ノスタルジアのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ノスタルジア

[ノスタルジア]
Nostalgia
(Nostalghia)
1983年ソ連上映時間:126分
平均点:7.02 / 10(Review 44人) (点数分布表示)
公開開始日(1984-03- )
ドラマ
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-08-18)【Cinecdocke】さん
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監督アンドレイ・タルコフスキー
キャストオレグ・ヤンコフスキー(男優)アンドレイ・ゴルチャコフ
エルランド・ヨセフソン(男優)ドメニコ
ドミツィアーナ・ジョルダーノ(女優)エウジェニア
デリア・ボッカルド(女優)ドメニコの妻
脚本アンドレイ・タルコフスキー
トニーノ・グエッラ
作曲ジュゼッペ・ヴェルディ"Requiem æternam"
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン"Symphony No. 9 in D Minor, op. 125”
撮影ジュゼッペ・ランチ
製作総指揮マノロ・ボロニーニ〔製作〕
配給フランス映画社
字幕翻訳吉岡芳子
あらすじ
モスクワから来た詩人・アンドレイは自死した作曲家・サスノフスキーの取材のため、通訳の女性と共にイタリア中部のトスカーナを訪れていた。心臓病を患い、先が長くない彼は、世界の終末を信じ込み家族を7年間幽閉していたドメニコに出会う。
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10.私が選ぶのではなく、私が選ばれること。それが『ノスタルジア』のテーマである。主体性が揺らぎ、否応なく突き動かされる。私の意志とは何か。その他者性とは。意識が朦朧とした眠気の中で、ギリギリの想像を働かせる『ノスタルジア』。その鑑賞方法は正しい。  精神と芸術は人間の意志から生まれるが、それは他者との邂逅でもある。意志による制御は失われ、私は他者に強制され、翻弄される。観る人にとって、それはある意味で「学び」と同じ。選ばれしことを受け入れ想像し理解し耐え学ぶ。言葉・世界を受け入れてこそ、その地平において、非言語的な感受、ある種の元型、ノスタルジアという領域がシンクロするのではないか。
onomichiさん [DVD(字幕)] 9点(2024-06-19 00:52:26)
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9.《ネタバレ》 イタリアの中部地方の山間には、不可思議な町、あるいは村が存在する。それはまさに「存在」そのものだ。 アンドレイ・タルコフスキー監督の「ノスタルジー」が描くのは、幻想の「水」を辿る旅であり、タルコフスキー自身の、故郷ロシアへの郷愁が、主人公アンドレイ・ゴルチャコフの心象風景として表われていると思います。  ゴルチャコフは呟く。「この風景は、どこかモスクワに似ている」と。霧の漂う丘陵地帯。白い馬。佇む女たち。 そこには、動くことを止めた時が、うずくまっている。 かと思うと、深い谷底から生えてきた角のような台地に、ひしめきあって建つ、赤っぽい石造りの建物。  周囲を濃い緑の山々に囲まれた一握りの台地は、霧の切れる一瞬、幻想ではなかったかと、私は目を疑ってしまう。 しかし、確かに実在する土地なのだ。「ノスタルジア」の旅は、こうして、幻想の中でスタートする--------。  イタリアで、ロシアの詩人ゴルチャコフは、恋人のエウジェニアとともに温泉地を訪れ、世紀末の世を救おうと、ろうそくを灯して水を渡ることに執着する老人ドメニコと出会う。  エウジェニアは、ロシアへのノスタルジアにとり憑かれたゴルチャコフの、果てしない思案に耐え切れず、別の恋人のもとへ去ってしまう。 そして、ドメニコは焼身自殺し、残されたゴルチャコフは、ドメニコの遺志を継いで、ひとりで温泉を渡り切った時、力尽きてしまうのだった--------。  タルコフスキーにとって「水」は、地上で最も美しく、謎めいた物質なのだろう。だから、ドメニコは俗世の人間に狂人扱いされながらも、水=温泉を渡ろうとする。 俗世間の人々から、このように狂人扱いされているドメニコは、世紀末の世界を救おうと、ろうそくを灯して水を渡ろうとする。 「水」は、禊に使われるように、ここでもある種の力を持っている。 そして、「水」はあの世とこの世の間の川。ドメニコは、その川の渡し守なのだ。  また、この「水」は、母胎の中の羊水でもあり、世紀末を世界の始まりに戻そうとすることは、胎内への回帰等、胎を持たない男の発想であり、そんなことでもたつくゴルチャコフに嫌気がさして去ってゆくエウジェニアは、中性的な魅力にあふれている。  この映画の中で、特に印象的だった場面は、水溜まりの向こうに横たわるゴルチャコフ。雨が降っている。屋根のない柱廊。 廃墟と化し、屋内であり、屋外でもある奇妙な建物、映画全体を支配する幻を、この建物に感じてしまいました。
dreamerさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2019-04-08 18:02:31)
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8.《ネタバレ》 映画の中で自殺するくらいなら、現実で自殺するほうが良いと思っていたが、 この映画を観終えて現実で自殺するくらいなら、映画の中で自殺するほうが良いと意見を変える気になった。 一度目はこの映画の「悪趣味」に辟易とし、最初の三十分程で切り上げたが、二度目で見通した。 とはいえ、さすがにやり過ぎた表現が多かった。 ラストシーンで突然滲出してくる「甘さ」も、欠点に近いだろう。
浅田荷葉さん [DVD(字幕)] 9点(2019-03-12 02:56:12)
7.《ネタバレ》 壮大な映画叙事詩。ラストの山・雨・火事・雪の幻想的なシーンは驚愕。それと対比するかのような人間が蝋燭の火を運ぶ長回しのワンシーンも圧巻。映像だけで満腹感の映画。
にけさん [映画館(字幕)] 9点(2019-01-24 15:06:08)
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6.《ネタバレ》 これは、タルコフスキーが苦手・タルコフスキー入門に最適な最高の映画だ。 俺もタルコフスキーの映画から一番好きなものを選べと言われれば、何の躊躇もなくこの作品を挙げるだろう。 「ストーカー」とか長い映画はちと退屈してしまったが(それでもスゲエ面白かったけど)、この映画は何時の間にか30分とか1時間経っているような感じで一切退屈しなかった。 タルコフスキー独特の美しき映像世界、幻想的な水面の輝き…いや、水面を照らす光というべきか。 劇中のアンドレイは、この映画を撮った数年後にこの世を去ったタルコフスキー自身の分身らしい。 遺作は「サクリファイス」だが、俺は「ノスタルジア」の方がダイレクトに死の匂いを感じた。 「ノスタルジア」のアンドレイは自分の死期をさとり、奴隷にされると解っていても生まれ故郷に骨を埋めるつもりだった。どうせ死ぬなら、故郷の美しい風景を見ながら死にたい。 彼は助手のエウジュニアという女性を連れ、自殺した作曲家の取材をしにイタリアの地を訪れる。 アンドレイは何故死人に思いを馳せるのか。やはり自分の死期が迫っているからなのか。 ホテルで会話する二人の平和な一時が好きだ。 一瞬何処にいるのかと思うと、部屋の中でイスに腰掛けて談笑する二人の姿が見えてきたり、エウジュニアが階段目掛けてスタートダッシュを決めようとしたら、電気が消えたのにビビッてすっ転んでしまうシーンに和む。何これ可愛い。 だが、先の長くない自分の身を彼女に背負わせるような事は出来なかった。 訪れたイタリアの温泉に二人が入ろうとしなかったのも、仲が深まるのを避けたからだろうか。 彼女の尻の叩き方だって、愛する女性に対するものというよりは教え子や子供に対する感じだった。 やがてアンドレイは一人で旅を続ける。 世界の終わりを待つ狂人ドメニコを救おうとして。いや、アンドレイとドメニコの対峙は二人の男同士による闘いそのものだ。 死期をさとったからこそ前に進もうとするアンドレイ、終わりを信じ込み自分の世界に閉じこもってしまったドメニコの対比。 ドメニコは絶望で自分を燃やし尽くしてしまうが、アンドレイは己の命を賭してドメニコを救おうと彼の“依頼”を成し遂げる。 結局は哀しい結末が待ち受けていたが、我々はアンドレイのように自分の死期と向き合えるだけの魂があるのだろうか。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 07:56:42)(良:1票)
5.この映画に感じる、映画音楽「として」の強い印象。ここでいう映画音楽とは、作品内で引用されるヴェルディ(レクイエム)やベートーヴェン(第九)だけを意味するのではありません。映画の背景に流れるすべての物音、あるいは静寂までもが、音楽なのですね。と、これだけ言うと何だかジョン・ケージの受け売りみたいでアホ丸出しだけど、どっちかというと、私はこの映画「音楽」から、ルイジ・ノーノの作品などを思い出してしまうのです。断続する微かな音と静寂。この作品を表現するのに、「映像的な音楽」と言っても当たらないし、「音楽的な映像」と言っても違和感がある。水、炎、霧といった原宗教的な映像と、さまざまな音、微かな音が織り成す独特の流れの世界。この映画がイタリアを舞台にしているのは、「音」としてイタリア語の響きが必要であったから、とすら思えてしまうのですが、これはさすがに穿ち過ぎでしょうか。そして、その流れの先にあるのは、静かなる高揚と、あまりにも美しい徒労。・・・・・・そういえば、この映画「音楽」より思いが馳せるルイジ・ノーノ作品のひとつ、彼の晩年の作品に、以下のようなものがありました。『進むべき道はない、だが進まねばならない・・・アンドレイ・タルコフスキー』
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-04-20 16:26:44)
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4.《ネタバレ》 タイトルが魅力的なこの作品。  タルコフスキーの作品は、全ての内容を完璧に理解することはとてもできないけれど、 しかし、その映像の美しさは心の奥で印象に残る。  その美しさのひとつは「水」や「炎」「風」「緑」といったエレメントを 生き生きと描き出しているからかだと思います。  それらがまるで生きているかの様に不思議な力を放っている。  特に、水の透明さが素晴らしく、その向こうに見える藻や石像などがとても奇麗で神秘的に映し出されている。  石畳の建物(そこに様々な形をした窓や階段など)がとてもいい雰囲気を出している。  ガラスの繊細さも奇麗に描かれていて、 水の入った色とりどりのビンが所々に配置されていて奇麗だ。  水浸しの建物で、その水面を背景にして、 本が燃えているシーンなんて、とても不思議な美しさがあると思う。  温泉も印象に残る。「温泉のお湯」は、「冷たい水」とは少し違ったものとして表現されていてそれが面白いと思いました。  「水」は透き通っていて透明感があるけど、 「お湯」には臭いがあり、湯気が立ちのぼり、不透明に濁っていて、しかしとても暖かさがある。また、この「湯気」が独特の生命感をはなっている。  演説を聞いている人々は静止していて、バラバラに配置されているみたいだけど、 それが何故か全体的にバランスが保たれていて統一感がある。それが独特の静かな雰囲気を放っている。これがまた美しい。  最後の巨大な教会(あれはどうなってるの?)も、圧倒されるほどの神々しさだった。 この巨大感、この世離れした雰囲気、この崇高さ、 大袈裟過ぎかもしれませんが、(この場面の一瞬だけ)もう人知を超越しているように思う。 
ゴシックヘッドさん [DVD(字幕)] 9点(2007-12-04 02:42:52)
3.蝋燭を消さずに温泉を渡りきれたら世界が救われる?そういう妄想をよく子供時代にしたものだ。そういうぶっ飛んだ空想を理解しようとするのは無駄。こんなところに政治性やメッセージ性を探りださなくても、この作品は十二分に名作に値するものだと思う。これは映画というよりも動く絵画だ。とにかくタルコフスキーは表現者として、表現するという猛烈な動機に駆られてこの映画を完成させた。我々凡人は美術館で絵画を鑑賞するごとく、その神々しさに浸ればよいのではなかろうか。途中で眠くなるのは、BGMがほとんど無いから。あまりにも静寂すぎるから。しかし、美術館でも、行列の波におされゾロゾロと見るだけでなく、真ん中のベンチに座って休みながら、遠くからボーっと眺めることもオツなものだ。この映画だって、途中で寝ても一向に構わないと思う。タルコフスキーのノスタルジーについて予備知識が無ければ、メッセージを理解することなど困難だ。そんなことより、寝てしまったら、途中からまた見直せばよい。見終わっても、巻き戻しながら好きなシーンを見ればよい。この映画は1カットごとに、それだけのパワーがある。思わず画面に見入って、跳ね返されてしまうかのようだ。
神谷玄次郎さん 9点(2004-03-06 19:36:18)(良:1票)
2.マジよくみつけてくるよねあんな場所。神秘にも程がある
えたひにんさん 9点(2003-03-25 00:22:08)
1.この作品の映像美は極上と言ってもいいでしょう、あまりにも綺麗なので2回続けて観てしまいました。ちなみに眠くはなりませんでしたよ(笑)。
眼力王さん 9点(2003-01-17 02:38:46)
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【点数情報】

Review人数 44人
平均点数 7.02点
000.00%
100.00%
236.82%
312.27%
449.09%
5511.36%
6613.64%
736.82%
849.09%
91022.73%
10818.18%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.66点 Review3人
2 ストーリー評価 10.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.66点 Review3人
4 音楽評価 9.66点 Review3人
5 感泣評価 10.00点 Review1人
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