4.《ネタバレ》 コメディと称される映画は数多くありますが、これはあまり体験したことのないスタイルのコメディでした。セリフを少なくすることで、こんなおもしろさが生まれるんですねー。主役のバンドメンバーがいかにもウケを狙ったようなキャラクターだったので、そのアクの強さによるドタバタ映画かと思ったら、まったくの真逆。クオリティの低いコメディのようなガチャガチャした感じがないので、落ち着いて楽しめました。
レニングラード・カウボーイズ、セリフが少ないためか、見ているうちになんだか「動物の群れの集団行動に似てるなー」と思えてきました。
アメリカに電話するマネージャーの様子を窓から見ているメンバー達、刑務所内でビールの空き缶を叩くメンバー達、バーで黙々とクルミを割り続けるメンバー達・・・。レニングラード・カウボーイズという新種の生き物の生態を描いているような可笑しさでした。
ロシア民謡から始まって、ロックンロールやビーチボーイズなど、演奏シーンになると、おかしなことをしているわけではないのに、なぜか笑えてきます。映画では「ヘタクソな演奏」という設定でしたが、実際はそんなにヘタではないし、音楽映画としても楽しめる演奏レベルだと思います。
笑いどころはいろいろとありましたが、自分が一番笑ったのは「民主主義復活」のテロップでした(笑)