8.小津、トリュフォー、タルコフスキーをファーストネームで呼んだところに感動した。 「驚く」というのは生きている証だと作品内で語られるが、とすると僕はこの作品の鑑賞を通して「生きていること」を確認したことになる。悩むことも愚痴をこぼすことも生きているからこそ、と天使の視点から暴かれる生の実感。悩める人への救済の映画。人生に絶望している人はこの映画を見て、そして聞いてほしい、ピーター・フォークの言葉、「You are not the only one.」を。 【藤村】さん 9点(2004-02-20 08:11:41) (良:3票) |
7.《ネタバレ》 ヴィム・ヴェンダースの作品はこれが初めてだった。一見脈絡のない人々の営みの中に見えるささやかな幸せ。「幻」ではない「歴史」の中に生きている事の素晴らしさ。ドイツ語、フランス語、英語、ユダヤ人やトルコ人、いっしょくたになったベルリン。そこで小さいけれど、確かに自分のもとにある幸福を手に入れた天使。「どんな天使も知り得ないものを知っている」という台詞が最高。 【アイカワ】さん 9点(2003-12-23 11:29:52) |
6.本筋とぜんぜん関係のない、すれ違う人たちのセリフがすごくいいです。泣けました。ブルーノ・ガンツがとてもいいです。街を歩きながら堕天使のように、聞き耳を立てていると嫌なことばかりの世の中でも、生きていけそうな気になります。 【omut】さん 9点(2003-07-15 04:46:57) |
5.いやいはや。とてつもなく考えさせられた映画でした。わたしにとって観ているだけでなく、言葉の意味と、想像を、頭の中でふくらませなければいけないものでした。モノクロからカラーにかわった時の感動は忘れられません。初めは淡々としているなかにも、人々の不安や失望がいっぱいで、切なくなりました。本当に詩でした。ある意味ヴェンダースの中で、この映画が一番なような気がします。 【お抹茶プリン】さん 9点(2002-12-15 20:30:21) |
4.当時ドイツが東西に分断されていたという背景を知らないで見たらきっとつまらないとか退屈などと簡単に判断するでしょうね。あの詩は自分自身の疑問としても共感できますが同じ民族、ともすれば親兄弟ですら会うこともままならない状況下に当てはめればその意味はもっと深く読み取れます。体制の違いが交錯するベルリンという都市なのです。P.フォーク、B.ガンツの天使というのは従来の天使のイメージから遠いものですがあのふたりの(美しいとはいえないが)人生の深さを物語れる顔は決して見る人に変だとは思わせないはずです。 【Jade】さん 9点(2002-11-27 22:09:42) |
3.面白くはないが、傑作なので(笑)。ほんとうは7-8点だが、「面白い」映画ではないので。考えたい人向き。 【HAKO】さん 9点(2002-03-22 02:17:27) |
2.途中何回か登場する、「子供は子供だったころ~」の詩が良かった。2人の表情も優しいし、何よりも映像すごくきれいで、感動した! 【ジャガー】さん 9点(2002-01-14 15:32:28) |
1.ニック・ケイブが見たいがために本作を見たときはまだ高校生だったんだけど、前半のモノローグの意味が良く分からなかったり、不必要なシーンがあまりにも多かったような印象くらいしか持てなかった。しかし、それから数年経って改めて見てみると、最初から最後まで各々のシーンの必然が理解でき、その映像の美しさに大層感動した覚えがある。やはりブルーノ・ガンツとピータ・フォークの表情がたまらなく温かいんだよね。かなり重厚な映画なので万人にはお薦めできないが、人間不信に陥っているような人には是非とも見て欲しいし、自分も死ぬまでに必ずもう一度みておきたい作品。 【ダイ】さん 9点(2001-07-15 01:59:01) |