《改行表示》17.《ネタバレ》 若い頃に観た映画を年取って観ると、期待を裏切られることはよくあるのだが、この映画には唸った。 まず若きクリストファー・ウォーケンの演技が素晴らしい。 哀しみと諦念と覚悟を決めた彼の表情は、寂しげで情感たっぷりで、映画の世界に引き込まれる。 タイムスリップして子供時代のヒトラーに出会ったら、ヒトラーを殺すか否か。 主治医に対する問いかけは、そのまま観ている私たちに対する問いかけとなる。 彼が救いたかったのは、世界だろうか。それともかつての恋人だろうか。 自己犠牲を伴う、決して賞賛されることのない美しい行動。 クリストファー・ウォーケンの繊細な表情が完璧にはまっていた。 クローネンバーグ監督の中でも、一番好きな映画。 そして改めて観て初めて気づいたんだけど、これ、原作がスティーブン・キングなんだね。 いや、彼の多才な才能に改めて脱帽。 【roadster316】さん [インターネット(吹替)] 9点(2021-02-20 10:38:37) (良:1票) |
16.現時点でクローネンバーグの最高傑作。キングの長大な原作をコンパクトにまとめた脚本も良い。寒々しい冬景色に、C・ウォーケンの孤独な瞳が印象に残る。未来予知能力を手に入れてしまった者の悲劇。「タイムスリップできたらヒトラーを殺すか?」という質問が痛々しく、暗殺者の孤独が窺える。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-26 21:48:48) |
15.哀しくて切ない。「特異な能力」、「孤独」は「シックス・センス」にも通じるところがある。でもこっちには救いがない。だからよけい切ない。クリストファー・ウォーケンが見事。哀しい表情がいつまでも心に残る。 【ジェイムズ・ギャッツ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-11-17 18:01:35) |
14.クローネンバーグとキングとウォーケンのデッドゾーンというべき。三者の力がうまく合わさって初めてこういう名作になったんだと思う。淡々とした展開にウォーケンの抑えた渋い演技が味わい深い。寒い冬の白さの中に霞む主人公の悲哀が胸に詰まされる。演出、脚本も文句無く、完成度が非常に高い。これとキャリーとショーシャンクは個人的にキング原作の三大傑作。 【ぷりんぐるしゅ】さん 9点(2004-05-12 01:19:20) |
【ボバン】さん 9点(2004-01-16 00:38:50) |
12.これがなければ、クローネンバーグは私の嫌いな監督ベスト3に入るだろうな。間違いない。私にとってはこの映画1本の貢献で彼の評価は保たれているといっても過言ではないのだ。加えて言うならウォーケンもこれが一番いいと思う。彼は時々とんでもない駄作に出演したりしているけど、元々上手い役者なんだしもっと作品を選んで欲しいな。 【moe】さん 9点(2003-12-31 06:26:22) |
11.《ネタバレ》 キング×クローネンバーグ。この夢の組み合わせの割に地味な仕上がりで、どちらも苦手の方にもすすめられる一本。超能力を授かった故に孤独な戦いを強いられる主人公をウォーケンが好演している。カナダの寒々しい光景も本作の哀愁を深める役割を果たしていてよい。個人的に気に入ったのはヒロインのチョイス。とびっきりの美人ではないB・アダムスの起用で、主人公が心からヒロインを愛していることが痛切に伝わってくる。 【恭人】さん 9点(2003-12-13 23:09:10) |
《改行表示》10.この作品の魅力はクリストファーウォーケンに尽きる。 クローネンバーグの抑えた演出も○ 【BAMBI】さん 9点(2003-10-21 13:47:00) |
|
9.《ネタバレ》 サスペンス映画の傑作ですね。昏睡状態からさめた主人公が予知や幻視能力を身につけて、警察に協力して犯人逮捕したり、子供を事故からすくったり、という話が中盤で続くので、このまま終るのかと思っていたら、最後に意外な結末が用意されていた。よくありがちなサスペンスを盛り上げるためのしつこい過剰演出もほとんどなく、苦悩する主人公の姿が嫌味なく描かれている。デッドゾーンの意味の説明は多少強引と言えなくもないけど。ぜひテレビでの再放送をお願いしたい。 【キムリン】さん 9点(2003-08-19 11:51:34) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 無駄なシーンが一つもなく、最後まで引き込まれる作品。哀しい主人公をウォーケンが好演。結局主人公は最後まで報われませんが、息を引き取る寸前に、元恋人から「I love you.」と言ってもらえたことで救われたのでは? と思わなければやりきれない切ない映画です。 【チョコレクター】さん 9点(2003-08-02 21:19:14) |
7.超能力を絡めたサスペンスもので、どんな結末が用意されているのか最後の最後まで目が離せない。透視能力を持ってしまった、ウォーケン演じる主人公の誰にも分かってもらえない苦悩と孤独。クローネンバーグはジーンとくるドラマ性を染込ませており、様々な“愛”を描いた作品ともいえるだろう。狂ったテロリストの烙印覚悟で望んだラストが、この映画のクライマックス。意外な結末は溜飲が下がる一方、主人公の心情を察すると余りにも切ない。個人的には、クリストファー・ウォーケンの代表作にして監督クローネンバーグの最高傑作です。 【光りやまねこ】さん 9点(2003-06-22 20:12:28) |
6.この映画を製作したディノ・デ・ラウレンティスッて人、『砂の惑星』のデイヴィッド・リンチといい、『ハンニバル』のリドリー・スコットといい、そしてこの映画のクローネンバーグといい、自社の超大作に何でこうも作家性の強い監督を起用したがるんだろう。やはり、イタリア時代にフェリーニやヴィスコンティと関わった映画屋魂? ということで、おそらくクローネンバーグのなかでも最もコマーシャルな、しかし最も美しい「愛」の映画になってる。ぼくも本当に本当に本当に大好きな1本です。本作のクリストファー・ウォーケンは、永遠なり! 【やましんの巻】さん 9点(2003-05-29 14:37:43) |
5.訳のわからない予知能力に振り回され自分自身に不安を感じながらも、じわじわと自分のなすべきことに近付いてゆき、恐ろしい使命を果たすウォーケンがとにかく上手い。ストーリー自体もひねりが効いていて、グチョグチョドロドロのクロちゃん作品とは思えない完成度ではないですか。何度見直してもいい感じの映画だと思います。 【ぶくぶく】さん [DVD(字幕)] 9点(2003-04-01 20:31:32) |
4.S・キング原作の映画ではトップクラスの出来だ。C・ウォーケンはまさにうってつけの役。繊細に描かれていてラストは見事なものだった。 |
3.恋っていいですね・・。愛っていいですね・・。美しいですね・・。オレも哀愁ただよわせたい。 【猫パンチ!】さん 9点(2002-12-03 01:28:08) |
2.リコシェ号さんが云ってるように、私も最も印象に残るのはクリストファー・ウォーケンの青くて奇麗でどこか憂いを帯びた瞳です。未来は変えられないと悩む主人公が、デッドゾーンに空白があると気付き、その正義感ゆえに人知れず犠牲になっていく姿は、とても悲しかった。超能力を身に付けてしまったが故に、ああいう人生の終わり方もあるのだな、とやりきれなさを感じつつ、妙に心に残る作品で、観た後もしばらくその余韻が残ります。 【MOON】さん 9点(2002-05-29 00:39:19) |
1.すいこまれそうな眼をしたウォーケンに目が離せません。「予知能力」というオカルトな内容にもかかわらず、哀しく切なくシリアスに仕上がっています。必見。 【リコシェ号】さん 9点(2001-12-09 00:56:10) |