間と相対したときのサイズが妙に生生しくて、恐さを増していたように思う。実際、原寸大の大魔神も作られたようだ。そして、伊福部昭の音楽が絶対的。他にはありえない。それにしても、こんな恐い映画、当蒔子供に見せちゃいけなかった。高田美和の、あまりの可愛さも子供にはもったいない。 【ブタノケ2】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-06-26 23:29:38) |
8.子供の頃から、やたら大好きだった『大魔神』。武神像が暴れるクライマックスはともかく、そこに至るまでの時代劇は、子供が観ててオモロイはずが無いようにも思うのですが、テレビで放送されるたびに、我慢して観ていたらしい、当時の私。えらいぞ(笑)。でまあ、なぜそんなに『大魔神』が気に入っていたのか、分析してみるに・・・・・・(1)大魔神のサイズの手頃さ。ガメラ等の怪獣モノ、あるいはテレビのウルトラマン等、確かに好きだったけど、いかんせんデカすぎる。ドラマ部分と特撮ミニチュア部分が、どうしても別世界になってしまっていて、身近に感じるという意味でのリアリティが希薄。しかし大魔神は、まさに実感できるレベルでの大きさ、なんだね。これがユニークで、怖さもあった。大魔神は、身近なヒーロー(笑)なのだ。 (2)物まねしやすさ。子供の頃は「ごっこ遊び」がつきもの。人間に似た体型で、ノシノシ歩くだけの大魔神。憤怒の形相もモノマネにはもってこい。しかも、「変身キャラ」であるという、子供が大喜びのツボも押さえているのだ! (3)印象的なギミック。ドラマ部分が子供には面白かろうハズが無い、と上で書いておきながら、実は、当時メチャメチャ強い印象を残したのは、杭を打たれた武神像が流血するシーン!だったりするわけで。しかもこの杭が後で重要な役割を果たすというのが、まさに絶妙な伏線、二重のギミック。さすがに神だって、あんなもん打ち込まれたら、痛いのだ。怒るのだ。ああ恐ろしい。 ・・・・・・そんなわけで本作、個人的には「屈指の一本」なのであります。いつになったらハリウッドでリメイクされるのだろうか? 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 9点(2007-04-28 18:04:55) (良:2票)(笑:1票) |
7.大映特撮陣の技術もさることながら、森田富士郎さんのカメラがとにかく素晴らしいです。ロングショットの人物構図、そして大魔神構図、きまってる~。しびれたのは巫女と左馬之助の対峙シーン。巫女の向こうに銃を構えた左馬之助、ズームで寄りながらピントを銃口へ、引き金を引く瞬間、すかさず左馬之助へフォーカス送り。むむむ~。そして巫女を斬った瞬間、周りの照明を落とし巫女を浮かび上げることにより、神をも畏れぬ傲慢さ、不遜ぶりを描き、これから起こる不吉な出来事を予感させます。また大魔神を登場させるまでのじわじわした演出も、この大魔神の神格、おとなしいけど怒ると恐ろしいぞ~、といわんばかりでお見事。滝の上にたたずむ大魔神の石像を超ロングショットでとらえ、傍らまでいくとちらっと一瞬だけ大魔神を写した後、まだ見せませんよ~、とカットを割ってじらしてきます。高田美和の祈り、大魔神の無表情、これが本当のストーンフェイスですな。その無表情と憤怒の形相、そして乙女の涙、それらを含みこんだすべてが「大魔神」ですね。 【彦馬】さん 9点(2004-09-08 23:22:50) (良:1票) |
6.タメが効いた作品の最高峰!なかなかその姿を現さない大魔神。無力な人間どもの神をも恐れぬ所業でひっぱれるだけひっぱって、観客の魔神登場に対する期待感が頂点に達したところで《《《!!どっかーん!!》》》と出てきて爆発的威力を見せつけ、観客がびっくりして思考停止している間にさっといなくなちゃう。これぞ怪獣映画のお手本!否、怪獣映画というワクを越えてもこれほどのカタルシスを味わえる作品にはなかなかお目にかかれない。いざ暴れ始めると善悪という価値観も関係ない存在という点も神話的で案外深いものがあるような。大人になって見返す怪獣映画は、かつてこんなものに夢中になった自分が単なる低能なガキだったことを思い知らされるものがほとんどだが、この作品だけは今でも充分楽しめる。さすが幾多の名監督を擁する大映京都。撮影環境とスタッフの底力が同時期ガメラシリーズを作っていた大映東京とは全然違う。 【皮マン】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-04-16 04:21:14) (良:2票) |
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5.いやぁ~、大好きこの映画。子供心に神様を怒らせちゃいけないなと思ったもん。怒った大魔人って人は踏み潰すわ、すごいすごい。 【yukaori】さん 9点(2003-12-08 04:45:48) |
4.《ネタバレ》 とにかく子供心に怖い映画でした。武人埴輪の姿から緑色の魔神に変身するシーンは、一時期学校で流行りましたねえ(笑)。戦国時代に舞台設定をとり、乗っ取りや裏切り、魔神伝説などをうまく取り入れて、非常に面白い作品に仕上がっています。とにかく無表情なままどこまでも追いかけてくる大魔神が怖えええぇ~!(笑) <2003年12月15日追記>何が怖いって、額に杭を刺したまま無表情の怒りの形相でズンズンと、どこまでもどこまでもどこまでも、左馬之助を追いかけてくるその不気味さ! そして遂に追いつめた奴を、デカい手で門柱か何かに押さえつけて、自分の額から杭を抜いたかと思うと、これまたゴルゴ13のような冷徹さで、左馬之助めがけて突き立てるその衝撃! 子供にとっては、身体中の血が凍るほど怖かったんですよね。今この恐怖を味わえない若い人達に、とっても優越感を感じる至福の時ですよね(ね?御同輩(微笑))。<2006年4月21日追記>Gyaoで再視聴。櫓の中で左馬之助を捕まえたのは左手だったけれど、連れて歩いているときは右手。そして打ち付けるときに押さえていたのは左手。細かく持ち分けていたんだね(笑)。いやあ、それにしても(←口癖(笑))やっぱり好くできたストーリーと、演出が上手い! 魔神がずんずんとゆっくり迫ってくるのは、やっぱり怖いなあ。小道具を使った恐怖のあおり方は見事! 【オオカミ】さん [映画館(字幕)] 9点(2003-11-17 10:53:11) (笑:1票) |
3.どんなに逃げても、逃げても。走ろうが、隠れようが、あんなにゆっくりとしか追ってこない大魔神から決して逃げられない恐怖。たとえ自分に罪や非が無かろうと襲われてしまうかも知れぬ魔人の怒り。これは怖い。 何をもって「許し」を得るのか?最早怪物映画をこえてホラーの極致だ。 世界で日本だけが持ちえた恐怖映画のひとつじゃないだろうか。音楽、効果音、美術とも最高だ。 【るーす】さん 9点(2003-06-10 17:00:23) |
2.SFXを使ってどうしてもリメイクでやって欲しい作品です。誰かやらないかなー。 |
1.最近知ったんですが、マリナーズの佐々木投手が“大魔神”って呼ばれるのは、リリーフの守護神を強調した表現からではなく、単に顔が“大魔神”に似てるからだってね。知ってたあ~~~? ☆で、本作ですが、水戸黄門とか遠山の金さんみたいな作りだと思えば良いですかね。大魔神登場までは、思いっきり引っ張るだけ引っ張ってるんで、その点は覚悟してみるべし。子供の頃、観たんですが、悪人であろうと村人であろうとお構いなしに虐殺(暴走)してしまうところはハードでした。☆世代でしょうか?高田美和を観ると何故か、その後の境遇から興奮してしまう哀しい自分がいます。 【イマジン】さん 9点(2001-10-25 12:12:00) |