《改行表示》66.《ネタバレ》 ラッセ・ハルストレムの最高傑作は「HACHI 約束の犬」なのかも知れないが、やっぱりハルストレムはのどかな田舎で起こる騒動を描いた映画が一番落ち着く。「やかまし村のこどもたち」とか「ショコラ」「サイダーハウス・ルール」「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」とか。 冒頭に登場する長い道は、家族という“鎖”から解き放たれ、旅人が大地を歩みはじめる事を待っている。 知的障害の弟アーニー、夫の死のショックで肥満になってしまった母親、それの面倒を見なければならないギルバートたち兄妹。そのストレスを晴らそうと、不倫を受け入れるギルバート。 自分の母親を「鯨」呼ばわりする彼だが、本当は家族を守りたいと一生懸命。必死に自分を押し殺して生きようとしている。 そんな彼を解き放とうとする様々な出会いや事件。 アーニーの行動がギルバートの鬱憤を爆発させ、不動の母を大地に立たせ歩ませる。 妹の“中指”に車の“バック”で返事?するシーンは爆笑。危ねえなあもう。 首の無い状態で腰を振り続けるカマキリを想像してしまって泣いた。色んな意味でオスを「ごちそうさま」ですかそうですか。 男を喰らう母親もいれば、我が子のために死を選ぶ母親もいる。 グレイプを刺激するベッキー。 帽子を被った可憐な少女かと思えば、帽子を取ればボーイッシュで活発な女性に。 多くを語らないベッキーママも粋な事。 不倫に奔る母、 愛する子のために恥を捨てて行動する母、 娘を静かに見守る母・・・様々な母親がギルバートたちを囲む。 終始何処かコミカルだが、終盤はシリアス。 喧嘩と仲直り、別れの前の交わり、そして“火葬”・・・しがらみから解放されたギルバートたちは、愛する者と共に果てしなき大地へと旅立っていく。 メッチャ良い映画やんけ。 ダーレン・ケイツが幼い頃に体験した両親の離婚。家族が死ぬのと同じくらい彼女にはショックだったのだろう。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-21 21:22:01) (良:1票) |
65.《ネタバレ》 ラッセ・ハルストレムのつくる空気感がとっても好き。 |
64.観終わって、もやもやしてたものが、370の「たきたて」さんのコメントを読んですっきりした。たきたてさん、ありがとう。/今日この作品を二回目観て、改めて青春映画の傑作という気がした。前回観たときはなぜか(もしかしてギルバートを誘惑する奥さんとのことに攪乱されて)その全体像を結べなかった。二回目観てはじめて優しくてかしこいベッキーとの出会いのすばらしさ、澄み切った二人の会話の自然さ、すばらしさに気が付いた。バスの中で…、土砂降りの雨に打たれながら…、焚火のそばで…。本当に感動的だった。 【柚】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-07-29 09:50:08) |
63.《ネタバレ》 何処にでもあるようなアメリカの片田舎で、家族と共に鬱屈した毎日を過ごす青年ギルバート・グレイプ。夫が自殺したショックから過食に走ってしまい、今では体重が200キロを超え、ほとんど外出することもなくなってしまった母親。そして知的障害のある弟は、日頃から問題行動を繰り返し、ギルバートを悩ませている。そんな折、偶然街を通りかかったベッキーという名の自由奔放な女の子に、彼は深く引き寄せられていくのだが、家族という重荷は簡単には彼を放してはくれない――。人間はどこまでも弱く愚かで、そして家族というシステムは必ずしも人を幸せにするものではなく、もしかしたら人を閉じ込める牢獄でしかないのかもしれない。そんな諦念から出発しながら、この映画は、最後はそれでも人であること、家族であることを深い悲しみと共に肯定的に描いてゆく。のどかでのんびりとした時間が流れる叙情的で美しい田舎の風景も、そんな鬱屈した青年の思いを優しく見守っているようだ。そして、最後に家を包む炎は、世間からどんな目で見られようともそんな母親の子供として生きてきたギルバートたちの誇りの象徴なのだろう。若き日のラッセ・ハルストレムが、その持ちうる限りの才能を注ぎ込んで創り上げた青春映画の傑作だと思います。まだまだ無名に近かったころのジョニーデップ&ディカプリオの自然な演技も素晴らしい。人生に疲れたときなんかに、ふと観返したくなる大好きな作品の一つ。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-05-04 20:01:18) |
62.《ネタバレ》 久々に映画らしい作品を見たと思った。このキャストの話題作を今まで見ていなかったことも恥ずかしいのだが。明確なメッセージが提示されているわけでもないが、こういうのが私は大好きだ。ある家族のエピソードを大風呂敷を広げるように紹介し、何事かをきっかけにバッと収束するという感じが好きだ。母や弟のことを重荷に感じているが、そのことを認めようとせず自分をコントロールしてしまう兄、自分をコントロールできない弟、我慢の末コントロールが効かなくなった母。その三人のうち誰かが死ぬんだろうなという緊張感。父が残した家屋のしがらみ。炎は全てを焼き尽くした。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-11-17 22:06:28) (良:2票) |
61.《ネタバレ》 舞台は北欧からアメリカの片田舎に移れど、はたまたイングマル(=弟としての存在)とギルバート(=兄としての存在)はかなり異なるキャラではあるけど、やっぱりこれは『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』の変奏曲、のように思えてくる。やや受け手の存在である主人公、彼を取り巻くいっぷう変わった人々。彼らが日々同じような奇行(?)を繰り返すことで、変化の無い日常が描かれる。しかしそこには少しずつ変化が刻まれていく。例えばハンバーガーチェーン店がやってくる、という変化だけでも、何だか愉しかったりする(変化の無い日常自体が愉しく描かれていた『マイ・ライフ~』で、変化というものが時にヤなもの、切ないものとして捉えられていたのとは趣きが異なりますが、主人公が成長過程であるか、成長していよいよ飛び立とうとしているか、の差から来るものなのかも)。で、小さいが様々なギルバートの経験が描かれていく中で、ある大きな転機が発生する。保護すべき存在であった弟アーニーを感情に任せて殴ってしまう。いやそれよりも、アーニーが独立した存在としてその感情を受け止めてしまう。そして、太り過ぎて動けない母が、息子の為とか云う理由からではなく、自らの意思で階段を上る。日常における“奇跡”って、そんなもんなのではないでしょうか。ここでふと、屋根修理オジサンがある日屋根を下りて川に入るエピソードを思い出す。大きな、極めて大きな転機の象徴。そして母の死とは、息子にとって旅立ちの時。イングマル君は“火”を制御できず不本意ながら火事を起こしてしまったが(母号泣でしたね、ははは)、ギルバートは決然と、母のため、自分たちのために、“火”を放つ。・・・と言う訳で、本来なら独立した作品をこうやってあまり(強引に)結び付けて観るべきではないのかも知れませんが、何だかグッときてしまうのです。あと、どちらの主人公も将来、尻に敷かれそうな気が。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-24 23:07:57) |
60.《ネタバレ》 よく考えたら雰囲気映画なのかもしれない、それでも2時間があっと言う間で最後は清々しかった。田舎は良い。夕焼けが綺麗~とか、そういうのもあるけど、大型スーパーに客を奪われ閑散としている商店の通りも味があって好きだ。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-10-12 19:43:44) |
《改行表示》59.ギルバート・グレイプという人物の日常をみつめたら、それはキラキラ光っていた、 完璧に正しいアングルでギルバート・グレイプをフレームにおさめたラッセ・ハルストレム。日常にある「光」を描くために必要な役者やスタッフ。 この映画をみることで、私は「いいひとになりたい」人間を知ることが出来た。 【ぺんぎんうさぎ】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-04-18 04:53:21) |
58.《ネタバレ》 家族を支える苦悩に揉まれながら、本人としては頑張っているのにもかかわらず弟以外の家族や警察から弟のことで文句ばかり言われるギルバートの気持ちが痛いほど伝わってきました。これといった捌け口もなく、毎日をこじんまりした商店と家と、時たま鉄塔との往復で費やす寂しさは言葉にしようがないものがありますね。弟を殴ってしまったと悔やむ様子が特に印象的でした。ベッキーの登場から彼女との恋愛がメインになってしまうのかと思いきや、そうでなかったのも好印象ながら、序盤のギルバートの配達先での不倫は少々不要かと思いました。ともあれ燃える家を見つめる兄弟たちのシーンと、全編にわたる片田舎の映像の叙情的な美しさが素晴らしかったです。名作。 【Thankyou】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-01-29 06:32:02) |
57.《ネタバレ》 現代においてこういう主人公のような人は決して少なくないはず。余計なことは何も望まない姿は憧れに値する。どれだけ今やっていることが大変でも恋愛や自分のしたいことをやっている姿は本当にかっこいい。語らずとも伝わってくるジョニー・デップの演技は素晴らしい。変人を演じることが多いが、この映画における演技が彼の一番。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-02 23:40:24) |
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56.まるで演技ではないかのようなディカプリオの見事な役作りに目を奪われ、一見ギルバートはただ家族のために自分を犠牲にしている良心と忍耐の人のように見えるが、実はギルバートも自我が薄弱で自分の感情に鈍感すぎるというある意味心の障害を負っている人物なのではないかと思った。人に夢を聞かれて他人の望みばかり答え、自分自身の希望を聞かれると「いい人になりたい」なんて言ってしまうのは、単なるお人好しのレベルを超えている。どうみても絶望的な閉塞状況にあって、この映画が不思議な明るさとあたたかみに溢れているのは、たまたま天に授かったこの兄弟それぞれの心の偏りが絶妙なバランスをなして奇跡のような家族愛にあふれた生活が描かれているからだと思う。それにしてもディカプリオはこの頃が一番光ってた。今じゃ才能を持てあますトッチャン坊やになってしまってもったいない。 【lady wolf】さん [CS・衛星(吹替)] 9点(2006-11-08 14:29:43) (良:1票) |
55.肥満の母の死は悲しむべきことかもしれないけれど、子供たちが自由に自分の人生を生きるきっかけになった。だからこの映画の後味は自由や希望に満ちた感じがするんだと思う。それにしてもディカプリオはすげえ演技するなあ。 |
54.とにかく心が暖かくなる映画。出ている俳優もGOOD。もちろんルックスも良いけどジョニー以外ジュリエット・ルイス他キャストも良い。ただ、途中中だるみを感じた。アーニー役はもしかして本物!?って思ってたけど、最後のシーンで髪型がそういう人はきっとしないだろう位決まってた。ディカプリオ最後気を抜いたな~って思った。 【さら】さん 9点(2005-03-14 10:54:53) |
53.今になってこの映画を初めて観ました。評判通りディカプリオの演技はすごかった!昔の映画「奇跡の人」でヘレン・ケラーを演じた人を彷彿とさせられるようなリアルさと凄まじさを感じた!(ヘレンは三重苦で知的障害とはまた違うけど)あと、ジョニー・デップの演技もギルバートの苦悩がとてもよく伝わってきた。弟の面倒を見るのが自分の役目で、周りの人間にもそれが当たり前と思われていて、彼自身の感情は考えてもらえず、家族さえも誰も彼を理解してくれていない。弟をはじめ家族に対する愛情や義務とか自分自身の人生の意義に悩み、でも不満を絶対に口や手に出すまいとしている彼の姿にとても感情移入できた。もしも主人公が、いつも行動が立派で誰からも尊敬される聖人みたいな人だったら、ディカプリオのほうにしか印象が残らなかったと思う。 |
《改行表示》52.見ている間はとても切ないのですが、なぜか何度も見たくなる作品。 俳優の演技はとても素晴らしく、見事にはまっていますね。 これを見てジョニーデップ、ディカプリオの他の作品が見たくなりました。 |
51.ディカプリオには参った。いろんな愛を見せてくれた映画でした。 【ビンセント】さん 9点(2004-06-09 02:53:16) |
50.《ネタバレ》 いやー良かったすっね!淡々とした中に垣間見せる皆様の表情がとても豊かでうまいです。母親が死んでしまった後に四兄弟が、その母親の部屋で過ごす時間の経過を四人の立ち位置とか部屋の明るさだけで表現していく。とても静かに大切な人が死んでしまった喪失感を出す演出に思わず唸りました。そしてその結果四人が導きだした答えとは・・・自分は、その答えに拍手を送りたいです。 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(吹替)] 9点(2004-06-03 19:55:23) |
49.俺の中でかなりヒットした。いや、ホームラン!! 【諸星わたる】さん 9点(2004-04-12 03:08:25) |
48.《ネタバレ》 ディカプリオ演じるギルバートの弟がウザいことウザいこと!!それだけ名演ということなんでしょうね。さすが天才子役。あんな弟をあそこまで自分を犠牲にしてまで愛せてしまうギルバート。なんという兄弟愛。自由を奪われてまでも家族のために尽くすその姿は尊敬です。しかし長い間抑制されていた人生は何年も外に出ていなかった母親が息子のために警察署へと行くあたりから少しずつ動き出す。今の自分の状況と照らし合わせたりすると、感動せずにはいられません。教えてくれた友人に感謝です。あと個人的に、BACK TO THE FUTURE Ⅲに出てくる女優さんが出ていて嬉しかった^^ 【ちーた】さん 9点(2004-04-12 00:58:25) |
《改行表示》47.作品自体の雰囲気が良いし何よりギルバートに共感が持てる。見終わった後とても爽やかな気分になった。 【ゆきむら】さん 9点(2004-03-31 13:42:49) |