《改行表示》13.《ネタバレ》 これはもう日本映画界の最高傑作と言っていいんじゃないでしょうか。多くの方が指摘するとおり、主役2人の火花を散らすような迫真の演技がすばらしい。それに、入れ代わり立ち代わり現れる有名な役者もいい。それぞれクセのある役どころで楽しませてもらいました。颯爽と登場してあっさり消える丹波哲郎は、シリアスな全編における唯一の笑いどころでしょうか。 裁判の終盤における逆転劇はいささか弱い気がしましたが、そのあたりはもうどうでもいい感じ。徹頭徹尾悪女であり続ける桃井かおりと、弁護士としては凛としていながら私生活ではけっして浮かばれない岩下志麻を見れれば十分。しかも、最初は反目し合っていても最後は打ち解けるというパターンはよくありますが、最後までバチバチですからね。ものすごくリアルというか、重厚感があります。 【眉山】さん [インターネット(邦画)] 9点(2021-08-27 01:27:31) |
12.《ネタバレ》 強烈に面白いですねコレ。久々に一気に観てしまったなー。これを知らないままだったらメチャ損するとこだったね(笑) 桃井かおり・岩下志麻 この二人に共演は素晴らしい(岩下志麻の色気はヤバイねw) お見事ですオススメいたしますデスハイ 【Kaname】さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-05-17 06:54:51) |
11.大ネタ自体はなるほどクラスなんだけど、この作品以降同様なテーマの事件が実社会で頻発していることを考えると原作の先見性は称賛に値する。本作の素晴らしいのは先ずキャスティング。古い作品だけに往年の演技派が勢ぞろいしているが、皆持ち味を発揮してるし、その演技見るだけでも堪能できる。その中でも際立って素晴らしさを発揮したのが桃井かおり。まさしく球磨子を演じきった。本当に憎らしい。それと岩下志麻の氷のような美しさ。僕はどうにも極妻世代なのでそのイメージしかなかったけど、改めて見直した。宗春君に会いに行った時のノースリーブと胸の色気、中学生の肩に手を回して色仕掛けかよ、そして法廷では恫喝と、酷なことしよると思ったけど。ぼくも柄本明と同じで法は見逃しても人情では許さんぞ派。それにしても森田健作や鹿賀丈史の証言あって、生命保険の時期と額。息子の遺言書は燃やされおりしかも中学生の証言。僕の市民感覚は無期懲役なんだけどなあ。緊張感ある展開といい、邦画として相当な良作です。 【タッチッチ】さん [インターネット(邦画)] 9点(2019-09-16 20:17:38) |
10.《ネタバレ》 宗治君には、男だったら大事なもの守るためなら、一生重荷に背負っていかなきゃいけないウソがあるのだよと言いたい。福太郎氏には、本当に息子を大事に思っているなら、そんな重荷を残さず、一人で黙ってやれと言いたい。そんなしょうもない男と対比するように「炎の女と氷の女の華麗な対決」とされる本作ですが、桃井かおり(炎の女)の圧勝じゃないですか。最後まで、画面を支配していたのは彼女でした。激昂したり、毒づいているときはもとより、法廷で少しぼんやりしている表情にも引きつけられました。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 9点(2015-03-29 07:36:37) |
9.《ネタバレ》 ●憎まれっ子、世に憚る!!桃井氏のキャラクターは史上空前ではないでしょうか。ここまで人情に揺るがないのも珍しい。●もう一人の嫌われ者・岩下氏との絡みが本当に面白い。●記者秋谷の非難の考え方は現代でも見られますね。司法では無罪でも人として・・・と。●球磨子を最も嫌悪している息子が無罪の決め手を提示してしまう皮肉。無罪確定時点で財産譲渡が済んでいるということはないか?と期待しましたが、現実は世知辛い(自分も白河家に思い入れしてしまってますね)。●大変優れた作品と考えますが、何度も見る気にはならない。清張作品・野村作品にはよく感じる印象です。 ●大物然とした登場ながらすぐに消えた丹波氏。この方、こういうチョイ役が多いですね。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-07-05 22:49:45) |
8.《ネタバレ》 どのレンタル店に行っても、松本清張作品がズラリと並ぶ中に『疑惑』だけは取り扱われていない。どういうワケでどこにもないのか妙に気になりましたが、この度ようやく離れ町の1店舗に1枚入荷! 車で30分以上かけてやっとレンタル。高校生のときにTVで観たきり、忘れられない邦画なのです。当時、僕は邦画を馬鹿にしていました。「邦画なんてどうせ暗くてジメジメしたものか、チャチな特撮で中身空っぽか、ヤクザ映画でしょ」てな具合です。けれどこの映画をTVで見た時、桃井かおりのキャラに強烈なパンチを食らった気分でした。「こんなスゲー映画が日本でも作れるのか!」と放心状態に近い感覚を味わいました。それからおよそ30年ぶりの鑑賞となるのですが、やはり面白かったです。謎解きものとしてはいきなり強引な解答で、その点では面白みはないですが、この映画の面白みは桃井かおりと岩下志麻のキャラが火花を散らすとこにあります。で、どっちの女も「嫌われ者」なんですよね。「正しいか正しくないか」とかより「好きか嫌いか」ってところで行動しちゃう人間の性みたいなものが柄本明演ずる新聞記者のキャラを通して分かりやすく描かれます。で、桃井かおりのキャラは「正しいか正しくないか」なんてまるで考えないタイプの女で、一方の岩下志麻のキャラは弁護士でもあるし少なくとも職務上のことは正しい行動を選択。けれどそんな岩下志麻も結局嫌われ者なワケです。世間の鼻つまみ者の命を救ってあげた唯一の存在なのに誰からも好かれておらず、唯一愛する娘とも別れるはめになる。一方の桃井かおりはただ1人の男には溺愛され、その男に始末されそうになるも「1人だけで死なせるのは可哀想」と思ってもらえた。彼女は誰も愛してなんかいないのに。そして自分を嫌ってる世間には飄々と舌を出してみせる。どっちの女にもなりたくないが、辛い感がないのはどっちの女かってことだよね。こういうの見せつけられると『愛されることより、愛することの方が大事だ』とか言い切れるかな? 【2014/4/26追記】別府3億円保険金殺人事件という現実にあった事件をヒントに作られた話なんですね。鬼塚球磨子のモチーフは荒木虎美という男性。なぜ警察は捕まえないのかと批判が殺到したとかで、そんななかTVのワイドショー『3時のあなた』に出演したとか。森田健作演じた電話ボックスの目撃者も、タクシー運転手の実在人物にヒントを得てるようです。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-07-11 18:07:47) (良:1票) |
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7.≪桃井かおり劇場≫ 岩下志麻も良かったけど、この映画は何といっても桃井かおり。強烈すぎます。今ではすっかり、ちょっとユニークな某化粧品のCMで有名な個性派女優さん、というイメージで固定されてしまっている感がありますが、子どもの頃この映画を観た時は、何て怖くて嫌な女の人なのだろうと思いました。映画の内容は殆ど覚えていなかったので再見。今観ても色褪せない強烈な悪女キャラ。脇を固める男優もそれぞれ良い演技をしてますが(柄本明、鹿賀丈史、小林念寺)、この二大女優の圧倒的な存在感を前にしては翳みがち。皆さんおっしゃる通り、所々のセリフで笑わせてもらいました。8点と思ったけど、最後のワインのシーンは邦画史上、いや≪映画史上≫と云ってもいいくらいのインパクトだったので、+1点で。 【LORETTO】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-06-01 22:45:39) |
《改行表示》6.《ネタバレ》 まさにこれが映画じゃ!って感じの傑作。 脚本もキャストも演出もなにもかも最高。本当に桃井ははまり役ですよね。そして、これだけおもしろい上に、今観ると笑いの要素もたっぷりと。「この、ペン乞食が!」「バンス」「あんたみたいな女、大っ嫌い」「お゛えーっ」・・・名セリフ(?)連発! 【HAMEO】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2008-12-30 19:11:04) |
《改行表示》5.松本清張と野村芳太郎というだけで勝負アリなのに、加えてなんと桃井かおりと岩下志麻という信じられない夢の組み合わせ!この一騎打ちはまさに日本映画史上に残るカッコよさ!細かい突っ込み所は確かにあれど、当代切っての2大女優の火花散る激突にただただ 唖然呆然・・・ラストのワインぶっ掛け合いには思わずエビぞり!こんなカッコエエ女の カッコよすぎるシーン、ないでホンマ。 【チョッパー】さん [地上波(邦画)] 9点(2008-08-07 22:06:05) |
4.《ネタバレ》 とにかくおもしろい! 桃井、岩下、仲谷など、キャスティングが完璧。 ストーリーにも、ぐいぐい引き込まれます。 別に哲学的にどうとか、そういうものではないですが、何にしろ、面白いものは、面白い! 【コウモリ】さん [地上波(邦画)] 9点(2007-04-23 01:06:48) |
3.《ネタバレ》 高校の頃にテレビで見て以来、また見たいと思っていた映画だったのだが、今回ようやく念願叶って再見することができた。ストーリー自体はよくある法廷ものであるが、とにかく被告・球磨子がすごくいやな女に描かれていて、またそれを演じる桃井かおりもこの役を演じるために女優になったのではと思うほどのハマリ様で、見る者の被告に対する感情移入を許さない描き方が完璧だし、そんな彼女の弁護を引き受けたもう一人の女・佐原律子を演じる岩下志麻も一癖ある弁護士を熱演していて、ほぼ全編に渡ってこの二人の「悪女」の対決が見ごたえじゅうぶん、迫力じゅうぶんに描かれていて、以前にも見ていて裁判の結末を覚えているにもかかわらず、以前見た時よりも面白かった。とくに桃井かおり、個人的には苦手な女優で、好感も持ったことがないのだが、さっき球磨子を演じるために女優になったのかと書いたように彼女独特のキャラクターが球磨子という女にバッチリ合っていて、まさにこの球磨子はそんな桃井かおりが演じるからこそその悪女ぶりが際立っていて、本当に憎たらしく、演技もそうだが、この配役も素晴らしいとしか言いようがない。こんな誰もが有罪になることを望むような女が最後に無罪になってしまう結末なのだが、ここで終わっていたら後味が悪かったところをそうはせず、ラストで球磨子にもきちんと制裁を加えて終わっているのが良い。このラストの二人がワインをぶっかけ合うシーンは昔見た時よりも強烈で、インパクトが強く、このシーンが本作をより象徴的なものにしている。この時期の野村芳太郎監督の映画にはイマイチなものが多いが、本作は紛れもない日本映画史上に残る傑作だと思う。それは原作者の松本清張自身が脚色に参加した脚本の質の高さもそうだが、やはり主演の二人、桃井かおりと岩下志麻の起用の成功が大きかったのだろう。(2013年12月25日更新) 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-01-20 01:24:48) (良:1票) |
2.女優としたらこういう役演じるのって凄く気持ちいいんだろうな・・・。桃井かおり演じるヒロイン、鬼塚球磨子ってネーミングもすごすぎです。球磨子って聞いて最初「熊子」ってイメージしたの俺だけじゃないよね?ね!「白いドレスの女」と並ぶ80年代悪女映画の秀作だと思います。(追記)久しぶりに再見したら、やっぱりエラク面白かったんで一点プラス。自分の歩んできた道が正しいとそれぞれ信じて疑わない、本来なら人生において何の接点もなかったはずの我の強い女二人。この二人が出会ったらどんな化学反応を起こすのか・・・。その結果反応の秀逸さが事件の真相よりも、本作の評価を高らしめている一番の要因かと思います。横からチャチャを入れまくる鹿賀丈史、山田五十鈴といった脇役の布陣も文句なし。「アンタなんかチンコロの懲役太郎なんだからあっ!」とか「ちょっとお~、ここ税務署?」とかいう台詞にいちいち爆笑。桃井&岩下志麻、映画での再共演を強く希望! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 9点(2004-05-30 16:25:15) |
1.小学生の頃TV放映されたものをビデオに録画、なぜか擦り切れるまで繰り返し繰り返し、まるで憑かれたかのように見た映画でした。とにかく女性2人がかっこいい。桃井かおりの絞首刑シーン(幻覚?)、同じクラスの男の子が紙袋かぶってよく真似してました。 【こうもり男爵】さん 9点(2004-02-10 00:38:21) |