《改行表示》21.いい映画だったねぇ。 いかにもキューブリックらしく、どこにも破綻なく流れるようなきめ細かな映像が素晴らしい。 明りの使い方が抜群で、売春宿、ジャズバー、上流階級の乱交パーティなどなど、場面ごとに工夫された光が自然で美しい。 あとになってああそうかと思い当たる、伏線の張り方も見事。 観客は、トムクルーズに誘われてトムクルーズの心のままに見事に疑心暗鬼に陥る。 そして最後に・・・・・・・ これ以上はネタばれになるので書けないが、 一言でいえば、これは夫婦の愛情を真正面から描いた話。 だから最後のセリフ「ファック」は、こう言うだろうな、と予想できたw 惜しむらくは、ニコールキッドマンの、いかにもありがちな泣きの演技が、重ったるくてうざかった。 でマイナス1点。 最後まで一級品の映画を撮り続けたキューブリックだが、今後は見れないのかと思うと、つくづく残念。 【kinks】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-10-03 22:31:09) |
20.《ネタバレ》 スタンリー・キューブリック最後の傑作。終始ゆったりとしたテンポで進むのだが、冗長になる事も無く、逆にあっという間に時間が過ぎて行くという不思議な作品。実際2時間40分近くある作品とは思えない。殆ど単音で構成された主題ピアノ曲のように余計なものを排除した演出。台詞の量も多くは語らず、必要な事だけをゆっくりと話している。青、赤、緑などの幻想的なライトニングの色使いも美しい。画、音楽、台詞、役者の演技、これらの要素が丁寧に織られて一つの映画を成している。ゆったりとしたテンポも全て計算し尽くされたものであり、最後までキューブリックの演出手腕は鈍っていなかったと思い知らされる。コスチューム屋での日本人男性の騒動や、意味有りげなホテル受付男性の細かい演技など、キューブリックらしいブラック・ユーモアも健在。また、開始30分ほどで展開される夫婦喧嘩シーンでのニコール・キッドマンの演技は、「シャイニング」での狂ったジャック・ニコルソンの演技を彷彿とさせ、ニヤリとさせられる。 【rain on me】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2015-09-13 08:23:50) |
19.《ネタバレ》 わからんよ。わからんけど好き。なにが好きって、あのポスターとパンフレットとVHSの紫色のデザインが好き。特太ゴシックぽいフォントも好き。主演の二コール・キッドマンの名前の響き。女でありながらキッドマンという倒錯。そして映画を見たときに、なにか狭い一本道にもぐりこんでいくような。 【わんたん】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-05-11 00:57:03) |
《改行表示》18.《ネタバレ》 いつもレビューを書くときは『ネタバレ有』にしてるんですが、この作品はバレようにも自分が理解してないからなぁ(笑) ゆったりとした間で展開されるある夜の出来事。現実と夢が倒錯したようなカタチで見事に描かれています。 正直初見のときは頭の中『?』一色で、ポカーンとなったのを覚えています。おそらくエッチな目(期待)でこの作品を観ていたのでしょう。そんな邪な気持ちで観ててわかるほど甘いもんじゃないですよね。 今回、わりと冷静な気持ちで2回目の鑑賞となったわけですけど、今回は驚くほど楽しめました。もちろんわかったなんて言いません。わからないなりに楽しいと思えたんです。こーゆー気持ちをアウトプットするのは難しいけど、そう思ったので9点という点数で残しておきます。 また10年後くらいに観て、どんな印象に変わっているか、非常に楽しみな作品です。 【ろにまさ】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-04-17 21:28:25) (良:1票) |
《改行表示》17.《ネタバレ》 傑作だと思います。序盤のたいしたことのないシーンのようでいてものすごく官能的なダンスシーンから、ニコール・キッドマンのネグリジェでの独白。ここまででものすごい緊張感です。彼女は演技力ありますね。トム・クルーズもダメ男が似合ってました。 キューブリックの表現する世界はわかりにくいように思われがちですが、意外とシンプルなテーマです。Fuck!にはやられた。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-09-20 01:56:04) |
16.“性への渇望”これほどまでに映画のテーマとして難しいものを、徹底して描ききっていることに驚く。スタンリー・キューブリックという一つの伝説に終焉にふさわしい芸術品だと思う。甘く危険な裸体美の羅列の中で、まさに真の意味合いを持つ“仮面夫婦”を表現してみせたトム・クルーズとニコール・キッドマンも凄い。この作品の後、二人は実際に結婚生活を解消してしまうわけだが、少なからずこの映画の出演が影響したことは間違いないと思う。そして、この映画がそういう“危険”をはらんでいることを俳優夫婦は分かっていたのだろう。それでも敢えて、この映画に挑み、演じきった。それは、彼らの真の俳優としての本能が抑え切れなかった“衝動”によるものだったのではないか。「たとえ私生活に多大な影響があるとしても、この映画を避けて通るわけにはいかない」という、彼らの共通意識が、ある種の固い絆の中で生まれたのだと思う。結果、彼らは別れたが、各々が俳優としての凄まじいほどの飛躍を見せていることは言うまでもない。キューブリック、クルーズ、キッドマン、3人が選んだ運命、映画人としての業が、危険に混ざり合い、美しさと醜さを併せ持った特異な映画として昇華したのだと思う。 【鉄腕麗人】さん 9点(2004-11-29 02:59:52) |
15.途中から独特のキューブリックワールド炸裂しちゃいますね~。結局、この映画の言いたかったことってのは、もっと夫婦は素直に愛し合うべきだってことなんでしょうか。最後の二コール・キッドマンのセリフからそう思ったんですが。やっぱり女の方が男より一枚上手だと感じてしまう一本でした。遺作にして素晴らしい作品です。 |
14.副題は、「トム君のドキドキエロエロ初体験ツアー」。といったら失礼か。こんなんいってあれですが、非常に好きな作品なんすよ。 【ドレミダーン】さん 9点(2004-07-11 16:41:55) |
《改行表示》13.非日常の不思議な世界に浸らせてくれました。カメラワークに音の使い方、ちょっとHなシーンまでおしゃれな雰囲気で包み込む。キッドマン肢体・リリーの幼児体型を拝めてしまうボーナスが付いたお得なの一品、ありがとうキューブリック。 【スルフィスタ】さん 9点(2004-04-29 02:57:59) |
12.キューブリックは好きな監督の一人なので、公開時に劇場で、しかも夫婦で見ました。その年、観た映画の中でベストでした。その後、DVDもしっかり買いました(後で日本語吹替え付きが出たので少し悔しかった)あまりここでは評価が高くないようですが、夫婦とは? 男と女?家族であり友人であり恋人同士でもある。その間の愛とは? みたいなことを色々考えてしまう映画でした。終始、音楽も含めメチャ緊張感の高い映画。ラストも見事。キューブリックにはあと2・3作は作って欲しかった。 【ぶぅ】さん 9点(2004-03-21 21:40:59) |
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11.18歳なってやっと見た。ビール飲みながら!酔っ払って。でも映画だけでも酔えた。この映画を一言で表すと『滑稽』。さすがキューブリックの遺作。素晴らしき表現。コノ映画を好きな自分が好き。 【ヒロヒロ】さん 9点(2003-12-31 01:41:57) |
10.あそこで大勢に囲まれて・・ いやあ、てっきり自分がトムになりきってしまいました(汗) 【3737】さん 9点(2003-12-21 12:44:33) |
9.キューブリックが好きなんで,かみさん共々好きな作品の一つです.おもしろくはないけど,最高.でもあの仮面かぶった秘密の会合,玄関入った時点で「これはやばい」と回れ右でしょう.普通.何はともあれ,過去にあったことはさておいて,今目の前にある現実が一番大事ということでしょうか. 【take1】さん 9点(2003-04-28 11:59:07) |
8.2回目を見てやっとわかりました。すべてがつながった感じがしてすごく気持ちがよいです。最後のオチが分からなかった人、もう一回見てください。そうすれば半数の人はきっと気が付くでしょう。それでも分からなかった人は・・・まぁこの作品がお口に合わなかったということで。ちなみに「時計仕掛け…」は僕の口に全くそぐわない作品でした。 【とむ】さん 9点(2002-09-06 21:08:04) |
7.キューブリック作品はどれもこれも、映像と音楽が美しく、とても楽しめますが、これは特に映像がお見事!屋内のシーンは自然光での撮影ですって?内容はもっと観念的で難解なものかと思っていたら、意外と分かりやかったのでチョット拍子抜け。これが遺作となってしまったのが本当に悔やまれます。トム・クルーズじゃなくても良かったのでは? 【KEN】さん 9点(2002-06-18 13:52:12) |
6.これを見て私はまた自分の才能の無さを呪いました。キューブリックは老いても私の二枚上手を行くのだなあと。顔に代表される、個人があるために抑圧される性を、抑圧しても性に回帰している人間のゆがみを描いているのでは。今まで私はそれをそれと感じずに生きてきたように思います。もう一度見たら、また違う感想が持てそうです。あー、ファックしてえ。 【足】さん 9点(2002-05-20 00:06:42) |
5.この映画は「騙し」の問題を扱っている。「騙し」とは個人レベルに還元すれば「誤解」や「錯覚」のことである。人は自分を騙し、他人を騙し、生きている。人間の行う全ての行為は、現代において「騙し」が独占しているとも言える。個人レベルでは勘違いや思い込みがある。社会レベルでは、マスコミは世論を暗示し、宗教は偽りの安息を与え、金はあたかも本当に価値があるかのように振る舞い、映画は虚実を見せ続け…といった具合である。しかし、人間社会以外にも「騙し」は存在する。昆虫は擬態で敵の目を欺き、食虫植物は甘い蜜で虫を誘うのである。自然界にも存在する「騙し」とは、普遍的な「知恵」なのだろうか…。よく「騙される方が悪い」というが、実はこれが然り。日常的に「騙し」は氾濫しており、騙し、騙されるのは当たり前。結局、この世は『騙したもん勝ち』なのである。これは「結果よければ全てよし」という諺に裏打ちされる。キューブリックは「結果の為には手段を選ばなかった」が、これぞ人生の教訓。どんなことをしてもでも結果を残さなければ、全ては水の泡。世の中、「綺麗は汚い」なのである。「罪と罰」のラスコーリニコフは真実を知っていたのだ。現代社会は「結果」の為に「知恵」を絞って戦う人々の戦場。この戦場で騙されないようにする為には、まず物事をよく見つめること。そして、経験(知恵)と知識を増やすこと。最後の難関は、先入観・主観・感情を捨てて物事を見、極力客観的に判断することである。…と、このように考えさせられるほど、この映画は人間のありのままの姿を見事に映し出していた。人間なんて錯覚と誤解の元で不完全にしか物事を認識できない存在だということである。キューブリックは人間の不完全さをここまでという程に見事に描写し、しかもそれを錯覚するような構成で映画にした。人間の不完全さを表現し伝える為に、わざと錯覚するような構成にするとは…。これぞ、キューブリック的残酷なユーモア。つまり、この映画は、そもそも意図的に理解できないように構成されており、鑑賞者はこの錯覚体験を通して「ああ、これが人間なんだ」と分かればいい映画だったのである。質的に2001年宇宙の旅を凌駕する見事な体験型の映画だったとも言えよう。 この体験の結論は、”騙し、騙されながら人生を謳歌しろ”ということになるだろうか…。気障に言えば、”騙されるのを楽しめ”ということかな。 |
4.これほど見る人によって評価や解釈が異なる映画も珍しいかもしれません.単なるH映画だと思って見たらくだらないでしょう.この映画は,ほとんどのシーンがトムクルーズの1人称で描かれています.トムが出てこないのはキッドマンが口説かれているところ位です.観客に入ってくる情報が乏しいのですが,その裏での出来事を考える手がかりが至る所に描かれています.たた見ているだけでは話の筋さえ理解できないかもしれません.後から考えると,いろいろ解釈できるところがこの映画の素晴らしいところだと僕は思います.さすがキューブリックと僕は言いたいです. 【Sharl】さん 9点(2001-12-13 18:28:27) |
3.最後が理解できないと書かれている方が多いですが、僕は最後の台詞カッチリきました。つまり、今そこにある現状がいつまでもあると決まってるわけではない。人の気持ちなんていつ変わるか分からないし、明日何が起こるかなんて誰にも分からない。だから、今自分達ができる幸せになる努力はやるべきよ。そういった意味なのではないのでしょうか。(あくまで個人的な解釈)それにしてもニコール・キットマン大好きです。あの気の強そうな眼差し。もちろんこの作品自体も大好きな作品の一つですけど。 【ニコルソン】さん 9点(2001-05-10 02:58:00) |
2.最後の「ファック」は「クソ野郎」って意味かな。ビルにではなく、理解できなかった観客に向かって。さすがキューブリック監督。 【華敏】さん 9点(2001-05-07 23:31:02) |