3.例えばキャメロンディアズが街を歩いていたとしよう。「おっキャメロンディアズだ!」と興奮して思わず口に出してしまうだろう。しかし、別に追いかけたりはしない。江戸川の遊歩道あたりで倍賞千恵子を見かけたらどうだろう。思わず頭を垂れてひれ伏し最敬礼してしまうに違いない。「さくら」とはそういう存在なのだ。継続は力なり。いくら「メリーに首ったけ」のキャメロンがかわいくても所詮は大脳皮質レベル。倍賞さんはDNAレベルの女神なのだ。思うに、このシリーズが長く愛されたのは、さくらと寅の「絶対に見捨てない、裏切らない」絶対的に安定した絆を軸にしているからだ。浅丘ルリ子の啖呵は確かに気持ちいい。しかし、リリーの代わりはいても、さくらの代わりは世界中どこを探してもいないのである。何がいいたいかと言うと、とにかくさくらがいいのである。今BSでやっている「男はつらいよ」48連発に嵌っているのである。最近、録画し貯めたこいつを1日2本、休日4本ずつ観ている。いや仕事もちゃんとしてるんだけどさ、もう病気である。続けて観ると、倍賞さんが演じるさくらこそがこの映画の太陽だってことに改めて気づくわけです。今まで洋画ばっかり観てきました。邦画は宣伝ばっかりで全然駄目とも嘯きました。でも、ごめんなさい。今はこのシリーズ全体を抱きしめたいほど愛しています。降参です。おばちゃん役の三崎千恵子がBSのインタビューに出演していましたが、この映画を語るときの表情といったら・・美しい。確固とした愛情と自信と望郷が入り交じった、実にきれいな顔をしていた。
最後になってしまいましたが、この映画についてです。シリーズの中でもピカイチなのは皆さんがおっしゃるとおり。兄妹愛、恋心、友情が見事にバランスした、世界で一番後味のよい映画の1つです。長文失礼しました。