《改行表示》【kagrik】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-10 14:46:09) |
5.《ネタバレ》 保守とか革新とか、右とか左とか、今ではもうどーでもよくなってきたけど(現にソ連なんてとっくの昔に消滅してしまったけど)、それでも全然古さを感じさせない作品。権力の陰謀というテーマそのものは平凡であるにも関わらず、切り口が非常に斬新で、フランス映画独特のシニカルな味が全編にわたって良く効いている。途中でストーリーの軸足を野党議員から予審判事に移していったところに、作り手のセンスの良さが窺える。あえてケチをつけるとすれば、こん棒で一発殴っただけであんな風になるのかなと思うんだけど、まあ実際にあった事件をモデルにしてるらしいので・・・。それにその辺はあまり本質的ではないし、ということで納得。バシリコスの原作を読みたいと思ってさんざん探したけれど、絶版になっているらしく結局見当たらず。残念。 【鳥居甲斐守】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-06-08 19:20:27) |
4.《ネタバレ》 優れた映画作品には、3つのE、すなわち「3E」が備わっていると言います。その3Eというのは、「Educational(教育的で)」、「Enlightening(啓蒙的で)」、「Entertainment(面白い)」の3つです。その観点から言うと本作は、まさにこの3つの要素が備わった傑作中の傑作であると言えます。演説場での暴動と、議員が暗殺される一連のシーンの緊張感とダイナミズムは本当に素晴らしい!そして真実を追い求める予審判事と事件を収束させようとする国家権力の息をもつかせぬ闘い!国名こそ上げていないものの、当時のギリシャの軍事政権を批判した内容となっており、事実に即した悲惨な結末が待っていても、やはりこの作品には大いなる希望を見いだす事が出来ます。それは、真実はどれほど覆い隠そうとしてもいつか必ず暴かれるものであり、自由はいくら抑圧しようともいつか必ず人々の身に宿るという、この世の真理を雄弁に語っているからです。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-05-25 23:55:57) |
3.宗教と王室を守ることを第一義とする右翼体制の政府、警察国家、統治国家に対するコスタ・ガヴラスの批判的思想が生み出した作品であり、また、この作品の歴史的背景には驚嘆させられるしかないのだが、そんな思想より、背景よりも、この演出力である。独特な音楽も大きな魅力の一つであるが、群を抜いているのはカメラワーク。これほどまでに大胆で滑らかな動のカメラを私は知らない。ショットが短く複雑で、クロースアップも多用しているのに疲れさせることなくそれぞれのショットが流麗に繋がっている。モンタージュ技法を応用したフラッシュバックも過不足ない情報量が詰め込まれ、過去の出来事や心象を見事に伝えてくる。これはもう、とっくに政治作品云々を超えた「映画」であろう。細部に至るまでのリアリズムが貫かれているわけではないが、判事と同じく観客も中立の立場から作品に参加させる意図と、演出力によって敢えて行われる軽量化により、魅きつけられてしまう。映画の持ち得る力や魅力が分かり易く詰まった大傑作である。 【stroheim】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-24 12:46:32) |
2.恐るべし国家権力、その圧力がとてもわかりやすく描かれていた。非常にサスペンスチック。 【スルフィスタ】さん 9点(2004-03-01 21:56:54) |
1.↓みんみんさんの気持ちわかります。やっぱり一人で見ていて、見終わってからしばらく足腰が立ちませんでした。映画は色々と幅広く見てきていたつもりでしたがすごいショックでした。政治+サスペンスの大傑作です。 【サボてん】さん 9点(2003-05-10 00:54:36) |