《改行表示》19.《ネタバレ》 こういう作品のことを「映画」と呼ぶんだと思います。また本作はきちんとスクリーンで見れば楽しさ10倍増しなのは間違いありません。(自宅100インチ2.1チャンネル、スクリーン鑑賞) セシリア(ミア・ファロー)はあまり好きな女優ではありませんが、本作でも良い仕事をしています。私が好きじゃないだけで、彼女が素晴らしい役者なのは誰もが認めるところでしょう。本作の彼女はやたらとおっとりしていますが、このおっとりした雰囲気がより映画をメルヘンチックで素晴らしいものに昇華してくれていると思います。この映画が素敵になったのは彼女のおかげといっても過言ではないでしょう。 もちろんトム・バクスター/ギル・シェパード(ジェフ・ダニエルズ)も非常に素晴らしい演技をしてくれていて、飛行機で飛んできた本物とスクリーンから出てきた分身とで明らかに違う人物であるのが一目で判ります。さりげなく微妙に違う人間性をきちんと使い分けていて本当に素晴らしい。個人的には特に娼館で女性陣と語らうシーンが最高でした。ほほ愛の核心を突くのがスクリーンから飛び出してきた分身というのがお笑いポイントですが、不覚にも非常に感動的で涙が出そうになるレクチャーとなっています。 ウディ・アレンの良さは”間”の取り方にあると思います。本作ラストでもセシリアのシーンがあと2秒、長くても短くてもダメで、この絶妙な時間間隔で観客を飽きさせることなくしっかりと余韻に浸らせてくれます。この絶妙な間は本当に素晴らしいとしかいいようがありません。今はもう少なくなったクラシックな監督のなせる業です。 余談ですが、何気に同年公開のバック・トゥ・ザ・フューチャーと比較すると本作のほうが合成映像に違和感がないのが地味に凄いですね。。また美しいラストの「トップ・ハット(Top Hat)」でアステアが躍るシーンは「グリーンマイル」でも使われています。私は映画が大好きですが、映画ファンを語るならぜひとも一度は鑑賞しておくべき映画でしょう。私も早く見なきゃ・・ 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 9点(2024-10-22 17:49:19) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 この作品が、アレンの中で一番好き。つらい現実に直面しても、最後に 映画の中のアステアの シーンを見て、ヒロインの涙が笑顔に変わるところが大好き。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 9点(2018-12-25 19:03:08) |
17.《ネタバレ》 映画の中の虚像世界も世俗的だけど、たかがファンタジーをここまで作り込むのは流石。登場人物の気のきいたセリフが皮肉っぽくてとても可笑しい。ヒロインの幸せのハードルが低いので、現実世界に飛び出した虚像俳優同様思わず手を差し伸べたくなるけど、結局実在の人物の虚ろな愛の方を選んでしまう。絵にかいたような薄幸ヒロインが大好きな映画を見ながら笑顔になっていく前向きなラストに切なさを感じてしまう。 【ProPace】さん [CS・衛星(吹替)] 9点(2016-11-23 23:33:33) |
16.《ネタバレ》 最初に見たときは、スクリーン中の役者が飛び出してくるのにびっくりするだけだったけど、何度か繰り返して見ているうちにたまらなく好きになってしまった映画だ。映画と現実の相違をコメディとして表現しているが、ハッピーエンドに進行することなく切なく終わっている。飛び立ったギルの表情、再び映画にのめりこんでしまうセシリア、心に残る。ところで最初の方に出てきたレストランでセシリアの姉役のウェイトレス、ミア・ファローと雰囲気が似ているなと思い調べてみたら、実の妹ステファニー・ファローだったんですね。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-06-14 21:43:53) |
【Balrog】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-05-18 00:39:15) |
《改行表示》14.《ネタバレ》 映画ファンでファンタジー作品大好き、でもでもいつもは現実的な私です。 身の程を知り、自分をわきまえている主人公に感情移入したのは、言うまでもありません。 そんな私には、途中のロマンスのシーンは面白かったです。 こんな事が起こったらいいなぁ(うっとり) ウッディ・アレン監督さすがだなと感心しました。 そして話題のラストシーンに、ううむと唸らされました。 もしハッピーエンドだったならば、とてもつまらない作品になったことでしょう。 それでも映画が好きだし、アステアさんとロジャースさんに見とれる主人公に希望を感じた私です。 これからも映画をずっと観ていこうと思わせてくれた作品です。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-02-19 15:29:09) (良:1票) |
《改行表示》13.《ネタバレ》 W・アレンの映画によくある『グッド・オールドファッションド(かっこつけてカタカナにしました)』感覚に古くささを感じてしまう自分だけど、これは狡いくらいに映画ファンの心を鷲づかみにしちゃう一本だと思う。現実とスクリーンに映る夢は違うものと認識させられたヒロインと自分達観客。だけど最後に映る「トップ・ハット(Heaven~♪I'm in Heaven~♪)」で希望を与えられる、というラスト、はっきり言って卑怯だろう。でもいいんだ。そういった雰囲気作りのうまさ(役者ファローの全盛期!)にうならされる一本。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-03-27 21:11:47) (良:1票) |
12.《ネタバレ》 好きな映画。映画館で見たかった作品とも言える。ユーモアとペーソスを巧みに織り交ぜながら展開する語り口も巧みですが、観客が思い描くラストを裏切って、あのラストに着地する。それでいて不満足には陥らない。その匙加減の上手さが、アレンが天才といわれる所以だと思います。個人的には、ラストのミアの表情は、現実逃避するしか能がない女から、映画を愛してはいるけれど現実は知っている、強くしなやかな女性に成長したハッピーエンドだろうと思っています。きっと彼女は、もう暴力亭主の元に戻ることはないでしょう。だからこそ、切ないながらも爽やかな希望が残る映画だともいえます。 【Nujabest】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-10-22 23:45:23) (良:1票) |
11.Heaven~♪I’m In Heaven~♪で始まるオープニングからラストまでまさに夢見心地。ウディ・アレンの作品では一番好きです。「映画みたいな恋したい」とか、「映画の登場人物に恋をする」という事は映画ファンなら誰にでもあることですよね。でも現実は映画のようには行かない。だからまた映画館に足を運ぶ。そしてまた元気をもらって映画館を後にする。ミア・ファローが演じるセシリアのように。 【とらや】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2008-11-20 10:44:55) (良:1票) |
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《改行表示》10.《ネタバレ》 ウディ・アレンが苦手な人でもこの映画は楽しめるんじゃないかと思います。映画の世界と現実の世界を行き来するという、なんともうらやましいユニークな展開。でも結局、夢の世界と現実の世界は違う…。はっきり線を引かれたようで少し悲しかったですけど、現実の世界があるから、夢の世界も存在するんだな、と思いました。最後に傷ついたシシリアが、アステアの映画を観て微笑む。現実は映画のようにはいかない。だからこそ人は映画を観るんでしょうね。ウディ・アレンの映画は他の作品でも映画を観て救われる、というエピソードがある。映画によって励まされることは多い。言わずにはいられない、「映画ってほんとにいいもんですね」。 【きむねぇ】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-06-26 22:53:21) |
《改行表示》9.鑑賞後に月日が流れても、立ち止まり、その結末に想いを廻らせる、味わい深く素晴らしい作品。スクリーンを行ったり来たりするとこなんか完璧ツボ突かれまくりで、まさに夢見心地。 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-30 00:05:44) |
《改行表示》8.《ネタバレ》 ラストシーンに似た様な経験を、音楽を通じてした事があります。 彼女と別れたその日、仕事場で触れた音楽が素晴らしく、 微笑む事が出来たのですよ これって、芸術や娯楽の素晴らしさの中の一つ、ですよね。 また、「その場面」がアステアのダンスと歌、というのも素晴らしい、です。 【tj】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-01 05:07:42) (良:2票) |
《改行表示》7.高層ビルの最上階から地面に突き落とされたかのように衝撃を受けた作品。ラストではまさに「夢」から「現実」へと強引に引き戻されたような感を受ける。「現実」は汚い世界というセリフがあったかと思うが、まさに「現実」の厳しさを感じさせる。シンデレラはおとぎ話の中の世界であって厳しい現実からミアファローを救ってくれる王子様は存在しないということか。しかし、正確に言えばこれは間違いで、彼女にも王子様は確かに存在した。映画の中のトムである。 ミアには「虚構の中の夢(トム)」と「現実の中の夢(ギル)」と「現実の中の現実(夫)」という三つの道があったように思える。彼女が選んだ道は「現実の中の夢」だ。しかし自分にはなぜ「虚構の中の夢」をミアが選ばなかったのかも興味がある。ミアにとって、トムはあまりにも純粋すぎたのではないかという気がする。結婚してある程度、色々なことを知ってしまったミアにとって、彼の純粋さを受け入れることができなかった、または受け入れることに対する怖さがあったのではないだろうか。トムの純粋さを受け入れることができたのが、売春宿というのが何よりも皮肉的だ。 また、印象的だったのがラストのギルとミアの顔だ。ギルは飛行機の中で何を想うのか。ミアが薦めた役を演じることを決めたことからも、ミアに対する想いの全てが嘘なのではない。まだ端役であり、スターではないギルが選んだ選択もまた一つの「現実」だと思う。ミアを利用してトムをスクリーンに戻せなければ、ギルの俳優生命は終わるかもしれない…。彼にも厳しい「現実」を抱えていることは忘れてはいけない。 そして一人映画館に戻ってくるミア。なんとも哀しくも切ない表情である。しかし、あの映画を見つめる眼の輝き、何かを悟ったような笑顔は忘れられそうもない。「結局、私にはこれしかない」とでも言いたげであった。彼女には結局、夫の元へと戻るという「現実」しかないのだろうか。この映画を見ると、我々も何を求めて、映画館に足を運ぶのかを考えざるを得ない。 ミアと我々との違いもそれほどないのでないかとも思えてくる。ミアと自分自身を重ねて、色々なことを考させられる映画だ。アレン自身、自信のある作品と語っているだけに、この映画は本当に素晴らしい作品と思う。ファンタジックな内容でありながら「現実」を見つめている作品であり、また音楽も作品の内容とマッチしており素晴らしい。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-10 00:11:20) |
《改行表示》6.ミアがスクリーンから出てきた映画の出演者と本物の俳優のどちらかを選べ、と言われて現実の俳優を選ぶ。 これで幸せでない現実から抜け出せるかとときめいたのもつかの間、やはり現実は変わらず夢に終わる。 面白くもない辛い日常から抜け出せるのはスクリーンに没頭するひと時だけ、この時だけは夢の世界で幸せを感じていられる。 こうしてひと時の夢を見た後がっかりした彼女はまた新たな映画に夢を見る、、、 他の方もいわれてますが、虚構である映画で夢を見る楽しさや喜びを実に分かり易く描いて見せて素晴らしいです。 【キリコ】さん 9点(2004-06-06 18:25:40) (良:2票) |
5.映画の中の世界というのは、フィクションであろうが、ノンフィクションであろうが、観る者にとってはあくまで想像の世界です。想像は美しく、そして現実には手が届かないもの。その現実がまさに手の届くところにあったとしたら。。。スクリーンの中の憧れの俳優がまさに私の目の前に現れたとしたら。。。そんなストーリーなんて現実に起こるわけない!単なるファンタジーでしょ、っていう声が聞こえてきそうですね。「ニューシネマパラダイス」のアルフレードがスクリーンの女優たちに想いを抱き続けたように、「カイロの紫のバラ」のセシリアも「憧れ」の対象として映画を観続けます。そんなナイーブさを現実逃避だといって笑うでしょうか?そうかもしれません。でも、彼女たちのナイーブな想像世界は、そのナイーブさ故に、彼女を彼女自身たらしめるとても大切なものだと僕は思います。「憧れ」とは、起こり得ないことに可能性を抱くこと。それはある意味でポジティブで、ある意味で哀しい。しかし、その哀しさは、慈愛となり、あるとき恋の熱情にもなる。そして、それは、僕らを常に優しい気持ちにしてくれるのです。映画への「憧れ」は人を優しくします。そう思いませんか? |
4.《ネタバレ》 幸薄な主婦の前に映画の中の人物が飛び出してくる。非現実な世界。面白く切ないストーリー。こんな夢のような話好きです。最後のどんでん返しには驚いた。 【蘭】さん 9点(2003-07-05 23:53:53) |
3.アレンの映画としてはちょっと物足りなさを感じますが、それでもそのへんの(例えば最後に誰かが強引に死んで、さあ悲しみなさいって感じの)映画に比べたらよっぽど素敵なせつなさです。そしてなによりおもしろいです。切実だけどおもしろい。 【ハッピータン】さん 9点(2003-02-14 11:40:08) |
2.映画好きにはグッときませんか?アレンの作品の中じゃ一番好きだなあ。結局はウソの作り事であるたかが映画、されど映画・・・切ない結末がなんとも言えない佳作。 【Izumick】さん 9点(2002-11-22 12:46:11) |
1.映画って本当にいいもんだなぁと感じさせてくれた作品。アレンの映画への愛情がいっぱい詰まっている。 【万年青】さん 9点(2002-08-17 22:19:11) |