2.K・コスナーの頭頂部もチトさみしくなってきて、R・デュヴァルと並んでるとまさに、大ハゲ小ハゲという趣きですが(ゴメン。しかし「大」の方はよく進行を食い止めていると思う)。この二人が演じるカウボーイ、軽口を叩いて見せる年長のR・デュヴァルと、やや無口な年下のK・コスナーを観ていると、何となく「その後のブッチとサンダンス」のようにも見えてきて、うれしくなってきます。内容はといいますと、どこからともなくやってきた流れ者のカウボーイたちが、土地の有力者と対立し、決闘する、という、オーソドックスなもの。それを、決して若くはない主人公の二人が、西部劇そのものを懐かしむかのように、ゆったりと物語を紡ぎます。映画で描かれる物語は、舞台も限定され、期間的にも短いもの。だからこそのゆったり感。もちろん、前半における覆面集団とのやりとりから、ラストの決闘まで、劇的で緊迫感のある場面も多いのですが、一方では中盤における大雨の一夜、執拗に降り続く雨が、夜の長さを象徴していて、持続する時間そのものが印象的。そしてクライマックスの銃撃戦もたっぷり時間をとっているのですが、さらには空間もたっぷりとって、これが特筆モノの、物凄さなのです。細かいショットの積み重ねでいかにも撃ちあっているように「見せる」、というイマドキの演出ではなく、ここで見せつけられるのは、本当に人間同士が撃ちあう姿。暴力の表面的な演出ではない、暴力そのものの光景、これはハッキリ言って、衝撃的ですらありました。ラストもゆったり時間をとり、いささか甘ったるいのかも知れないけれど、これは愛の物語、西部劇への愛の映画なのだから、これはこれで良いのではないか、とも思えます。