2.《ネタバレ》 「攻撃」に並ぶアルドリッチの傑作戦争映画。
冒頭10分は収容所における囚人たちの丁寧なキャラの掘り下げ。問題児や凶悪な性格で軍という“組織”から追い出された12人の男たち。それをリー・マーヴィン演じる鬼軍曹がまとめ上げ、13人の軍隊として成長していく物語です。
更正するのではなく、その攻撃本能を逆にそのまま少数精鋭の部隊として利用しようってアイデアが面白い。断っても今までの罪で銃殺、どうせ死ぬなら戦場で敵を殺してから死んでやらあっ。それぞれの反骨精神!
心と体を鍛えなおす訓練、友情を深めていく男たちの姿は勇ましい。
特にトイレで将校二人に襲われるブロンソンを助けに駆けつける仲間たちの姿が最高にカッコイイ。男の友情ですね。チャールズ・ブロンソン、ロバート・ライアンや俳優時代のジョン・カサヴェテスも活き活きとした表情をしています。
模擬訓練と実戦の凄惨さの違い。
そして戦いは第二次大戦のノルマンディー上陸作戦の夜に。
リー・マーヴィン率いる部隊は先鋒隊として落下傘で上陸。
眼には眼を、ゲスにはゲスを・・・それがアルドリッチ流。
「攻撃」で本当の敵は無能な上司である事を描いたアルドリッチです。
戦争に卑怯もクソも無い、非戦闘員も女・子供も容赦なく殺していく軍隊の残虐さ、粘り気。
しかしそこには国のためでなく、仲間たちのために心を鬼にして戦い死んでやらあという野郎どもしかいないのです。
密室に閉じ込め手榴弾でまとめてアボーンッ。えげつねえ。まったくゲス野郎共め!(褒め言葉)
怯えるブロンソンに、リー・マーヴィンは「コレが戦争なんだ!」と言う。大義名分もクソも、その時その時で変わってしまうのが戦争の怖いところ。
次々に散っていく男たち・・・ただ彼らはその一瞬の中で人間として自分を取り戻していったのかも知れません。
正しマゴットてめえは駄目だ。
激戦の果て、病院にたたずむ3人の何とも言えない表情が印象的でした。