1.《ネタバレ》 カウリスマキ流ラブ・ストーリー。主人公は「タクシードライバー」のトラヴィス並に不器用な男で、またその彼女は仕事をクビになり続けて終いには泥棒にまで手を出してしまうような駄目人間。そんな二人が織り成す純愛物語なだけに、キッチュなラブシーンを見せられても嫌味さを感じることなく寧ろ愛しく感じられた。最後は決してあの後幸せになれる保障なんて無いけどあれで良いのでしょう、これこそが彼・カウリスマキの言う"負け犬映画"なのだから。それからこれは直接作品とは関係ないけど、劇中でニカンデルとメラルティンとその奥さんが映画館へ観に行った映画がレオーネの「続・夕陽のガンマン」というが何とも可笑しくて面白かった。